5章:全てはこの為に
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全員の軽い自己紹介が無事に終わる。
ヴィヴィアンを軽視するかのようなケイドの挑発的な発言に対し、我慢ならないと叫んだコグマンが彼を殺そうとした何とも笑えないエピソードがあったものの、とりあえず二人は今の時点ではこれ以上の口喧嘩をするつもりはないらしく、この場の指揮権をエドモンドへと移すと言うかのように彼へと視線を向ける。
自己紹介をしていないのは彼一人だけだ。
この場に自分達を招いた者に対し各々が異なる感情を抱きながらエドモンドを見つめる中、彼は綺麗な礼をすると口を開いた。
「さて、各々思うところがあるだろうがまずは私の話を聞いて欲しい。そちらのお嬢さんには既に自己紹介を終えているが、改めて自己紹介をさせて頂く・・・私の名はエドモンド・バートン。伯爵の位を有している。そしてウィトウィック騎士団の最後の一人だ」
ウィトウィック騎士団。
どこか聞き覚えのある名前だと思いながらミソラは新たに用意された紅茶に口をつける。
「聞いたことない騎士団ね」
歴史に関して深い知識を持っているらしいヴィヴィアンが疑うかのような視線をエドモンドへと向ければ、彼は解っていると言うかのように目を細めて笑うと一行をある場所へと案内した。
その部屋に飾られている絵画を見つめていたミソラだったが、中世時代の絵画には不釣り合いな存在が居る事に気づく。
まるでトランスフォーマーのようなフォルムをした存在。
それをジッと見つめていると、いつの間にかエドモンドがすぐ近くに立っていた。
「彼等は常に時代の要となる場所に存在していたのだ」
「それは・・・もしかして、この国にで語り継がれている話の中でも?」
「勿論だとも。君は聡いな。我らの歴史、我らの誇りたる、アーサー王伝説にも深く関わっている。我らウィトウィック騎士団は歴史が大きく動くときにいつだって暗躍していた・・・文明が進化する度に我らは動く。技術が上がる度に我らの存在は人の記憶から薄れていく。最終的には彼のように役目を終え表舞台から退場することとなるのだ」
エドモンドが杖で示した先にある写真を見たミソラは大きく目を見開く。
その写真に写っていたのはサムだ。
彼もまた、知らない内に大きな運命に絡め取られていた。バンブルビーとの出会いも、マトリクスを手に入れる事も、全てが必然的に決められていたことなのだと思いながらサムの写真を見つめる。
「我々は秘密を長い間守ってきた」
歌うようにエドモンドは告げると壁に掛けられている一枚の家系図へと視線を向ける。
「40世代もの歴史を持つ一族。そう、君の父上も騎士団の一員だった・・・もっとも君にはそれを秘密にしていたようだが」
コグマンが差しだしたものを見たヴィヴィアンは信じられないというかのような顔をしたままそれを見つめる事しか出来ない。
何もかもが知らない事ばかりだ、そう言いたげなヴィヴィアンを気遣い彼女に対して必要以上に誰も声を掛けることはしなかった。
ミソラも彼女には気持ちを整理する時間が必要だと思うと、壁に掛けられている絵画を眺めることに専念する。
教科書に載っているだろう有名な人物の顔、見たことがない人の顔、その誰もがトランスフォーマーと深く関わっているのだなと思いながら目線を次々と動かしていた時だ。
ある一枚の白黒写真を見て息を止める。
それは、それに写っていたのは紛れもない自分自身だったからだ。
白衣を着た沢山の男達、彼等に囲まれるかのように虚ろな目をした自分がいる。
「(あぁ・・・これは)」
写真の右下に刻まれている日付を見たミソラはそれがアーチボルト・ウィトウィッキーの弟子、後に親と呼べる存在に助け出される前の写真である事に気づく。
『この写真は伏せておきましょう。あまりにもセンスのない物ですからね』
いつの間にかすぐ近くに来ていたコグマンはミソラの視線の先にある写真に気づくとそれをくるりとひっくり返してしまう。
彼なりの優しさだと理解したミソラはコグマンにだけ聞こえるようにお礼を告げると、金属の冷たい手がそっとミソラの背を撫でた。
ヴィヴィアンを軽視するかのようなケイドの挑発的な発言に対し、我慢ならないと叫んだコグマンが彼を殺そうとした何とも笑えないエピソードがあったものの、とりあえず二人は今の時点ではこれ以上の口喧嘩をするつもりはないらしく、この場の指揮権をエドモンドへと移すと言うかのように彼へと視線を向ける。
自己紹介をしていないのは彼一人だけだ。
この場に自分達を招いた者に対し各々が異なる感情を抱きながらエドモンドを見つめる中、彼は綺麗な礼をすると口を開いた。
「さて、各々思うところがあるだろうがまずは私の話を聞いて欲しい。そちらのお嬢さんには既に自己紹介を終えているが、改めて自己紹介をさせて頂く・・・私の名はエドモンド・バートン。伯爵の位を有している。そしてウィトウィック騎士団の最後の一人だ」
ウィトウィック騎士団。
どこか聞き覚えのある名前だと思いながらミソラは新たに用意された紅茶に口をつける。
「聞いたことない騎士団ね」
歴史に関して深い知識を持っているらしいヴィヴィアンが疑うかのような視線をエドモンドへと向ければ、彼は解っていると言うかのように目を細めて笑うと一行をある場所へと案内した。
その部屋に飾られている絵画を見つめていたミソラだったが、中世時代の絵画には不釣り合いな存在が居る事に気づく。
まるでトランスフォーマーのようなフォルムをした存在。
それをジッと見つめていると、いつの間にかエドモンドがすぐ近くに立っていた。
「彼等は常に時代の要となる場所に存在していたのだ」
「それは・・・もしかして、この国にで語り継がれている話の中でも?」
「勿論だとも。君は聡いな。我らの歴史、我らの誇りたる、アーサー王伝説にも深く関わっている。我らウィトウィック騎士団は歴史が大きく動くときにいつだって暗躍していた・・・文明が進化する度に我らは動く。技術が上がる度に我らの存在は人の記憶から薄れていく。最終的には彼のように役目を終え表舞台から退場することとなるのだ」
エドモンドが杖で示した先にある写真を見たミソラは大きく目を見開く。
その写真に写っていたのはサムだ。
彼もまた、知らない内に大きな運命に絡め取られていた。バンブルビーとの出会いも、マトリクスを手に入れる事も、全てが必然的に決められていたことなのだと思いながらサムの写真を見つめる。
「我々は秘密を長い間守ってきた」
歌うようにエドモンドは告げると壁に掛けられている一枚の家系図へと視線を向ける。
「40世代もの歴史を持つ一族。そう、君の父上も騎士団の一員だった・・・もっとも君にはそれを秘密にしていたようだが」
コグマンが差しだしたものを見たヴィヴィアンは信じられないというかのような顔をしたままそれを見つめる事しか出来ない。
何もかもが知らない事ばかりだ、そう言いたげなヴィヴィアンを気遣い彼女に対して必要以上に誰も声を掛けることはしなかった。
ミソラも彼女には気持ちを整理する時間が必要だと思うと、壁に掛けられている絵画を眺めることに専念する。
教科書に載っているだろう有名な人物の顔、見たことがない人の顔、その誰もがトランスフォーマーと深く関わっているのだなと思いながら目線を次々と動かしていた時だ。
ある一枚の白黒写真を見て息を止める。
それは、それに写っていたのは紛れもない自分自身だったからだ。
白衣を着た沢山の男達、彼等に囲まれるかのように虚ろな目をした自分がいる。
「(あぁ・・・これは)」
写真の右下に刻まれている日付を見たミソラはそれがアーチボルト・ウィトウィッキーの弟子、後に親と呼べる存在に助け出される前の写真である事に気づく。
『この写真は伏せておきましょう。あまりにもセンスのない物ですからね』
いつの間にかすぐ近くに来ていたコグマンはミソラの視線の先にある写真に気づくとそれをくるりとひっくり返してしまう。
彼なりの優しさだと理解したミソラはコグマンにだけ聞こえるようにお礼を告げると、金属の冷たい手がそっとミソラの背を撫でた。