5章:全てはこの為に
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「ねぇ!?ケイド達は!?」
「次の待ち合わせ場所で会えるから大丈夫ッ!今は私達が逃げ切ることを専念しよう」
右へ左へとバイクを走らせながらミソラは次の集合場所へと向かう。
背後からは怒声と共に銃撃音、そして大きな破壊音が絶えず聞こえていて嫌でも悪い結末を想像してしまう。
マイナスに考えては駄目だ、そう自分に言い聞かせたミソラは今は余計な事を考えずバイクの操縦に専念すべきだと思った時だ。
十字路から勢いよくパトカーが飛び出してくる。
咄嗟にハンドルを切ってそのパトカーを回避したミソラは、後少しでもハンドルを切るのが遅ければ追突していたと理解した瞬間、背中を嫌な物が伝い落ちていくのを感じた。
『久しぶりだな。小娘』
「どこかでお会いしましたか?」
併走するパトカーから聞こえた言葉にミソラは彼と自分は会ったことがあっただろうか?そう思いながら必死に記憶を探す。
『プレイボーイ217。貴様はアイツと共に居た』
その単語を聞いて思い出すのは初めてサムがディセプティコンに襲われたときのことだ。
アーチボルト・ウィトウィッキーの眼鏡に関してサムを脅してきたのもパトカーだったなと思い出す。
もしかしてその時のパトカーが貴方なのかと視線を向ければ、パトカーは答えるかのように一度だけサイレンを鳴らした。
「貴方もしつこいパトカーですね」
『バリケードだ』
「それで?私に一体何のようですか?」
『投降してメガトロン様にその身を捧げろ』
「お断りします」
バイクを加速させたミソラの耳に届くのは楽しげな笑い声だ。
抵抗するのならばある程度、痛めつけてからメガトロンに差しだしてやろうと言うかのようにバリケードは後ろに回る。
バイクを時折掠める弾丸は意図的に外されていることくらい解っている。性格悪いパトカーだなと思いながらミソラはバイクを左右に振りながら必死に攻撃を避ける事しか出来ない。
そんなミソラの抵抗を嘲笑うかのようにバリケードは少しずつ距離を詰め始めていた。
このままでは背後から追突されると思ったイザベラが縋るようにミソラにしがみつく。
「大丈夫。闇雲に走っていたわけじゃないから」
勝算があったのだと言うかのようにミソラが呟いた直後、前方の道路が突然爆発する。
一寸遅れて飛び出してきたのはグリムロックだ。
彼はミソラの姿を認識した直後、後は任せておけと言うかのように炎を吐きながら雄叫びを上げた後、ミソラを追いかけるかのように背後を走っていたパトカーに気づく。心なしか赤い瞳が期待するかのようにキラキラと輝いているかのようにミソラには感じられた。
「グリムロック!アレは食べても怒られないパトカーだよ!!!」
『小娘ッ!!貴様ぁ!!!!』
通り過ぎざまにそう告げた直後、グリムロックは歓喜の雄叫びを上げるとバリケードへと向かって突進する。
間一髪という状態でソレを回避したバリケードだったが、グリムロックは絶対に逃さないと言うかのように大きく口を開けながら襲いかかっていく。
「ミソラってさ」
「なに?」
「時々ちょっと凄いよね。色々な意味で」
その発言にミソラは何とも微妙な顔をして黙り込むことしか出来なかった。