5章:全てはこの為に
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イザベラが着られそうなサイズの服をいくつかタンスから取り出したミソラは、状態の良い服を数着手に取るとソレを彼女の前に差し出す。
「本当は新品を用意できたら良いんだけど物資の補給に行くのは来週の予定なの。それまでの間はコレを着替え代わりに使ってね?」
お金も勿論だが指名手配がされているケイドとミソラが街に気軽に買い物に行くことは中々出来ないのだ。
至る所にある監視カメラによってすぐに警察やら、軍隊やらがやって来るということは過去に一度経験している為、二人は二度と街には行かないと強い決意を持って誓った。
それ以降、買い物は全てケイドが雇ったジミーに任せるようになったのだ。
「私は貴方のベッドを、ううん。部屋を奪ったのに服まで使っちゃっても良いの?」
「困ったときはお互い様だから。気にしないで良いんだよ」
「でも」
罪悪感を抱きながらイザベラは渡された服を握りしめる。
家族でもない人に、会って間もない人にここまで親切にしてもらう事に対し、どんな風に振舞えば良いのか解らないと言いたげなイザベラの肩をミソラは優しく撫でながら口を開く。
「昔ね、私もイザベラと同じようにある人達に凄くお世話になった事があったの。だから貴方の気持ちも少しは解ってるつもりだよ。すぐには無理だけど、少しずつここでの暮らしに慣れていってくれればそれで良い」
「・・・・ありがとう」
「どういたしまして」
着替えるだろうイザベラの元から離れたミソラは小さくため息を吐く。
「駄目だなぁ。サムみたいに上手くできないや」
サムは時に強引に、けれど本当にミソラが嫌なことは絶対にしなかった。それでいて尚且つウィトウィッキー家にミソラが慣れるように円滑に動いていてくれたのだ。
彼のコミュニケーション力の高さを今になって思い出したミソラは、気持ちを切り替えるかのようにパシンッと頬を軽く叩く。
ここに居るのはサムでは無い。
自分なのだから。
そう言い聞かせたミソラは今の自分に出来る事を最大限しようと決めた時だ。
至る所に設置されているスピーカーにノイズ音が混じる。
「ケイド!緊急事態だッ!!誰か来るぞ!!!」
聞こえてきたその声にミソラは弾かれたかのように外に出ると、少し高い空の上を飛行機が通り過ぎていく。
旅客機ではなく軍用機である事に気づいたミソラはここがTRFに見つかったことを悟ると顔を引きつらせた。
「何で・・・」
見つかったのだ?そう疑問を抱きながら辺りを飛ぶ軍用機を見つめる事しか出来なかったとき、耳を塞ぐかのようなサイレン音がスピーカーから流れる。
「手筈通り動け!!」
必要なものを手に取りながらケイドは避難を開始する。
こうなった時の事は事前に打ち合わせをしていた。
呆けている場合では無い、自分に与えられた役割を果たさなければとミソラは緊張して強ばる身体に命令を下すと動き出す。
「60秒でここから逃げるぞ!!」
ミソラに与えられた役割とは当面の食糧の確保だ。
予め非常食等をリュックに入れていた為、それを手に取ると集合場所へと向かう。
既に皆は集まっており、ミソラの前に滑り込んできたバンブルビーが扉を開く。
『”さぁ!愛の逃避行と行こうじゃないか!!”』
「よろしくね」
乗り込んだのと同時にバンブルビーが勢いよく走り出す。
万が一を想定して行っていたことだったが、まさか本当にこうなるとは思わなかったなと思いながらミソラは凄まじ勢いで移動していく景色を見つめながら、額に滲んでいた汗をそっと拭った。
「本当は新品を用意できたら良いんだけど物資の補給に行くのは来週の予定なの。それまでの間はコレを着替え代わりに使ってね?」
お金も勿論だが指名手配がされているケイドとミソラが街に気軽に買い物に行くことは中々出来ないのだ。
至る所にある監視カメラによってすぐに警察やら、軍隊やらがやって来るということは過去に一度経験している為、二人は二度と街には行かないと強い決意を持って誓った。
それ以降、買い物は全てケイドが雇ったジミーに任せるようになったのだ。
「私は貴方のベッドを、ううん。部屋を奪ったのに服まで使っちゃっても良いの?」
「困ったときはお互い様だから。気にしないで良いんだよ」
「でも」
罪悪感を抱きながらイザベラは渡された服を握りしめる。
家族でもない人に、会って間もない人にここまで親切にしてもらう事に対し、どんな風に振舞えば良いのか解らないと言いたげなイザベラの肩をミソラは優しく撫でながら口を開く。
「昔ね、私もイザベラと同じようにある人達に凄くお世話になった事があったの。だから貴方の気持ちも少しは解ってるつもりだよ。すぐには無理だけど、少しずつここでの暮らしに慣れていってくれればそれで良い」
「・・・・ありがとう」
「どういたしまして」
着替えるだろうイザベラの元から離れたミソラは小さくため息を吐く。
「駄目だなぁ。サムみたいに上手くできないや」
サムは時に強引に、けれど本当にミソラが嫌なことは絶対にしなかった。それでいて尚且つウィトウィッキー家にミソラが慣れるように円滑に動いていてくれたのだ。
彼のコミュニケーション力の高さを今になって思い出したミソラは、気持ちを切り替えるかのようにパシンッと頬を軽く叩く。
ここに居るのはサムでは無い。
自分なのだから。
そう言い聞かせたミソラは今の自分に出来る事を最大限しようと決めた時だ。
至る所に設置されているスピーカーにノイズ音が混じる。
「ケイド!緊急事態だッ!!誰か来るぞ!!!」
聞こえてきたその声にミソラは弾かれたかのように外に出ると、少し高い空の上を飛行機が通り過ぎていく。
旅客機ではなく軍用機である事に気づいたミソラはここがTRFに見つかったことを悟ると顔を引きつらせた。
「何で・・・」
見つかったのだ?そう疑問を抱きながら辺りを飛ぶ軍用機を見つめる事しか出来なかったとき、耳を塞ぐかのようなサイレン音がスピーカーから流れる。
「手筈通り動け!!」
必要なものを手に取りながらケイドは避難を開始する。
こうなった時の事は事前に打ち合わせをしていた。
呆けている場合では無い、自分に与えられた役割を果たさなければとミソラは緊張して強ばる身体に命令を下すと動き出す。
「60秒でここから逃げるぞ!!」
ミソラに与えられた役割とは当面の食糧の確保だ。
予め非常食等をリュックに入れていた為、それを手に取ると集合場所へと向かう。
既に皆は集まっており、ミソラの前に滑り込んできたバンブルビーが扉を開く。
『”さぁ!愛の逃避行と行こうじゃないか!!”』
「よろしくね」
乗り込んだのと同時にバンブルビーが勢いよく走り出す。
万が一を想定して行っていたことだったが、まさか本当にこうなるとは思わなかったなと思いながらミソラは凄まじ勢いで移動していく景色を見つめながら、額に滲んでいた汗をそっと拭った。