5章:全てはこの為に
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かつて栄えていた街に当時の面影はまるで無い。
人が離れ荒廃された街は政府によって今は封鎖されている。
それを寂しいと思いながらミソラは街並みを見つめる。
この場所は色々な事が起きすぎた。
脳裏に浮かぶ凄惨な光景を、この地で失ってしまった友の顔を消すかのようにゆるく頭を振ったミソラは、ハンドルを握っているケイドへと視線を向ける。
「無理を言ってしまってごめんなさい」
ケイドは政府から指名手配をされている。
可能な限り安全な場所で身を潜めておくのが正解だということはミソラも解っているのだが、キャノピーの願いを叶えるには自分一人では不可能だった。
「別に良いさ・・・俺も暇をしているからな。それにミソラに何かあればオプティマスから睨まれる。いや、睨まれるだけなら良い方か」
ケイドなりの慰めに気づいたミソラはゆるく微笑むとキュッと拳を握る。
ここに彼がいる。
オールスパークを通して必死に助けを求めた彼が。
必死に彼の気配を探っていたミソラだったが、突然その気配が、繋がりが薄れたことに気づくと顔から血の気を引かせた。
「ケイドさんッ!!」
急いで欲しい。
そう願いながら彼の名を呼べばケイドは解っていると言うかのようにアクセルを強く踏み込む。加速する車、頬を撫でる風の強さにミソラは少しばかりの恐怖を抱きながら身体を強ばらせていたときだ。
「お願いだから立って!キャノピー!!!」
泣き叫ぶかのような声がミソラの頭の中に響く。
揺れる視界の中、ミソラはその声の主がどこに居るのか必死に探す。
聞こえてくる銃撃の音が嫌でも気持ちを高ぶらせ、そして焦らせるのだ。
必死に探すが彼等の姿は中々見つけられない。
このままでは間に合わなくなる、そう判断したミソラはそっと心臓の上に手を置くと静かな声で問いかけた。
「どこに居るの?」
ジワリと心臓の辺りが熱を持ち始めるのと同時に、少しずつミソラの頭の中にある場所が見え始めた。
パチンッと頭の中で何かが弾けるような音がした直後、ミソラは彼等がどこに居るのかはっきりと解った。突然、助手席から身を乗り出したミソラに驚いたケイドが座るように命じるよりも早く、ミソラは右側へと指を指す。
「あっちに向かって下さい!!彼等はそこに居ます」
「解った」
大きくハンドルを切ると車体が大きく傾く。
吹き飛ばされないように必死に踏ん張りながらミソラは焦る気持ちを必死に押さえつつ、間に合って欲しいと願いながら前を見つめていた時だ。
進行先に小さな姿を見つける。
彼女がイザベラだ。
「ケイドさん、止めて下さい!!」
ミソラの言葉にケイドは急ブレーキを踏む。
車が完全に止るよりも早くミソラは車から飛び降りていた。
「ミソラッ!?」
驚いたケイドが差し伸べる手に気づかぬままミソラはコンクリートの上を数回転がった後に止った。
痛む身体を気遣いながら身体を起こしたミソラは酷く緩慢な動作で気配のする場所へと向かえば、スパークを貫かれたトランスフォーマーの姿がそこにあった。
伝わってくるスパークの鼓動から彼の命が、キャノピーの命が今にも潰えそうなのだと悟ったミソラは間に合わなかったことを悟り、無力さを悔いるかのようにきつく拳を握りしめる。
人が離れ荒廃された街は政府によって今は封鎖されている。
それを寂しいと思いながらミソラは街並みを見つめる。
この場所は色々な事が起きすぎた。
脳裏に浮かぶ凄惨な光景を、この地で失ってしまった友の顔を消すかのようにゆるく頭を振ったミソラは、ハンドルを握っているケイドへと視線を向ける。
「無理を言ってしまってごめんなさい」
ケイドは政府から指名手配をされている。
可能な限り安全な場所で身を潜めておくのが正解だということはミソラも解っているのだが、キャノピーの願いを叶えるには自分一人では不可能だった。
「別に良いさ・・・俺も暇をしているからな。それにミソラに何かあればオプティマスから睨まれる。いや、睨まれるだけなら良い方か」
ケイドなりの慰めに気づいたミソラはゆるく微笑むとキュッと拳を握る。
ここに彼がいる。
オールスパークを通して必死に助けを求めた彼が。
必死に彼の気配を探っていたミソラだったが、突然その気配が、繋がりが薄れたことに気づくと顔から血の気を引かせた。
「ケイドさんッ!!」
急いで欲しい。
そう願いながら彼の名を呼べばケイドは解っていると言うかのようにアクセルを強く踏み込む。加速する車、頬を撫でる風の強さにミソラは少しばかりの恐怖を抱きながら身体を強ばらせていたときだ。
「お願いだから立って!キャノピー!!!」
泣き叫ぶかのような声がミソラの頭の中に響く。
揺れる視界の中、ミソラはその声の主がどこに居るのか必死に探す。
聞こえてくる銃撃の音が嫌でも気持ちを高ぶらせ、そして焦らせるのだ。
必死に探すが彼等の姿は中々見つけられない。
このままでは間に合わなくなる、そう判断したミソラはそっと心臓の上に手を置くと静かな声で問いかけた。
「どこに居るの?」
ジワリと心臓の辺りが熱を持ち始めるのと同時に、少しずつミソラの頭の中にある場所が見え始めた。
パチンッと頭の中で何かが弾けるような音がした直後、ミソラは彼等がどこに居るのかはっきりと解った。突然、助手席から身を乗り出したミソラに驚いたケイドが座るように命じるよりも早く、ミソラは右側へと指を指す。
「あっちに向かって下さい!!彼等はそこに居ます」
「解った」
大きくハンドルを切ると車体が大きく傾く。
吹き飛ばされないように必死に踏ん張りながらミソラは焦る気持ちを必死に押さえつつ、間に合って欲しいと願いながら前を見つめていた時だ。
進行先に小さな姿を見つける。
彼女がイザベラだ。
「ケイドさん、止めて下さい!!」
ミソラの言葉にケイドは急ブレーキを踏む。
車が完全に止るよりも早くミソラは車から飛び降りていた。
「ミソラッ!?」
驚いたケイドが差し伸べる手に気づかぬままミソラはコンクリートの上を数回転がった後に止った。
痛む身体を気遣いながら身体を起こしたミソラは酷く緩慢な動作で気配のする場所へと向かえば、スパークを貫かれたトランスフォーマーの姿がそこにあった。
伝わってくるスパークの鼓動から彼の命が、キャノピーの命が今にも潰えそうなのだと悟ったミソラは間に合わなかったことを悟り、無力さを悔いるかのようにきつく拳を握りしめる。