4章:逃走の果てに得たものは
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懐かしい話というのはいつだって楽しくて、そして少しばかりの物悲しさがある。
かけがえのない時間というものほど、愛おしい時間程あっという間に過ぎてしまって、それが終わるのと同時に目を背けたくなるような現実と対峙しなければならなくなるからだ。
幸せな時間が終りを告げる気配を感じ取ったミソラは、それを惜しむかのようにそっと目を閉じた時だ。
『ミソラ、君に言わなければならないことがある』
「なに?」
『我々はKSIからシードを奪い取るまでは人間に協力をする。だがその後は人間と関わるつもりはない』
「・・・・それは」
人間を、地球を、見捨てるのか?と言いたげな目をしてミソラは運転席にあるハンドルを見つめたが、その視線はすぐに逸らされる。
当たり前ではないかと頭の中で何かがそう囁く。
オートボット達を利用し続けてきたのは人間なのだ。愛想を尽かされてしまったとしても仕方の無い事なのだ。
「そっか。ついにお別れなんだね」
寂しさを堪えきれないと言うかのような声でミソラが告げた瞬間、突然何の前触れもなくシートベルトがミソラの身体を座席に縛り付けた。
「オプティマス?」
『私と一緒に来て欲しい』
何を言っているのだ?と言いたげな眼差しでミソラはハンドルを見つめる。
人間であるミソラが宇宙空間で生きていけるわけなどないではないか、そう一笑して流してしまえば良いだけなのにミソラにはそれが出来ない。
『君は人間であるがその身にオールスパークを宿している。恐らく宇宙空間でも生活していけるはずだ』
「あくまでも憶測でしょう?私が宇宙環境に耐えられない可能性が高いよ」
『ラチェットのお墨付きだ。墓場の風によりオートボット達が狩られていく中でラチェットは生き残った者達が逃げられる場所をずっと探してくれていた。その結果が宇宙だ。私に向かいオートボット達とそして君を連れて宇宙に逃げろと言ったのだ』
人間でありながら人とは違う力を持っているミソラを利用しようと考えている者達は多い。そんな者達の玩具にミソラがならないように守れとラチェットはオプティマスに告げたのだ。
人間の手がそれほど及んではいない宇宙に行けば逃げられる、と。
その言葉にミソラは無言のままシートベルトを握りしめる。
『ロックダウンの小型船を入手出来た今こそが最後のチャンスだ。ラチェットの遺志を無駄にしないためにも私と一緒に来てくれ。私が君を必ず守ってみせる』
宇宙に行けば身の安全は保証されるし、なによりずっとオプティマスと一緒に居られる。それは何よりも幸せな事だとミソラは解っている。
奏すべきなのが一番良いのだと解っているのにミソラはその申し出を受け入れることは出来ない。
「きっと私は貴方と一緒に行くべきなんだと思う。だけど、私はこの星に生きている人達を見捨てられない。一人でも多くの人達を助けたいの」
『ミソラ。考え直して欲しい。人間は同族である君の事すら軍事利用しようとした。君の気持ちなど抜きにして、いや君のその気持ちすら利用するだけだ。己の欲求を満たすために彼等が何をするのかは君の方がよく知っているだろう?』
「私もオプティマスの言うような自分の欲求を満たすだけの人間だよ・・・私もこの地球で生まれて育った生命体なの。故郷が危ないって解っているのに自分一人だけ逃げるわけにはいかない。オプティマスだって同じ立場ならきっと同じ選択をしたと思う」
『・・・もしも私が生き残る事が任務ならば、私はその任務を全うするだけだ』
「嘘つき。オプティマスは命令だとしてもきっと背くよ。だって貴方は優しいもの。誰かを犠牲にはしない」
『ミソラ・・・私は君を失いたくはない。その選択を認めるわけにはいかない。何も言わずに私と共に来てくれ』
低く唸るような音声でオプティマスはミソラに命令するのと同時にシートベルトがミソラの身体を締め付ける。
かけがえのない時間というものほど、愛おしい時間程あっという間に過ぎてしまって、それが終わるのと同時に目を背けたくなるような現実と対峙しなければならなくなるからだ。
幸せな時間が終りを告げる気配を感じ取ったミソラは、それを惜しむかのようにそっと目を閉じた時だ。
『ミソラ、君に言わなければならないことがある』
「なに?」
『我々はKSIからシードを奪い取るまでは人間に協力をする。だがその後は人間と関わるつもりはない』
「・・・・それは」
人間を、地球を、見捨てるのか?と言いたげな目をしてミソラは運転席にあるハンドルを見つめたが、その視線はすぐに逸らされる。
当たり前ではないかと頭の中で何かがそう囁く。
オートボット達を利用し続けてきたのは人間なのだ。愛想を尽かされてしまったとしても仕方の無い事なのだ。
「そっか。ついにお別れなんだね」
寂しさを堪えきれないと言うかのような声でミソラが告げた瞬間、突然何の前触れもなくシートベルトがミソラの身体を座席に縛り付けた。
「オプティマス?」
『私と一緒に来て欲しい』
何を言っているのだ?と言いたげな眼差しでミソラはハンドルを見つめる。
人間であるミソラが宇宙空間で生きていけるわけなどないではないか、そう一笑して流してしまえば良いだけなのにミソラにはそれが出来ない。
『君は人間であるがその身にオールスパークを宿している。恐らく宇宙空間でも生活していけるはずだ』
「あくまでも憶測でしょう?私が宇宙環境に耐えられない可能性が高いよ」
『ラチェットのお墨付きだ。墓場の風によりオートボット達が狩られていく中でラチェットは生き残った者達が逃げられる場所をずっと探してくれていた。その結果が宇宙だ。私に向かいオートボット達とそして君を連れて宇宙に逃げろと言ったのだ』
人間でありながら人とは違う力を持っているミソラを利用しようと考えている者達は多い。そんな者達の玩具にミソラがならないように守れとラチェットはオプティマスに告げたのだ。
人間の手がそれほど及んではいない宇宙に行けば逃げられる、と。
その言葉にミソラは無言のままシートベルトを握りしめる。
『ロックダウンの小型船を入手出来た今こそが最後のチャンスだ。ラチェットの遺志を無駄にしないためにも私と一緒に来てくれ。私が君を必ず守ってみせる』
宇宙に行けば身の安全は保証されるし、なによりずっとオプティマスと一緒に居られる。それは何よりも幸せな事だとミソラは解っている。
奏すべきなのが一番良いのだと解っているのにミソラはその申し出を受け入れることは出来ない。
「きっと私は貴方と一緒に行くべきなんだと思う。だけど、私はこの星に生きている人達を見捨てられない。一人でも多くの人達を助けたいの」
『ミソラ。考え直して欲しい。人間は同族である君の事すら軍事利用しようとした。君の気持ちなど抜きにして、いや君のその気持ちすら利用するだけだ。己の欲求を満たすために彼等が何をするのかは君の方がよく知っているだろう?』
「私もオプティマスの言うような自分の欲求を満たすだけの人間だよ・・・私もこの地球で生まれて育った生命体なの。故郷が危ないって解っているのに自分一人だけ逃げるわけにはいかない。オプティマスだって同じ立場ならきっと同じ選択をしたと思う」
『・・・もしも私が生き残る事が任務ならば、私はその任務を全うするだけだ』
「嘘つき。オプティマスは命令だとしてもきっと背くよ。だって貴方は優しいもの。誰かを犠牲にはしない」
『ミソラ・・・私は君を失いたくはない。その選択を認めるわけにはいかない。何も言わずに私と共に来てくれ』
低く唸るような音声でオプティマスはミソラに命令するのと同時にシートベルトがミソラの身体を締め付ける。