4章:逃走の果てに得たものは
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頬を伝い落ちていく涙の感触でミソラは目を覚ます。
辺りはまだ薄闇に包まれており、時計を確認するともうじき夜明けだった。
身体の奥底に溜まっている疲れは残ったままだが、眠る前まであった鈍い頭痛は少し収まっている。
動くのには支障が無いと判断したミソラは身体を起こすと、指で頬を伝う涙拭うとゆっくりと深呼吸をした。
『まだ休んでいても構わない』
「十分休んだよ」
疲れを滲ませながら微笑んだミソラに対し、オプティマスは何も言わずに沈黙をする。
昨夜は久々に良い隠れ場所を見つけることに成功したのだ。
『夢を見ていたのか?』
「うん・・・平和だった頃の夢を。あり得たかもしれない、未来を」
よく覚えてはいないが、微かに残っている記憶がソレがとても愛おしいくて、大切な夢であったことを伝えてきた。
あの夢が実現していたのならば良かったのに。
膝の上で握りしめた拳が微かに震える。
「夢は夢でしかないのにね」
疲れたように呟いたミソラは気持ちを切り替えるかのように自身の両頬を軽く叩いた。
数時間ではあったもののゆっくりと身体を休めることが出来た。だからだろう、懐かしい夢を見て涙を流してしまったのは。
「私よりもオプティマスは大丈夫?ここ最近は連戦だったでしょう?」
『問題は何もない・・・ただ、他のオートボット達との連絡が取れないことが気がかりだ。彼等は無事だろうか?』
最後に他のオートボット達を見てからすでに一年の歳月が流れていた。
はじめの頃こそ通信が行われていたが、追われている身である為次第に連絡が途絶えていったのだ。きっと連絡出来ないだけで彼らは生きている、オプティマスはそう教えてくれたがミソラとてそれが嘘であることくらい解っているのだ。
今は少しでも希望を絶やさずに生きねばならない。
「最後に通信したのは」
『ラチェットだ。彼は軍医であるが優秀な戦士でもある。大丈夫だ』
「そうだよね」
いつも親身になってくれていた優しい医者の顔を思い出しながらミソラが呟いた時、オプティマスが突然エンジンを掛ける。
『・・・追撃だ』
慌ててシートベルトを締めたミソラは近くにあったデバイスを手に取ると起動させる。
表示された赤い点が複数あり、自分達を取り囲むかのように少しずつ近づいてきていた。この場所は罠だったのだ。そう理解したミソラの顔から血の気が引く。
「オプティマス」
『大丈夫だ、私が君を必ず守る』
潜伏していた場所から飛び出したのと同時に銃弾の雨が降り注ぐ。寸でのところでそれを全て避けたオプティマスは通り過ぎざまに車を数台破壊する。
聞こえてくる悲鳴にミソラは耳を塞ぐ。
敵だと解っていても、人間の悲鳴を聞くのは心が痛む。いつもならばすぐにでも終わる追撃は今日はかなり執拗で、オプティマスの運転にも次第に焦りが生まれ始めたときだった。
辺りはまだ薄闇に包まれており、時計を確認するともうじき夜明けだった。
身体の奥底に溜まっている疲れは残ったままだが、眠る前まであった鈍い頭痛は少し収まっている。
動くのには支障が無いと判断したミソラは身体を起こすと、指で頬を伝う涙拭うとゆっくりと深呼吸をした。
『まだ休んでいても構わない』
「十分休んだよ」
疲れを滲ませながら微笑んだミソラに対し、オプティマスは何も言わずに沈黙をする。
昨夜は久々に良い隠れ場所を見つけることに成功したのだ。
『夢を見ていたのか?』
「うん・・・平和だった頃の夢を。あり得たかもしれない、未来を」
よく覚えてはいないが、微かに残っている記憶がソレがとても愛おしいくて、大切な夢であったことを伝えてきた。
あの夢が実現していたのならば良かったのに。
膝の上で握りしめた拳が微かに震える。
「夢は夢でしかないのにね」
疲れたように呟いたミソラは気持ちを切り替えるかのように自身の両頬を軽く叩いた。
数時間ではあったもののゆっくりと身体を休めることが出来た。だからだろう、懐かしい夢を見て涙を流してしまったのは。
「私よりもオプティマスは大丈夫?ここ最近は連戦だったでしょう?」
『問題は何もない・・・ただ、他のオートボット達との連絡が取れないことが気がかりだ。彼等は無事だろうか?』
最後に他のオートボット達を見てからすでに一年の歳月が流れていた。
はじめの頃こそ通信が行われていたが、追われている身である為次第に連絡が途絶えていったのだ。きっと連絡出来ないだけで彼らは生きている、オプティマスはそう教えてくれたがミソラとてそれが嘘であることくらい解っているのだ。
今は少しでも希望を絶やさずに生きねばならない。
「最後に通信したのは」
『ラチェットだ。彼は軍医であるが優秀な戦士でもある。大丈夫だ』
「そうだよね」
いつも親身になってくれていた優しい医者の顔を思い出しながらミソラが呟いた時、オプティマスが突然エンジンを掛ける。
『・・・追撃だ』
慌ててシートベルトを締めたミソラは近くにあったデバイスを手に取ると起動させる。
表示された赤い点が複数あり、自分達を取り囲むかのように少しずつ近づいてきていた。この場所は罠だったのだ。そう理解したミソラの顔から血の気が引く。
「オプティマス」
『大丈夫だ、私が君を必ず守る』
潜伏していた場所から飛び出したのと同時に銃弾の雨が降り注ぐ。寸でのところでそれを全て避けたオプティマスは通り過ぎざまに車を数台破壊する。
聞こえてくる悲鳴にミソラは耳を塞ぐ。
敵だと解っていても、人間の悲鳴を聞くのは心が痛む。いつもならばすぐにでも終わる追撃は今日はかなり執拗で、オプティマスの運転にも次第に焦りが生まれ始めたときだった。