1章:それは必然的な出会い
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夢を見ている
幸せな夢を。
彼らと過ごす穏やかな空間。優しい人達と過ごす夢を。楽しげに笑い合う彼らを、少し離れたところから見つめることしか出来ずにいる。
不意に、笑っていた一人と目が合う。
彼は当然のことのように手を伸ばしてくれる。
「ほら、ミソラ」
伸ばされた手を恐る恐る握り返すと、彼は嬉しそうに笑った。
その笑みに向かいミソラもほほえみ返した瞬間、あたりは一変する。
吹き荒れる風、悲鳴、血の臭い、燃えさかる火の熱さ
忘れたいと願っていた光景が再び目の前に現れた。
『小娘!!逃げられると思うなよ!!!』
ギラリと光るたくさんの赤、赤、赤。
その赤から逃げるかのように踵を返すが、冷たい金属の塊が体を掴んだ
「ッ!!!」
声にならない悲鳴を上げながらミソラは目を開く。
見慣れない天井と走行中の音にまだ夢は続いているのだろうかと思い、一瞬体を竦ませる。心臓が早く脈を打ち始め、思考も体も緊張状態になる中で室内の様子を見渡す。見慣れた後ろ姿を見付けほっと息を吐き出すと、その後ろ姿に向かい声をかけた。
「サム」
「あ、起きた?気分はどう?・・・酷い顔色だ。大丈夫なわけ無いよね」
「ううん、平気。ちょっと夢見が悪かっただけ」
最近よく見る夢、ソレの何が怖いのか解らない。けれど、あの夢を見るのは嫌だ。
あの赤い光を見るのは嫌だ。
そんな気持ちをかき消すかのように、いつもと変わらない笑みを浮かべたサムに向かいミソラは大丈夫だと告げ、体を起こすと腹部と腰に鈍い痛みが走るが、我慢出来ない痛みでは無い。
「・・・ねぇ、これカマロだよね?」
最後に見たときと何やら内装が違っているようだと言った直後、サムは嬉しくて仕方が無いと言うかのように何があったのか説明をする。
それはミカエラの言った何気ない一言だ。
その一言はカマロの自尊心を大きく傷つけたらしく、二人は車から強制的に降ろされたらしい。戸惑う二人を無視してカマロは走り出し、そして最新式のカマロになって戻ってきたのだ。
「感激だよ!!」
「・・・ふーん」
感極まっているサムとは対照的にミソラは地を這うかのような低い声で返事をする。
何事だと振り返るサムに対し、ミソラは責めるかのような目を向けた。
「降ろされたのは二人だけなんだね。私は車の中に置き去り?」
今になってサムは自分がしたことに愚かさに気づいてしまう。
救いを求めるかのようにミカエラを見るが、彼女は巻き込まれるのを阻止するかのように外の景色を見てわざとらしい感嘆の声を出している。
すでに外は真っ暗だというのに。
「いや、その」
「気にしないで?良かったね、最新式のカマロが手に入って」
にっこり微笑みかけてやるとサムは項垂れながら謝罪の言葉を告げた。
「ごめんごめん、冗談だよ。・・・サムは怪我した私のことを気にして動かさないようにしてくれていたんだよね」
ありがとう、そう告げるとサムは救われたと言うかのような顔をして見上げてきた。
『”皆さん””そろそろ時間ですよ”』
その言葉の直後、カマロはゆっくりとスピードを落としていく。
目的地に着いたのだと悟った三人の顔が引きしまっていく。カマロはきっと自分達の知らないことを知っている。
これから伝えられる事はきっと自分達にとっては良くないことなのだろうなとミソラは感じ取っていた。
幸せな夢を。
彼らと過ごす穏やかな空間。優しい人達と過ごす夢を。楽しげに笑い合う彼らを、少し離れたところから見つめることしか出来ずにいる。
不意に、笑っていた一人と目が合う。
彼は当然のことのように手を伸ばしてくれる。
「ほら、ミソラ」
伸ばされた手を恐る恐る握り返すと、彼は嬉しそうに笑った。
その笑みに向かいミソラもほほえみ返した瞬間、あたりは一変する。
吹き荒れる風、悲鳴、血の臭い、燃えさかる火の熱さ
忘れたいと願っていた光景が再び目の前に現れた。
『小娘!!逃げられると思うなよ!!!』
ギラリと光るたくさんの赤、赤、赤。
その赤から逃げるかのように踵を返すが、冷たい金属の塊が体を掴んだ
「ッ!!!」
声にならない悲鳴を上げながらミソラは目を開く。
見慣れない天井と走行中の音にまだ夢は続いているのだろうかと思い、一瞬体を竦ませる。心臓が早く脈を打ち始め、思考も体も緊張状態になる中で室内の様子を見渡す。見慣れた後ろ姿を見付けほっと息を吐き出すと、その後ろ姿に向かい声をかけた。
「サム」
「あ、起きた?気分はどう?・・・酷い顔色だ。大丈夫なわけ無いよね」
「ううん、平気。ちょっと夢見が悪かっただけ」
最近よく見る夢、ソレの何が怖いのか解らない。けれど、あの夢を見るのは嫌だ。
あの赤い光を見るのは嫌だ。
そんな気持ちをかき消すかのように、いつもと変わらない笑みを浮かべたサムに向かいミソラは大丈夫だと告げ、体を起こすと腹部と腰に鈍い痛みが走るが、我慢出来ない痛みでは無い。
「・・・ねぇ、これカマロだよね?」
最後に見たときと何やら内装が違っているようだと言った直後、サムは嬉しくて仕方が無いと言うかのように何があったのか説明をする。
それはミカエラの言った何気ない一言だ。
その一言はカマロの自尊心を大きく傷つけたらしく、二人は車から強制的に降ろされたらしい。戸惑う二人を無視してカマロは走り出し、そして最新式のカマロになって戻ってきたのだ。
「感激だよ!!」
「・・・ふーん」
感極まっているサムとは対照的にミソラは地を這うかのような低い声で返事をする。
何事だと振り返るサムに対し、ミソラは責めるかのような目を向けた。
「降ろされたのは二人だけなんだね。私は車の中に置き去り?」
今になってサムは自分がしたことに愚かさに気づいてしまう。
救いを求めるかのようにミカエラを見るが、彼女は巻き込まれるのを阻止するかのように外の景色を見てわざとらしい感嘆の声を出している。
すでに外は真っ暗だというのに。
「いや、その」
「気にしないで?良かったね、最新式のカマロが手に入って」
にっこり微笑みかけてやるとサムは項垂れながら謝罪の言葉を告げた。
「ごめんごめん、冗談だよ。・・・サムは怪我した私のことを気にして動かさないようにしてくれていたんだよね」
ありがとう、そう告げるとサムは救われたと言うかのような顔をして見上げてきた。
『”皆さん””そろそろ時間ですよ”』
その言葉の直後、カマロはゆっくりとスピードを落としていく。
目的地に着いたのだと悟った三人の顔が引きしまっていく。カマロはきっと自分達の知らないことを知っている。
これから伝えられる事はきっと自分達にとっては良くないことなのだろうなとミソラは感じ取っていた。