if:あり得たかもしれない未来
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『スパークが破壊された者達の亡骸は政府が管理をしている。状態が良い者達も居るが、一部しか残されていない者達もいる。全てを蘇らせるのは骨の折れることだが構わないのか?』
「・・・うん。どれほど大変だろうとも、決めたことだから。私はもう一度会いたい」
彼らと言葉をもう一度交わしたいのだ。
掌にあるモノをキュッと握りしめたミソラは前を見つめる。
その目に迷いはないことを悟ったラチェットはひっそりと排気をするとオプティマスへと視線を向ける。
『君も大変だなぁ。オプティマス?』
『それを言うのならばラチェットもだろう?』
『はてさて・・・なんのことやら』
この行為がどれほど危険なものであるのか解った上で彼は了承し、そして発言をしているのだから。
下手をするとミソラと同時に仲間を失うことがある。
医者として許せないだろうこの状況に対し、ラチェットは何も言わずに協力してくれている。
それがラチェットの優しさからなのだと解っているオプティマスは感謝するかのようにそっと目を伏せた。
『医者としての私はこの選択を快くは思っていないさ。ただ、ラチェットというオートボットとして仲間が戻ってきてくれることは歓迎しているだけだ・・・』
思い出すのは失った仲間達の顔だ。
まだ若い者達が自分よりも先に命を落としていく、戦争だと解っていても、どうしようのないことだと解っていてもラチェットには心苦しかった。
年長者である自分達が生き、未来ある若者達が命を落としていくということが。
だからもしも、もしも本当にやり直すことが可能なのだとしたら、命潰えてしまった若者達に再度チャンスを与えてやりたいというのがラチェットの本心だ。
『さてミソラ、この事をサイドスワイプに教えてやった方が良いのではないかね?彼もアイアンハイドが戻ってくるかもしれないとなれば喜ぶだろう』
「そうだね、ちょっと行ってくる」
自分を見上げたミソラに対し、オプティマスは解ったと言うかのように頷くと ミソラは足早にその場から去って行く。
ミソラの気配が完全に消えたのを確認したオプティマスはラチェットへと視線を向けた。
『話があるのだろう?』
だから多少強引とも思える方法でミソラをこの場から遠ざけたのだから。
当の本人はそれを欠片にも理解していないことから、それだけラチェットに対する信頼が強いのだと理解したオプティマスは知らず知らずの内に目を細めていた。
『私がミソラの事を理解しているのは医者と患者としての付き合いが長いからだ。決して君が想像しているような関係では無い』
きっぱりと断言したラチェットはコホン、とわざとらしく咳をするとオプティマスへと無言のまま視線を向けた。
その視線が何を訴えているのか理解したオプティマスは苦笑を浮かべながら肩をすくめる。
『君には叶わないな』
早々に白旗を揚げたオプティマスの姿を見たラチェットは密かに排気をする。
人間に対しラチェットは友好的な方に入る。
特に彼はミソラに対して気を向けることが多い。
そのミソラをこの場から遠ざけたという事から、良くない提案がされるだろうことくらいオプティマスには解っていた。
なにしろ古くからの知己なのだ。
ある意味で自分よりも的確に自分のことを見抜いているのだろうなとオプティマスが考えているとラチェットが口を開く。