3章:全てを見ていた月
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荒れ果てたシカゴの街中でそのオートボットは立っていた。
片腕を無くし、どこか途方に暮れたような顔をして立ち尽くしているオプティマスにミソラはそっと近づく。
ミソラの動きをセンサーで気づいたらしいオプティマスが視線を向けてくれる。
『全て終わった』
地球を犠牲にしてサイバトロン星を蘇らせようとしたセンチネルの野望も。
長い間争っていたメガトロンとの戦いも。
疲れたようにそう呟いたオプティマスの外装をミソラはそっと撫でる。
傷だらけのボディに触れるとざらついた感触が掌に伝わってきた。彼が必死に自分達を守ってくれたことの証だ。
「ありがとう、オプティマス」
自分の中にあるエネルゴンを使って彼の傷を癒やす。
傷だらけの外装が瞬く間に修復されていく。
ミソラはオプティマスに触れながら視線をある場所へと向ける。
そこには事切れたメガトロンの姿がある。
かつての主。
戦うようにミソラが送り出したディセプティコン。
もしも、あの時自分が送り出さなければ、彼は生きていたのだろうかと考えていると体を持ち上げられる。
眼前にあるオプティマスの青い目と視線が合う。
『全て終わったことだ』
「・・・うん。でも、でもね、やっぱり少しだけ、辛い」
黙祷をするかのように目を閉じ、胸元に手を添えたミソラをオプティマスは黙って見つめていた。
思い出すのは事切れる前にセンチネルとメガトロンが告げた言葉だ。
『これからあの娘は狙われ続ける。お前はあの娘を守る通すことが出来るのか!?』
『アレはいつか選択を迫られるぞ、オプティマス。お前はその時、どうするつもりだ?』
二人の言っている意味が解らないほどオプティマスは愚かではない。
目の前で祈りを捧げるミソラを見つめる。
オールスパークとなってしまった彼女が狙われることは解りきっている。故に、自分達はキューブを探知されないように隠したのだから。
「オプティマス・・・・話があるの。この戦いの後処理が全部終わった後で良いから時間を作ってくれないかな?私の中にあるオールスパークのことについて今後のことを決めた方が良いと思うの」
黙祷を終え、目を開いたミソラはオプティマスを見上げる。
その目に宿る強い決意に気づいたオプティマスはぎこちなく微笑むと一つ頷く。
了承を得られたミソラの顔に安堵の笑みが浮かぶ。
傷だらけの軍人や、外装をボロボロにしたオートボット達が勝利を喜ぶ。
ある一組の恋人達が互いの生還を喜び、それを一体のオートボットが祝福をする。
「オプティマス」
『なんだ?』
「任務、お疲れ様でした」
疲れた顔をしているのに労いの言葉を告げてきたミソラをオプティマスは見つめる。
いつもと変わらないミソラの笑顔。
その笑顔を見ていると無意識の内に口が動いていた。
『一つ、君に伝えなければならないことがある』
「なに?」
小首を傾げたミソラをオプティマスは凝視する。
不思議そうな顔をして自分を見つめてくるミソラに向かい、オプティマスは穏やかな声で告げる。
『どうやら私は君の事を愛してしまったらしい』
突然の告白に誰もが言葉を失いオプティマスを見つめる。
当の本人は信じられないという顔をしてオプティマスを見つめていたが、言葉の意味を理解すると顔を真っ赤にすると、その顔を隠すかのように手で覆ってしまう。
『だからこれからも君を守らせて欲しい。君の隣にいることを許して欲しい』
その言葉に対する返答はない。
ただ、返事の代わりというかのようにミソラはオプティマスの顔面に抱きついたのだ。
あちこちから上がる歓声、祝福する口笛、空に打ち上げられる空砲、騒がしいながらも自分達を祝福してくれるその声を二人は黙って聞いていた。
片腕を無くし、どこか途方に暮れたような顔をして立ち尽くしているオプティマスにミソラはそっと近づく。
ミソラの動きをセンサーで気づいたらしいオプティマスが視線を向けてくれる。
『全て終わった』
地球を犠牲にしてサイバトロン星を蘇らせようとしたセンチネルの野望も。
長い間争っていたメガトロンとの戦いも。
疲れたようにそう呟いたオプティマスの外装をミソラはそっと撫でる。
傷だらけのボディに触れるとざらついた感触が掌に伝わってきた。彼が必死に自分達を守ってくれたことの証だ。
「ありがとう、オプティマス」
自分の中にあるエネルゴンを使って彼の傷を癒やす。
傷だらけの外装が瞬く間に修復されていく。
ミソラはオプティマスに触れながら視線をある場所へと向ける。
そこには事切れたメガトロンの姿がある。
かつての主。
戦うようにミソラが送り出したディセプティコン。
もしも、あの時自分が送り出さなければ、彼は生きていたのだろうかと考えていると体を持ち上げられる。
眼前にあるオプティマスの青い目と視線が合う。
『全て終わったことだ』
「・・・うん。でも、でもね、やっぱり少しだけ、辛い」
黙祷をするかのように目を閉じ、胸元に手を添えたミソラをオプティマスは黙って見つめていた。
思い出すのは事切れる前にセンチネルとメガトロンが告げた言葉だ。
『これからあの娘は狙われ続ける。お前はあの娘を守る通すことが出来るのか!?』
『アレはいつか選択を迫られるぞ、オプティマス。お前はその時、どうするつもりだ?』
二人の言っている意味が解らないほどオプティマスは愚かではない。
目の前で祈りを捧げるミソラを見つめる。
オールスパークとなってしまった彼女が狙われることは解りきっている。故に、自分達はキューブを探知されないように隠したのだから。
「オプティマス・・・・話があるの。この戦いの後処理が全部終わった後で良いから時間を作ってくれないかな?私の中にあるオールスパークのことについて今後のことを決めた方が良いと思うの」
黙祷を終え、目を開いたミソラはオプティマスを見上げる。
その目に宿る強い決意に気づいたオプティマスはぎこちなく微笑むと一つ頷く。
了承を得られたミソラの顔に安堵の笑みが浮かぶ。
傷だらけの軍人や、外装をボロボロにしたオートボット達が勝利を喜ぶ。
ある一組の恋人達が互いの生還を喜び、それを一体のオートボットが祝福をする。
「オプティマス」
『なんだ?』
「任務、お疲れ様でした」
疲れた顔をしているのに労いの言葉を告げてきたミソラをオプティマスは見つめる。
いつもと変わらないミソラの笑顔。
その笑顔を見ていると無意識の内に口が動いていた。
『一つ、君に伝えなければならないことがある』
「なに?」
小首を傾げたミソラをオプティマスは凝視する。
不思議そうな顔をして自分を見つめてくるミソラに向かい、オプティマスは穏やかな声で告げる。
『どうやら私は君の事を愛してしまったらしい』
突然の告白に誰もが言葉を失いオプティマスを見つめる。
当の本人は信じられないという顔をしてオプティマスを見つめていたが、言葉の意味を理解すると顔を真っ赤にすると、その顔を隠すかのように手で覆ってしまう。
『だからこれからも君を守らせて欲しい。君の隣にいることを許して欲しい』
その言葉に対する返答はない。
ただ、返事の代わりというかのようにミソラはオプティマスの顔面に抱きついたのだ。
あちこちから上がる歓声、祝福する口笛、空に打ち上げられる空砲、騒がしいながらも自分達を祝福してくれるその声を二人は黙って聞いていた。