3章:全てを見ていた月
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地面に落ちたメガトロンの頭部、赤い光がしばしの間点灯していたがそれが消える瞬間までミソラは目を逸らすことはしなかった。
彼との思い出は恐怖しかない。
思い出すのは幼い頃から過ごした記憶、そして北極での記憶だ。
良い記憶とは言えないが、目の前で失われてしまった命に対する涙が頬を幾重に伝い落ちていく。
堪えきれなくなった感情が爆発したかのように胸を締め付ける。
恐怖と少しばかりの惜別がどうしようも無い程に痛い。
その痛みを堪えるかのように胸元に手を添えたミソラはその場に座り込み、暴れる感情を落ち着かせようと必死になっていたときだった。
『貴様さえ、貴様さえ、私のものになっていれば!!!』
苦しげな声が聞こえた事に驚き、顔を上げるとセンチネルの青い目と視線が合う。
メガトロンの攻撃によって彼は死にかけている。
這うようにして近づいてくるセンチネルの狙い、ソレは間違いなく自身の中にあるオールスパークであることは明らかだと理解したミソラは顔を引きつらせながらジリジリと後ろへと逃げることしか出来ない。
『・・・私は、我が種族の繁栄のためだけに取引をしたのだ!!我が種族の生存だけが私の願いだったのだ!!そのためにはオールスパークが必要なのだ!!!』
狂ったように告げられる言葉を聞いた瞬間、ミソラは目の前に居る存在に対して言葉に出来ない感情を抱く。
センチネルは純粋にオートボット達の存続を願った。
そのやり方こそオプティマスとは違えど、彼は彼なりに叶えたい願いやみたい未来があったはずなのだ。
それが少しだけ違っていた。
その些細な違いがこうなってしまった。
「オールスパークがなくたって貴方達は繁栄出来たのではないの?それほど優れた力があるのだから・・・」
かつて神だったとセンチネルは言っていた。
もしも本当に彼等が髪と同じ力を持っていたのならば、きっとサイバトロン星の復旧くらい出来たはずだとミソラは思いながら。
『それは我々のモノだ!!!』
「そうかもしれません」
『還せ!我らの星に還すのだッ!!
そっと自身の胸元に手を置いたミソラは静かな眼差しでセンチネルを見つめる。
彼等が生きる為に必要だった力。
それは皮肉にも彼等の手を離れ、全く関係の無い種族へと宿ってしまった。
「いつか・・・いつかはこの力を貴方達に還します」
きっとそれが正しい事だと解っているのだ。
けれそそれは今では無いのだとミソラが告げれば、怒り狂ったかのような目をしてセンチネルはミソラへと手を伸ばす。
伸ばされるセンチネルの手をただじっと見つめていたミソラであったが、視界に入り込んだ赤と青の足に気づくと彼に視線を向ける。
『ミソラ、少しの間でいい。目を閉じていてくれないか?』
「うん・・・」
オプティマスが何をしようとしているのか理解したミソラは目を閉じる。
ソレを合図にオプティマスは師に、センチネルに向かいメガトロンの所持していたショットガンの引き金を引いた。
一度だけ大きな音が響く。
それは全ての戦いが終息したことを伝える。
彼との思い出は恐怖しかない。
思い出すのは幼い頃から過ごした記憶、そして北極での記憶だ。
良い記憶とは言えないが、目の前で失われてしまった命に対する涙が頬を幾重に伝い落ちていく。
堪えきれなくなった感情が爆発したかのように胸を締め付ける。
恐怖と少しばかりの惜別がどうしようも無い程に痛い。
その痛みを堪えるかのように胸元に手を添えたミソラはその場に座り込み、暴れる感情を落ち着かせようと必死になっていたときだった。
『貴様さえ、貴様さえ、私のものになっていれば!!!』
苦しげな声が聞こえた事に驚き、顔を上げるとセンチネルの青い目と視線が合う。
メガトロンの攻撃によって彼は死にかけている。
這うようにして近づいてくるセンチネルの狙い、ソレは間違いなく自身の中にあるオールスパークであることは明らかだと理解したミソラは顔を引きつらせながらジリジリと後ろへと逃げることしか出来ない。
『・・・私は、我が種族の繁栄のためだけに取引をしたのだ!!我が種族の生存だけが私の願いだったのだ!!そのためにはオールスパークが必要なのだ!!!』
狂ったように告げられる言葉を聞いた瞬間、ミソラは目の前に居る存在に対して言葉に出来ない感情を抱く。
センチネルは純粋にオートボット達の存続を願った。
そのやり方こそオプティマスとは違えど、彼は彼なりに叶えたい願いやみたい未来があったはずなのだ。
それが少しだけ違っていた。
その些細な違いがこうなってしまった。
「オールスパークがなくたって貴方達は繁栄出来たのではないの?それほど優れた力があるのだから・・・」
かつて神だったとセンチネルは言っていた。
もしも本当に彼等が髪と同じ力を持っていたのならば、きっとサイバトロン星の復旧くらい出来たはずだとミソラは思いながら。
『それは我々のモノだ!!!』
「そうかもしれません」
『還せ!我らの星に還すのだッ!!
そっと自身の胸元に手を置いたミソラは静かな眼差しでセンチネルを見つめる。
彼等が生きる為に必要だった力。
それは皮肉にも彼等の手を離れ、全く関係の無い種族へと宿ってしまった。
「いつか・・・いつかはこの力を貴方達に還します」
きっとそれが正しい事だと解っているのだ。
けれそそれは今では無いのだとミソラが告げれば、怒り狂ったかのような目をしてセンチネルはミソラへと手を伸ばす。
伸ばされるセンチネルの手をただじっと見つめていたミソラであったが、視界に入り込んだ赤と青の足に気づくと彼に視線を向ける。
『ミソラ、少しの間でいい。目を閉じていてくれないか?』
「うん・・・」
オプティマスが何をしようとしているのか理解したミソラは目を閉じる。
ソレを合図にオプティマスは師に、センチネルに向かいメガトロンの所持していたショットガンの引き金を引いた。
一度だけ大きな音が響く。
それは全ての戦いが終息したことを伝える。