3章:全てを見ていた月
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映像は昔オプティマスが見せてくれたものと同じだ。
きっとこの映像はセンチネルと共に見たものなのだろう。尊敬する師と共に己の守るべき星を見つめていたのだろうとミソラは思いながら、再び見ることになった映像を黙って見つめていた。
『あやつと見た映像はこの後、崩壊した我が故郷を映し出して終わっただろう?だが・・・これからは終わらせぬ。私が統治し、サイバトロン星を永遠のものへとするのだ。あやつが夢見たこの光景を永遠のものへとするのだ』
センチネルが閉じていた目を開くと映像が消える。
先程まで映像が浮かんでいた場所をミソラは黙って見つめていた。今は何もない場所を。
『美しい星だと思う』
地球を見つめながら、彼は己の故郷を思い浮かべていたのだろう。
かつての美しい姿をしたサイバトロン星を。
『お前ならばあやつの理想を、あやつの夢を叶えることが出来るのだ』
それがセンチネルの卑怯な手だと解っている。
解っているが、彼が求めたものを、オプティマスが求めたものを自分が彼に渡すことが出来る。
今まで守ってもらうばかりだった、助けてもらうばかりだった彼の力になることが出来るのだ。そう思った瞬間、ミソラの心は揺らぐ。
駄目だと、耳を貸してはいけないと解っている。
「仮にそうだとしてもオプティマスはもう居ない」
『我らトランスフォーマーは皆等しくオールスーパークへと戻るのだ。お前が正式にオールスパークの力を自分のモノに出来たのならば、オプティマスを蘇らせることが出来る』
彼を蘇らせることが出来る。それはミソラにとってとても甘く優しい言葉だった。
失った存在を、自分が蘇らせることが出来るのだと。奇跡を起こす力がその手にはあるのだとセンチネルは告げている。
ミソラは自分の掌を見つめる。
救いたかった命はいくつもあった。
それを全て蘇らせることが出来る。
『素晴らしい力だろう?その力は!!』
あと少し、あと少しでミソラの心を掌握することが出来る。
そう確信したセンチネルの語尾が荒くなったときだった。
「ふざけたことを言わないで!!!」
空気が震えるほどの怒鳴り声がすぐ近くから聞こえてきた。
その場に居る誰もが声のした方に視線を向けると、そこには怒りで顔を赤くしたカーリーの姿があった。
「簡単に生き返らせる事ができる素晴らしい力ですって!?ふざけないで!!神様にでもなったつもりなの!?」
『・・・我らはあの星では皆、神であった。貴様等脆弱な人間とは違ってな』
「知らないわ、そんなこと!!・・・私達人間でも、貴方達ロボットでも、命は一度しかないものよ!?だからみんな必死に生きるの、みんな必死に守りたいものを守るのよ!そして・・・みんな、死んでいくの」
俯いたカーリーの瞳から涙が溢れる。
何かを堪えるかのようにカーリーは唇を噛みしめ、荒れ狂う己の感情を落ち着かせると口を開いた。
「ミソラ、惑わされないで」
青い瞳に涙を浮かべながらカーリーはミソラに話しかける。
「奇跡の力なんて凄いものあるわけない・・・そんな力があるなら、こんな悲しい事って起らないもの。お願いだから正しい選択を選んで?じゃないと、正しい選択をして命を散らしていった人達に対する冒涜になる。私は貴方なら正しい選択が出来るって信じてるから」
そう言って微笑んだカーリーの言葉にミソラは静かに目を伏せた
きっとこの映像はセンチネルと共に見たものなのだろう。尊敬する師と共に己の守るべき星を見つめていたのだろうとミソラは思いながら、再び見ることになった映像を黙って見つめていた。
『あやつと見た映像はこの後、崩壊した我が故郷を映し出して終わっただろう?だが・・・これからは終わらせぬ。私が統治し、サイバトロン星を永遠のものへとするのだ。あやつが夢見たこの光景を永遠のものへとするのだ』
センチネルが閉じていた目を開くと映像が消える。
先程まで映像が浮かんでいた場所をミソラは黙って見つめていた。今は何もない場所を。
『美しい星だと思う』
地球を見つめながら、彼は己の故郷を思い浮かべていたのだろう。
かつての美しい姿をしたサイバトロン星を。
『お前ならばあやつの理想を、あやつの夢を叶えることが出来るのだ』
それがセンチネルの卑怯な手だと解っている。
解っているが、彼が求めたものを、オプティマスが求めたものを自分が彼に渡すことが出来る。
今まで守ってもらうばかりだった、助けてもらうばかりだった彼の力になることが出来るのだ。そう思った瞬間、ミソラの心は揺らぐ。
駄目だと、耳を貸してはいけないと解っている。
「仮にそうだとしてもオプティマスはもう居ない」
『我らトランスフォーマーは皆等しくオールスーパークへと戻るのだ。お前が正式にオールスパークの力を自分のモノに出来たのならば、オプティマスを蘇らせることが出来る』
彼を蘇らせることが出来る。それはミソラにとってとても甘く優しい言葉だった。
失った存在を、自分が蘇らせることが出来るのだと。奇跡を起こす力がその手にはあるのだとセンチネルは告げている。
ミソラは自分の掌を見つめる。
救いたかった命はいくつもあった。
それを全て蘇らせることが出来る。
『素晴らしい力だろう?その力は!!』
あと少し、あと少しでミソラの心を掌握することが出来る。
そう確信したセンチネルの語尾が荒くなったときだった。
「ふざけたことを言わないで!!!」
空気が震えるほどの怒鳴り声がすぐ近くから聞こえてきた。
その場に居る誰もが声のした方に視線を向けると、そこには怒りで顔を赤くしたカーリーの姿があった。
「簡単に生き返らせる事ができる素晴らしい力ですって!?ふざけないで!!神様にでもなったつもりなの!?」
『・・・我らはあの星では皆、神であった。貴様等脆弱な人間とは違ってな』
「知らないわ、そんなこと!!・・・私達人間でも、貴方達ロボットでも、命は一度しかないものよ!?だからみんな必死に生きるの、みんな必死に守りたいものを守るのよ!そして・・・みんな、死んでいくの」
俯いたカーリーの瞳から涙が溢れる。
何かを堪えるかのようにカーリーは唇を噛みしめ、荒れ狂う己の感情を落ち着かせると口を開いた。
「ミソラ、惑わされないで」
青い瞳に涙を浮かべながらカーリーはミソラに話しかける。
「奇跡の力なんて凄いものあるわけない・・・そんな力があるなら、こんな悲しい事って起らないもの。お願いだから正しい選択を選んで?じゃないと、正しい選択をして命を散らしていった人達に対する冒涜になる。私は貴方なら正しい選択が出来るって信じてるから」
そう言って微笑んだカーリーの言葉にミソラは静かに目を伏せた