3章:全てを見ていた月
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オートボットを地球から追放すること、それがセンチネルが人間に対して要求したことだった。追放するのならば人間に危害を加えない、そう告げられた政府は大人しくセンチネルの要求を受け入れる。
愚かなことだとミソラは思う。
彼らのおかげで助かっていたのに彼らを追放してしまえば、抗う術は何もなくなってしまうのだから。
「人間はオートボットを見捨てた。こうなった以上、彼らに安住の地はどこにもなくなった。この宇宙はディセプティコン達のものだ」
勝ち誇った声で告げられた言葉にミソラは静かに首を横に振る。
「いいえ、違う・・・彼らが私たち人間を見捨てたのよ」
あんなにも心を砕いてくれていたというのに、人間は彼らを容赦なく追い出そうとしている。
彼らが素直にソレを受け入れたのはきっと人類の事しか考えていない人間に呆れてしまったのだろう。愛想を尽かしてしまったのだ。
世界中のTVがオートボット達の事を話題にしている。
「・・・オプティマス」
彼に会いたかった。
出て行くのならば、会えなくなるのならば、ちゃんとお別れがしたかった。
窓越しに見える景色をミソラはぼんやりと見つめていたときだった。
シャトルが無事に打ち上げられたという報道が一斉にされる。歓声が上がるのを聞いていたミソラは無意識の内に膝の上に置いていた拳を握りしめた時だ。
ディランの持っている携帯が鳴り響く。
「サム、無事に役目を果たしてくれたようだな」
電話から聞こえてくるサムの声にカーリーの顔がホッとしたものへと変わる。目の前で恋人が酷い目に遭わされたのだ。それも自分が人質になってしまったが為に。
ずっと気になっていたサムの安否が解ったことで、カーリーの目には涙が浮かぶ。
「良かったね、カーリー」
「えぇ」
目尻に浮かぶ涙を拭った彼女は頷く。
今まで涙を見せることをしなかったカーリーが初めて見せた涙に、ミソラは彼女だって不安を感じていないわけがないのだと理解し、自分が彼女の側に居て支えなければと思う。
サムが居ない間だけでも。
きっとサムは彼女を助けに来る。
「・・・確かめたかっただけさ」
ディランはそう告げると通話を切る。
動じた様子を見せないディランに対しミソラは何を企んでいるのだと考えていると、TVの音声が慌ただしいものへと変わった。
何が起っているのだと思いながらTVを見ると、オプティマス達が乗っているシャトルに近づく何かに気づく。
「スタースクリーム?」
その名を呟いた瞬間ミソラは彼がしようとしていることに気づき、ディランへと視線を向ける。
「止めさせて」
「できない。コレは最初から決まっていた作戦だ」
「止めさせて!!お願い!!!」
彼らは人間の言うとおりこの星を出て行くのだ。
なのにこんな不意打ちをするなんて卑怯すぎる。
「言っただろう?愚かな考えだと」
吐き捨てるようにディランがそう告げたのと同時に、TV越しにシャトルが破壊されたという報道がされる。
バラバラになった機体が海へと落ちていくのをミソラは呆然とした面持ちで見つめることしか出来ずにいた。
愚かなことだとミソラは思う。
彼らのおかげで助かっていたのに彼らを追放してしまえば、抗う術は何もなくなってしまうのだから。
「人間はオートボットを見捨てた。こうなった以上、彼らに安住の地はどこにもなくなった。この宇宙はディセプティコン達のものだ」
勝ち誇った声で告げられた言葉にミソラは静かに首を横に振る。
「いいえ、違う・・・彼らが私たち人間を見捨てたのよ」
あんなにも心を砕いてくれていたというのに、人間は彼らを容赦なく追い出そうとしている。
彼らが素直にソレを受け入れたのはきっと人類の事しか考えていない人間に呆れてしまったのだろう。愛想を尽かしてしまったのだ。
世界中のTVがオートボット達の事を話題にしている。
「・・・オプティマス」
彼に会いたかった。
出て行くのならば、会えなくなるのならば、ちゃんとお別れがしたかった。
窓越しに見える景色をミソラはぼんやりと見つめていたときだった。
シャトルが無事に打ち上げられたという報道が一斉にされる。歓声が上がるのを聞いていたミソラは無意識の内に膝の上に置いていた拳を握りしめた時だ。
ディランの持っている携帯が鳴り響く。
「サム、無事に役目を果たしてくれたようだな」
電話から聞こえてくるサムの声にカーリーの顔がホッとしたものへと変わる。目の前で恋人が酷い目に遭わされたのだ。それも自分が人質になってしまったが為に。
ずっと気になっていたサムの安否が解ったことで、カーリーの目には涙が浮かぶ。
「良かったね、カーリー」
「えぇ」
目尻に浮かぶ涙を拭った彼女は頷く。
今まで涙を見せることをしなかったカーリーが初めて見せた涙に、ミソラは彼女だって不安を感じていないわけがないのだと理解し、自分が彼女の側に居て支えなければと思う。
サムが居ない間だけでも。
きっとサムは彼女を助けに来る。
「・・・確かめたかっただけさ」
ディランはそう告げると通話を切る。
動じた様子を見せないディランに対しミソラは何を企んでいるのだと考えていると、TVの音声が慌ただしいものへと変わった。
何が起っているのだと思いながらTVを見ると、オプティマス達が乗っているシャトルに近づく何かに気づく。
「スタースクリーム?」
その名を呟いた瞬間ミソラは彼がしようとしていることに気づき、ディランへと視線を向ける。
「止めさせて」
「できない。コレは最初から決まっていた作戦だ」
「止めさせて!!お願い!!!」
彼らは人間の言うとおりこの星を出て行くのだ。
なのにこんな不意打ちをするなんて卑怯すぎる。
「言っただろう?愚かな考えだと」
吐き捨てるようにディランがそう告げたのと同時に、TV越しにシャトルが破壊されたという報道がされる。
バラバラになった機体が海へと落ちていくのをミソラは呆然とした面持ちで見つめることしか出来ずにいた。