3章:全てを見ていた月
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何を企んでいるのか解らない以上、下手な行動は命取りになる。
動じることをせず、冷静に対応しなければならないと思いながらミソラはサウンドウェーブを見つめていると、彼の手の一部がキラキラと輝いていることに気がつく。
なんだろうかと思い、目をこらしているとソレが自分が探していたものであることに気づき顔から血の気を引かせた。
だが、次の瞬間には怒りで顔を歪めるとサウンドウェーブに声を掛けた
「返して!それは私のものよ!?」
冷静に、そう思っていたはずなのにサウンドウェーブの手にあるネックレスがそうさせてはくれない。
ミソラの予想通りの反応にサウンドウェーブはニヤリと笑うとネックレスをわざとらしく持ち上げた。
『取りに来たら良い・・・どうした?遠慮しなくても良いぞ?コレはお前のものなのだろう?』
楽しそうな声で誘いをかけてくる。
その誘いに素直に乗るべきではないと解っている。
けれど、日の光を浴びて揺らめく青を一瞬たりともサウンドウェーブに所持していて欲しくない。
アレは、あのネックレスは、オプティマスの体を削って作られたものだから。
そう提案したのがラチェットとキューであることくらい解っている。だが、オプティマスが何故その二人の要求を受け入れたのかは解らない。けれど、彼は自身のパーツを削ってネックレスを作ることを了承してくれたのだ。
そんな大切なものをサウンドウェーブに持っていて欲しくない。
『いらないのか?』
ならば処分してしまうぞ、と言うかのように手を動かしたサウンドウェーブの誘いに対し、ミソラは焦った顔をして近づく。
本当は嫌だった。
ディセプティコンに近づくのは。
けれどネックレスを取り戻さなければならない。
恐る恐る一歩ずつサウンドウェーブに近づいたミソラは、手を伸ばせばそのネックレスに届く距離にいた。
「・・・返して」
震える指先でネックレスへと触れようとした瞬間、ネックレスが頭上高く持ち上げられる。
何をするのだ、そう言いたげな視線を向けたミソラの目がとらえたのは、楽しそうに歪められている口元だった。
「やめてッ!!!」
必死に腕を伸ばしネックレスを掴もうとするが距離は埋まらず、サウンドウェーブの掌の中にネックレスが収まる。
彼が掌を握りしめれば、嫌な金属音が響く。
「お願い、止めて!!」
縋るようにサウンドウェーブに触れた瞬間、金属の砕ける音が響く。
言葉を失ってネックレスがあるだろう掌を見つめていると、目の前にソレが差し出される。粉々に砕けたネックレス、ただの金属片となったソレをサウンドウェーブは落とすと踏みつけた。
『数日以内にセンチネルの計画を実行に移す』
センチネル、その名を聞いたミソラの肩が震える。
同胞であるはずのアイアンハイドを容赦なく射殺したオートボット。
『奴の計画にお前は必要不可欠だ。無論、計画が完了した後もな・・・奴はお前を利用してサイバトロン星を復活させる。蘇ったあの星を統括するのはメガトロン様だ。ようやくあのお方の悲願が叶う・・・お前は人の身でありながらもその礎となれる。光栄に思え』
サウンドウェーブから伸ばされた触手がミソラへと絡みつく。
髪や肌を這いずるそれは健康状態を確認しているようで、問題ないと判断すると呆気ないほど簡単に離れていった。
『せいぜい短い自由を楽しむと良い』
「・・・貴方だけは絶対に許さない」
砕け散ったネックレスの破片を握りながらミソラは呟く。
怒り故にこみ上げてくる涙を抑えながら、自分を見下ろすサウンドウェーブを睨み付ける。
「貴方達の思い通りになんてならない」
反抗的なその眼差しに対し、サウンドウェーブは排気を一つする。
縋る物を破壊したので心が折れ、大人しくなり扱いやすくなるとばかり思っていたのだが予想に反する行動をミソラはとった。
それが彼にとってとても不愉快だった。
計画が上手く運べないことが気に入らない。
収納した触手を一本だけ取り出すと、自分を睨み付けてくるミソラのこめかみめがけて思い切り叩付ける。
勿論、死なないように加減をすることを忘れない。
利用価値があるまでの間は殺すわけにはいかないのだから。
『ディラン。この小娘を閉じ込めておけ』
「・・・解った。だが、あまり乱暴はしてくれるなよ?」
こめかみから血を流して気を失っているミソラを抱き上げながらディランはその場から退出した。
これ以上、サウンドウェーブの機嫌を損ねるわけにはいかなかった。
動じることをせず、冷静に対応しなければならないと思いながらミソラはサウンドウェーブを見つめていると、彼の手の一部がキラキラと輝いていることに気がつく。
なんだろうかと思い、目をこらしているとソレが自分が探していたものであることに気づき顔から血の気を引かせた。
だが、次の瞬間には怒りで顔を歪めるとサウンドウェーブに声を掛けた
「返して!それは私のものよ!?」
冷静に、そう思っていたはずなのにサウンドウェーブの手にあるネックレスがそうさせてはくれない。
ミソラの予想通りの反応にサウンドウェーブはニヤリと笑うとネックレスをわざとらしく持ち上げた。
『取りに来たら良い・・・どうした?遠慮しなくても良いぞ?コレはお前のものなのだろう?』
楽しそうな声で誘いをかけてくる。
その誘いに素直に乗るべきではないと解っている。
けれど、日の光を浴びて揺らめく青を一瞬たりともサウンドウェーブに所持していて欲しくない。
アレは、あのネックレスは、オプティマスの体を削って作られたものだから。
そう提案したのがラチェットとキューであることくらい解っている。だが、オプティマスが何故その二人の要求を受け入れたのかは解らない。けれど、彼は自身のパーツを削ってネックレスを作ることを了承してくれたのだ。
そんな大切なものをサウンドウェーブに持っていて欲しくない。
『いらないのか?』
ならば処分してしまうぞ、と言うかのように手を動かしたサウンドウェーブの誘いに対し、ミソラは焦った顔をして近づく。
本当は嫌だった。
ディセプティコンに近づくのは。
けれどネックレスを取り戻さなければならない。
恐る恐る一歩ずつサウンドウェーブに近づいたミソラは、手を伸ばせばそのネックレスに届く距離にいた。
「・・・返して」
震える指先でネックレスへと触れようとした瞬間、ネックレスが頭上高く持ち上げられる。
何をするのだ、そう言いたげな視線を向けたミソラの目がとらえたのは、楽しそうに歪められている口元だった。
「やめてッ!!!」
必死に腕を伸ばしネックレスを掴もうとするが距離は埋まらず、サウンドウェーブの掌の中にネックレスが収まる。
彼が掌を握りしめれば、嫌な金属音が響く。
「お願い、止めて!!」
縋るようにサウンドウェーブに触れた瞬間、金属の砕ける音が響く。
言葉を失ってネックレスがあるだろう掌を見つめていると、目の前にソレが差し出される。粉々に砕けたネックレス、ただの金属片となったソレをサウンドウェーブは落とすと踏みつけた。
『数日以内にセンチネルの計画を実行に移す』
センチネル、その名を聞いたミソラの肩が震える。
同胞であるはずのアイアンハイドを容赦なく射殺したオートボット。
『奴の計画にお前は必要不可欠だ。無論、計画が完了した後もな・・・奴はお前を利用してサイバトロン星を復活させる。蘇ったあの星を統括するのはメガトロン様だ。ようやくあのお方の悲願が叶う・・・お前は人の身でありながらもその礎となれる。光栄に思え』
サウンドウェーブから伸ばされた触手がミソラへと絡みつく。
髪や肌を這いずるそれは健康状態を確認しているようで、問題ないと判断すると呆気ないほど簡単に離れていった。
『せいぜい短い自由を楽しむと良い』
「・・・貴方だけは絶対に許さない」
砕け散ったネックレスの破片を握りながらミソラは呟く。
怒り故にこみ上げてくる涙を抑えながら、自分を見下ろすサウンドウェーブを睨み付ける。
「貴方達の思い通りになんてならない」
反抗的なその眼差しに対し、サウンドウェーブは排気を一つする。
縋る物を破壊したので心が折れ、大人しくなり扱いやすくなるとばかり思っていたのだが予想に反する行動をミソラはとった。
それが彼にとってとても不愉快だった。
計画が上手く運べないことが気に入らない。
収納した触手を一本だけ取り出すと、自分を睨み付けてくるミソラのこめかみめがけて思い切り叩付ける。
勿論、死なないように加減をすることを忘れない。
利用価値があるまでの間は殺すわけにはいかないのだから。
『ディラン。この小娘を閉じ込めておけ』
「・・・解った。だが、あまり乱暴はしてくれるなよ?」
こめかみから血を流して気を失っているミソラを抱き上げながらディランはその場から退出した。
これ以上、サウンドウェーブの機嫌を損ねるわけにはいかなかった。