3章:全てを見ていた月
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ばらばらになって動かなくなったアイアンハイドの前でレノックスが無言で立ち尽くしている。
センチネルの裏切りにより柱とコントローラーは奪われてしまったのだ。
その報告はNESTに帰還していたオプティマスにも報告されていたようで、彼は基地に戻ってくると無言のまま事切れた戦友を見つめ、そして破壊された基地を見渡す。
言葉を失っているオプティマスに対して、メアリングの全ての責任が彼にあると責め立てる声が崩壊した施設の中に響く。
その光景を少し離れたところからミソラは見つめていた。
『・・・少し眠るかね?』
「いいえ」
処置をしてくれたラチェットの言葉にミソラは疲れた声で答える。
メアリングの言葉を聞き終えたオプティマスがミソラに近づく。
捲られた袖に刺さっているチューブと、顔色の悪いミソラに気づくと青い目が辛そうに細められる。
「大丈夫です、ラチェットが大げさなだけですから」
『問題ない。ミソラが無茶をしただけだからな』
ジロッと責めるかのような視線に対しミソラは慌ててシーツを顔に引き上げる。
ベッドの側に置かれている見慣れたネックレスに気づいたオプティマスはラチェットを見る。
【もうコレは意味をなさない】
極秘回線で告げられた事にオプティマスは無意識の内に拳を握りしめた。
ミソラがエネルゴンをアイアンハイドに分け与えた事は知っている。一時は彼はそれで命を長らえたのだ。
彼女が己の命を犠牲にしてまで救おうとした。
だが、その犠牲を嘲笑うかのようにセンチネルはアイアンハイドに攻撃をし、彼の命を容赦なく奪った。
【・・・ラチェット。ミソラはまだ、】
そこから先の言葉は言えなかった。
口にしてしまえば自分が師と同じ目で彼女を見てしまいそうな錯覚になったからだ。
同じプライムの名を持つものとして。
彼の野望が明るみになった今、ミソラの身は危険に晒される。
【ここは安全ではない。政府は我々を排除しようとしている・・・そしてミソラの身柄を一刻も早く欲しいらしい。メアリングが交渉して先延ばしにしているが長くは持たない。その前に彼女を逃がしたいのだが】
ギャロウェイの時があるからかSPが常に目を光らせており事を運ぶことは出来そうにない。
どうする、と視線で訴えてきたラチェットに向かいオプティマスは何も言葉を返さない。
【彼女はまだ人だ。人のままできる限り人としての人生を歩ませてやりたい】
医者として自分に出来る最後の仕事だ。
ラチェットの言葉に背を押される形でオプティマスは決断をする。
『ミソラ』
極秘回線ではなく、ミソラにも聞こえるようにオプティマスは音を出す。
「・・・・はい」
何を言われるのかすでに理解をしているらしいミソラは、まっすぐオプティマスの目を見つめている。
こんな状況になっても変わらない瞳に向かい、オプティマスは大丈夫だと告げるかのように微笑みかけると口を開いた。
『君はまだ休暇中だ』
「え?」
『だからサムとバンブルビーと行動をすべきだと私は思うのだが?』
休暇の取り消しは出ていない。
その発言にメアリングも驚いたように目を開いた後、わざとらしくため息を吐くと、サムを呼びつける。
「・・・協力出来るのはここまでよ」
最大限の譲歩であるが彼女がしてくれたことに対し、オプティマスは感謝の言葉を告げた。
センチネルの裏切りにより柱とコントローラーは奪われてしまったのだ。
その報告はNESTに帰還していたオプティマスにも報告されていたようで、彼は基地に戻ってくると無言のまま事切れた戦友を見つめ、そして破壊された基地を見渡す。
言葉を失っているオプティマスに対して、メアリングの全ての責任が彼にあると責め立てる声が崩壊した施設の中に響く。
その光景を少し離れたところからミソラは見つめていた。
『・・・少し眠るかね?』
「いいえ」
処置をしてくれたラチェットの言葉にミソラは疲れた声で答える。
メアリングの言葉を聞き終えたオプティマスがミソラに近づく。
捲られた袖に刺さっているチューブと、顔色の悪いミソラに気づくと青い目が辛そうに細められる。
「大丈夫です、ラチェットが大げさなだけですから」
『問題ない。ミソラが無茶をしただけだからな』
ジロッと責めるかのような視線に対しミソラは慌ててシーツを顔に引き上げる。
ベッドの側に置かれている見慣れたネックレスに気づいたオプティマスはラチェットを見る。
【もうコレは意味をなさない】
極秘回線で告げられた事にオプティマスは無意識の内に拳を握りしめた。
ミソラがエネルゴンをアイアンハイドに分け与えた事は知っている。一時は彼はそれで命を長らえたのだ。
彼女が己の命を犠牲にしてまで救おうとした。
だが、その犠牲を嘲笑うかのようにセンチネルはアイアンハイドに攻撃をし、彼の命を容赦なく奪った。
【・・・ラチェット。ミソラはまだ、】
そこから先の言葉は言えなかった。
口にしてしまえば自分が師と同じ目で彼女を見てしまいそうな錯覚になったからだ。
同じプライムの名を持つものとして。
彼の野望が明るみになった今、ミソラの身は危険に晒される。
【ここは安全ではない。政府は我々を排除しようとしている・・・そしてミソラの身柄を一刻も早く欲しいらしい。メアリングが交渉して先延ばしにしているが長くは持たない。その前に彼女を逃がしたいのだが】
ギャロウェイの時があるからかSPが常に目を光らせており事を運ぶことは出来そうにない。
どうする、と視線で訴えてきたラチェットに向かいオプティマスは何も言葉を返さない。
【彼女はまだ人だ。人のままできる限り人としての人生を歩ませてやりたい】
医者として自分に出来る最後の仕事だ。
ラチェットの言葉に背を押される形でオプティマスは決断をする。
『ミソラ』
極秘回線ではなく、ミソラにも聞こえるようにオプティマスは音を出す。
「・・・・はい」
何を言われるのかすでに理解をしているらしいミソラは、まっすぐオプティマスの目を見つめている。
こんな状況になっても変わらない瞳に向かい、オプティマスは大丈夫だと告げるかのように微笑みかけると口を開いた。
『君はまだ休暇中だ』
「え?」
『だからサムとバンブルビーと行動をすべきだと私は思うのだが?』
休暇の取り消しは出ていない。
その発言にメアリングも驚いたように目を開いた後、わざとらしくため息を吐くと、サムを呼びつける。
「・・・協力出来るのはここまでよ」
最大限の譲歩であるが彼女がしてくれたことに対し、オプティマスは感謝の言葉を告げた。