3章:全てを見ていた月
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呼吸が出来ない息苦しさにミソラは喉を掻きむしるかのように爪を立てるが、息苦しさからは解放されない。
チカチカと白く染まる視界の中、掴み慣れた青い石を握りしめれば、少しだけ気持ちが楽なるが、全身を内側からゆっくりと引き裂くかのような痛みは消えることは無い。
『まだ・・・人の身か』
先程までの歓喜が嘘だったかのようにセンチネルは失望したかのような声で呟く。
チラリとアイアンハイドに視線を向ければ腐敗箇所は減っているが完全に癒えたわけではない。苦しげに腐敗している箇所を押さえ込んでいるアイアンハイドの呻き声に対し、センチネルは迷うことなく銃口を向けた。
『貴様の役目はもう終わりだ』
『や、やめろっ!!』
先程よりは動けるが逃げることは不可能な状態であるアイアンハイドに対し、センチネルは引き金を引く。
彼のスパークに直接、腐敗弾を撃ち込めば先程よりも遙かに早くアイアンハイドの体は錆び、そしてガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「アイアンハイドッ!!」
倒れたままミソラが名を呼び手を伸ばす。
一瞬だけ、彼の青い目が向けられる。
見慣れた青から灰色へとその色を変えた直後、ミソラの目から涙があふれ出す。救えなかったのだ。
項垂れたミソラへとアイアンハイドの体の一部が落下する。ミソラに直撃するかと思ったソレは不意に軌道を不自然に変えた。
『すま、な・・ぃ』
ノイズ混じりの声にミソラは弾かれたようにアイアンハイドを見上げるが、機能停止を意味する灰色の瞳のままだった。
彼が最期の力を振り絞って助けてくれたのだと理解したミソラは顔を覆うと涙を流す。
『お前は私が有効活用してやろう』
センチネルの手が伸ばされる。
逃げなければ、そう判断して立ち上がろうとしたミソラであったが体に力が入らず動くことが出来ない。自分に伸ばされる手を見つめることしかできずにいた時だった。
『コイツに触るな』
吐き捨てるかのような一言。
その声と共にミソラの前に突然、赤が飛び込んでくる。
迷うことなく両腕のブレードを使い、センチネルへとディーノは奇襲を行う。
チッと舌打ちをしたセンチネルが後ろに数歩下がり、アイアンハイドを攻撃した銃口をディーノへと向ける。
『そんなモノ俺に向けるなッ!!』
言い放つのと同時にミソラを拾い上げたディーノはその場から離れる。
ディーノへと迷うことなくセンチネルは銃口を向けると手当たり次第、発砲するセンチネルの攻撃からオートボット達は逃げることしか出来ない中、センチネルは消防車へと変形するとその場から逃走した。
体制を整えるためレノックスが撤退命令を出す中、ディーノはサイドスワイプに近づくと彼の掌にミソラを乗せた。
「ごめんなさい」
涙が一粒、彼の掌に落ちていく。
決壊した涙は次々とサイドスワイプの掌を濡らしていく。
「ごめんなさい、私・・・助けられなかった」
目の前に居たというのに。
泣きじゃくるミソラの言葉にサイドスワイプは事切れた師を見つめる。物言わぬ師の姿にスパークが痛む。
『もう、良い。もう良い・・・ミソラ』
ミソラが乗っていない方の手でそっと彼女の姿を隠してやる。
これ以上もう、自分を責めなくて良いようにと。
これ以上もう、辛いモノを見なくて良いようにと。
チカチカと白く染まる視界の中、掴み慣れた青い石を握りしめれば、少しだけ気持ちが楽なるが、全身を内側からゆっくりと引き裂くかのような痛みは消えることは無い。
『まだ・・・人の身か』
先程までの歓喜が嘘だったかのようにセンチネルは失望したかのような声で呟く。
チラリとアイアンハイドに視線を向ければ腐敗箇所は減っているが完全に癒えたわけではない。苦しげに腐敗している箇所を押さえ込んでいるアイアンハイドの呻き声に対し、センチネルは迷うことなく銃口を向けた。
『貴様の役目はもう終わりだ』
『や、やめろっ!!』
先程よりは動けるが逃げることは不可能な状態であるアイアンハイドに対し、センチネルは引き金を引く。
彼のスパークに直接、腐敗弾を撃ち込めば先程よりも遙かに早くアイアンハイドの体は錆び、そしてガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「アイアンハイドッ!!」
倒れたままミソラが名を呼び手を伸ばす。
一瞬だけ、彼の青い目が向けられる。
見慣れた青から灰色へとその色を変えた直後、ミソラの目から涙があふれ出す。救えなかったのだ。
項垂れたミソラへとアイアンハイドの体の一部が落下する。ミソラに直撃するかと思ったソレは不意に軌道を不自然に変えた。
『すま、な・・ぃ』
ノイズ混じりの声にミソラは弾かれたようにアイアンハイドを見上げるが、機能停止を意味する灰色の瞳のままだった。
彼が最期の力を振り絞って助けてくれたのだと理解したミソラは顔を覆うと涙を流す。
『お前は私が有効活用してやろう』
センチネルの手が伸ばされる。
逃げなければ、そう判断して立ち上がろうとしたミソラであったが体に力が入らず動くことが出来ない。自分に伸ばされる手を見つめることしかできずにいた時だった。
『コイツに触るな』
吐き捨てるかのような一言。
その声と共にミソラの前に突然、赤が飛び込んでくる。
迷うことなく両腕のブレードを使い、センチネルへとディーノは奇襲を行う。
チッと舌打ちをしたセンチネルが後ろに数歩下がり、アイアンハイドを攻撃した銃口をディーノへと向ける。
『そんなモノ俺に向けるなッ!!』
言い放つのと同時にミソラを拾い上げたディーノはその場から離れる。
ディーノへと迷うことなくセンチネルは銃口を向けると手当たり次第、発砲するセンチネルの攻撃からオートボット達は逃げることしか出来ない中、センチネルは消防車へと変形するとその場から逃走した。
体制を整えるためレノックスが撤退命令を出す中、ディーノはサイドスワイプに近づくと彼の掌にミソラを乗せた。
「ごめんなさい」
涙が一粒、彼の掌に落ちていく。
決壊した涙は次々とサイドスワイプの掌を濡らしていく。
「ごめんなさい、私・・・助けられなかった」
目の前に居たというのに。
泣きじゃくるミソラの言葉にサイドスワイプは事切れた師を見つめる。物言わぬ師の姿にスパークが痛む。
『もう、良い。もう良い・・・ミソラ』
ミソラが乗っていない方の手でそっと彼女の姿を隠してやる。
これ以上もう、自分を責めなくて良いようにと。
これ以上もう、辛いモノを見なくて良いようにと。