3章:全てを見ていた月
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カーリーのマンションから出たミソラは見慣れた二台の車に向かい軽く手を振る。人間が居るのでヘッドライトを一度だけ光らせてソレに答えてくれたサイドスワイプとは対照的に、ディーノは沈黙をしたままだった。
「サム、お前は私と一緒に来い」
「・・・解ったよ」
渋々という様子でサムはシモンズの車に乗り込んだ。
頑張れと言うかのようにミソラは手を振るとバンブルビーに乗り込む。
普段はサムが座る運転席へと乗り込めば、場違いだとは解っているがワクワクとする気持ちを抑えられなかった。
『”さぁ!しまっていこうか!!”』
「よろしくね」
ハンドルを軽く叩いて告げる。
動き出したバンブルビーの中からミソラは黙って外の景色を見つめる。
両隣を走るサイドスワイプとディーノから不在の間、近況を知らせる報告がされるのを黙って聞く。
走行すること一時間ほどで目的地に到着したミソラは、怪しげな店を見て顔をしかめる。
「あの中に行くの?」
『みたいだな。お前は俺達と待機していた方が良い。中に入られれば面倒になりそうだからな』
「サムからも言われているから大人しくしているよ」
『バンブルビー・・・店の中を盗聴しておけ。ヤバくなったら店を吹き飛ばすぞ』
『”了解!”』
店に入っていくサムの背中を見つめる。
マフィアの集会所にお呼ばれされた一般人のような絶望的な顔をしているサムとは対照的に、シモンズはいつにない緊迫としていて殺伐とした雰囲気にウキウキとしている。
彼等の姿が見えなくなったミソラはシートに体重を預け、街の中へと視線を向けた。
慌ただしそうに歩いて行くサラリーマン、友人と楽しげな会話をする人々、幼子の手を引いて歩く母親、愛する人と腕を組んで歩いている恋人達。
彼らをぼんやりと見つめていたミソラは、彼らに自分の姿を重ねようとして馬鹿馬鹿しいと思い目をつぶった時だった。
ラジオ越しに聞こえてきた銃声に身を竦ませる。
「サムッ!!」
『大丈夫だって、まだ』
落ち着いた様子のサイドスワイプとは対照的に、ミソラは不安げな面持ちで店を見つめる。
バンブルビーもいつでもトランスフォーム出来るように身構えており、そんな二人とは対照的にサイドスワイプとディーノは冷静だった。
『・・・・出てきたぞ』
ディーノの指摘にミソラは三人を見つめる。
怪我を負っていないことに安堵の笑みを浮かべていると、サムがバンブルビーの中に乗りこんできた。
彼の強ばった顔からロシア人宇宙飛行士からの話が、あまり良くない内容だったのだと悟ったミソラはサムが口を開くまで待つ。
サムはしばしの間、自分の中で話を整理しているようであった。
全てではないが大筋話をまとめ上げた彼は口を動かす。
「奴らの狙いは最初からセンチネルだったんだ・・・でも、肝心のセンチネルはエネルゴン不足で機能を停止した。蘇らせることが出来るのはオプティマスの持つマトリクスだけ・・・僕らはディセプティコンに良いように利用された!!急いで彼を保護しないと全部手遅れになる!!」
サムの言葉にバンブルビーはすぐさま走り出す。
途中、センチネルの位置を確認し彼が近くに居たことから合流することが決定される。恐らく、ディセプティコンもセンチネルの秘密をオートボットが知ったことを理解し、彼を誘拐するために襲ってくるだろう事は明らかだ。
「戦いになるの?」
『”大丈夫だ、お姫様””私が君を守る!!”』
『お前だけじゃないだろ、俺達がだろ?』
すぐさま訂正を入れてきたサイドスワイプに向かいミソラは、緊張故に強ばった笑みを向けたが、すぐに視線を前に戻す。
無意識の内に握りしめた青い石の冷たい感触に心が落ち着き始める。
みんな無事にNESTに戻れるよう祈ることしか出来なかった。
「サム、お前は私と一緒に来い」
「・・・解ったよ」
渋々という様子でサムはシモンズの車に乗り込んだ。
頑張れと言うかのようにミソラは手を振るとバンブルビーに乗り込む。
普段はサムが座る運転席へと乗り込めば、場違いだとは解っているがワクワクとする気持ちを抑えられなかった。
『”さぁ!しまっていこうか!!”』
「よろしくね」
ハンドルを軽く叩いて告げる。
動き出したバンブルビーの中からミソラは黙って外の景色を見つめる。
両隣を走るサイドスワイプとディーノから不在の間、近況を知らせる報告がされるのを黙って聞く。
走行すること一時間ほどで目的地に到着したミソラは、怪しげな店を見て顔をしかめる。
「あの中に行くの?」
『みたいだな。お前は俺達と待機していた方が良い。中に入られれば面倒になりそうだからな』
「サムからも言われているから大人しくしているよ」
『バンブルビー・・・店の中を盗聴しておけ。ヤバくなったら店を吹き飛ばすぞ』
『”了解!”』
店に入っていくサムの背中を見つめる。
マフィアの集会所にお呼ばれされた一般人のような絶望的な顔をしているサムとは対照的に、シモンズはいつにない緊迫としていて殺伐とした雰囲気にウキウキとしている。
彼等の姿が見えなくなったミソラはシートに体重を預け、街の中へと視線を向けた。
慌ただしそうに歩いて行くサラリーマン、友人と楽しげな会話をする人々、幼子の手を引いて歩く母親、愛する人と腕を組んで歩いている恋人達。
彼らをぼんやりと見つめていたミソラは、彼らに自分の姿を重ねようとして馬鹿馬鹿しいと思い目をつぶった時だった。
ラジオ越しに聞こえてきた銃声に身を竦ませる。
「サムッ!!」
『大丈夫だって、まだ』
落ち着いた様子のサイドスワイプとは対照的に、ミソラは不安げな面持ちで店を見つめる。
バンブルビーもいつでもトランスフォーム出来るように身構えており、そんな二人とは対照的にサイドスワイプとディーノは冷静だった。
『・・・・出てきたぞ』
ディーノの指摘にミソラは三人を見つめる。
怪我を負っていないことに安堵の笑みを浮かべていると、サムがバンブルビーの中に乗りこんできた。
彼の強ばった顔からロシア人宇宙飛行士からの話が、あまり良くない内容だったのだと悟ったミソラはサムが口を開くまで待つ。
サムはしばしの間、自分の中で話を整理しているようであった。
全てではないが大筋話をまとめ上げた彼は口を動かす。
「奴らの狙いは最初からセンチネルだったんだ・・・でも、肝心のセンチネルはエネルゴン不足で機能を停止した。蘇らせることが出来るのはオプティマスの持つマトリクスだけ・・・僕らはディセプティコンに良いように利用された!!急いで彼を保護しないと全部手遅れになる!!」
サムの言葉にバンブルビーはすぐさま走り出す。
途中、センチネルの位置を確認し彼が近くに居たことから合流することが決定される。恐らく、ディセプティコンもセンチネルの秘密をオートボットが知ったことを理解し、彼を誘拐するために襲ってくるだろう事は明らかだ。
「戦いになるの?」
『”大丈夫だ、お姫様””私が君を守る!!”』
『お前だけじゃないだろ、俺達がだろ?』
すぐさま訂正を入れてきたサイドスワイプに向かいミソラは、緊張故に強ばった笑みを向けたが、すぐに視線を前に戻す。
無意識の内に握りしめた青い石の冷たい感触に心が落ち着き始める。
みんな無事にNESTに戻れるよう祈ることしか出来なかった。