3章:全てを見ていた月
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驚きのあまり混乱する中、ミソラは部屋に向かって歩き出す。
軍人達で溢れる通路を歩いていると見慣れた人を見つけ、彼に向かって駆け寄る。
「レノックスさん」
「ミソラ」
部下と何やら話をしていたらしいレノックスは書類を部下に渡すとミソラの方に向かって歩いてくる。
「長官が休暇を下さいました」
「・・・そうか。良かったな」
「はい、レノックスさんが申請してくださっていたと聞きました。ありがとうございます」
「よせよせ!良いんだよ。折角ソレのおかげで外に出られるようになったんだろう?なのに上の連中はディセプティコンを恐れ、お前さんを外に出すことを中々認めなかった。・・・悪い事をしたと思っている」
ポンポンッと頭を撫でてくれたレノックスに対しミソラは笑みを向けた。
彼が心を砕いてくれていることはずっと知っている。
変わらない彼の優しさが嬉しい。
「本当は違う奴と出かけられれば良かったんだろうがな。外出する前にオプティマスにも声をかけてやってくれ」
「はい」
「色々と規制がかかっているだろうが、楽しんでくるといい」
父親のような顔をして言われた言葉にミソラは泣きそうになる。
少しだけ、彼の娘に対して羨ましいという嫉妬の気持ちを抱く。
この愛情を一身に向けられる子供が。
その醜い感情を隠すかのようにミソラは笑みを浮かべる。
「はい、ありがとうございます」
一礼をして準備をするために部屋へと向かったミソラの後ろ姿をレノックスは見つめる。
ラチェットから彼女の体のことは聞いている。
すでに半分以上が人でなくなってしまっているという状態、今はネックレスでその変化は止まっているのだが今後はどうなるのか解らない。
そんな危うい均衡の中でミソラは生きている。
「出来れば少しでも長くそのままでいてくれよ」
上層部はいくつかのパターンをシュミレーションをしている。
どの選択を選んだとしても結果的にミソラの未来は暗いモノしか無い。いくらレノックスやオートボット達が声を上げたとしても、選択を少しでも誤ればミソラの道は閉ざされるのだ。
「そうならないようにしないとな」
脳裏に浮かぶのはセンチネルの姿。
マトリクスにより目覚めた彼はミソラを見つめていた。
何かを考えるかのように。
その視線があまり友好的ではなかった事を思い出したレノックスは顔をしかめる。
センチネルの復活からずっと嫌な予感がしているのだ。
「・・・選択を誤るなよ、オプティマス」
彼ならば間違った選択はしないだろうということは解っている。
だが、相手は彼の師となれば必然的に疑いの目は消え、下手をすると間違った選択を選ぶ結果となりかねない。
ミソラのオプティマスへの気持ちは見て解る。
故にミソラはオプティマスの選択を受け入れるだろう。
それが残酷な未来であったとしても。
そうなったとき、自分は彼らを説得出来るだろうかとレノックスは考えるが答えは自分の中にはなかった。
軍人達で溢れる通路を歩いていると見慣れた人を見つけ、彼に向かって駆け寄る。
「レノックスさん」
「ミソラ」
部下と何やら話をしていたらしいレノックスは書類を部下に渡すとミソラの方に向かって歩いてくる。
「長官が休暇を下さいました」
「・・・そうか。良かったな」
「はい、レノックスさんが申請してくださっていたと聞きました。ありがとうございます」
「よせよせ!良いんだよ。折角ソレのおかげで外に出られるようになったんだろう?なのに上の連中はディセプティコンを恐れ、お前さんを外に出すことを中々認めなかった。・・・悪い事をしたと思っている」
ポンポンッと頭を撫でてくれたレノックスに対しミソラは笑みを向けた。
彼が心を砕いてくれていることはずっと知っている。
変わらない彼の優しさが嬉しい。
「本当は違う奴と出かけられれば良かったんだろうがな。外出する前にオプティマスにも声をかけてやってくれ」
「はい」
「色々と規制がかかっているだろうが、楽しんでくるといい」
父親のような顔をして言われた言葉にミソラは泣きそうになる。
少しだけ、彼の娘に対して羨ましいという嫉妬の気持ちを抱く。
この愛情を一身に向けられる子供が。
その醜い感情を隠すかのようにミソラは笑みを浮かべる。
「はい、ありがとうございます」
一礼をして準備をするために部屋へと向かったミソラの後ろ姿をレノックスは見つめる。
ラチェットから彼女の体のことは聞いている。
すでに半分以上が人でなくなってしまっているという状態、今はネックレスでその変化は止まっているのだが今後はどうなるのか解らない。
そんな危うい均衡の中でミソラは生きている。
「出来れば少しでも長くそのままでいてくれよ」
上層部はいくつかのパターンをシュミレーションをしている。
どの選択を選んだとしても結果的にミソラの未来は暗いモノしか無い。いくらレノックスやオートボット達が声を上げたとしても、選択を少しでも誤ればミソラの道は閉ざされるのだ。
「そうならないようにしないとな」
脳裏に浮かぶのはセンチネルの姿。
マトリクスにより目覚めた彼はミソラを見つめていた。
何かを考えるかのように。
その視線があまり友好的ではなかった事を思い出したレノックスは顔をしかめる。
センチネルの復活からずっと嫌な予感がしているのだ。
「・・・選択を誤るなよ、オプティマス」
彼ならば間違った選択はしないだろうということは解っている。
だが、相手は彼の師となれば必然的に疑いの目は消え、下手をすると間違った選択を選ぶ結果となりかねない。
ミソラのオプティマスへの気持ちは見て解る。
故にミソラはオプティマスの選択を受け入れるだろう。
それが残酷な未来であったとしても。
そうなったとき、自分は彼らを説得出来るだろうかとレノックスは考えるが答えは自分の中にはなかった。