3章:全てを見ていた月
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ミソラが入室したのと同時にメアリングの秘書によりドアが乱暴に閉められる。密室状態になった事でミソラは緊張してしまい、無意識の内に背筋をピッと伸ばしていた。
メアリングはミソラの立場に対しある程度の理解をし、そして多少はその行動に関して黙認してくれている。
だが、その一方でミソラの存在が人類にとってどれほど影響を及ぼすのか考えており、良い方向に転がるのであれば存在を認めてくれるだろうが、悪い方向に転がるのであれば彼女はきっと容赦なくミソラを隔離するだろう。
「緊張しているわね。まぁ急な呼び出しだものね、無理もないことだわ」
「・・・あの、ご用はなんでしょうか?最近はコレのおかげでエネルゴン反応は消えているので襲撃の恐れはないはずなんですが」
「そのことで話したいわけじゃないの。貴方の体に関する情報は軍医から全て報告書が来ているので結構よ」
デスクの前にある椅子に座るように指示を出したメアリングは引き出しから数枚の紙を取り出し、内容を目で確認した後それをミソラへと差し出してくる。
書かれている内容を読んだミソラは驚いたように彼女を見上げた。
「これは」
「英語解らないわけじゃないわよね?だったら書いてある通りよ」
書類には長期休暇に関する事が書いてある。
軍人達にあるそれは今までミソラには適用されなかった。ミソラという存在はこの世から消されているのだから。
何よりもエネルゴン反応をかぎつけたディセプティコン達が襲ってくる可能性があるため、その存在は一部の者しか知らされては居なかった。
最近ではキューとラチェットの研究によりエネルゴン反応を抑えるネックレスが発明されたため、基地の中を自由に歩き回っても問題がなくなっていたのだ。
だが、だからと言って基地から出て良いという事ではなく、先日のサイドスワイプとの深夜のドライブなどは論外だった。
それが何故急に許可されたのかが解らない。
「嘆願書は以前からレノックス大佐から上がってきていました。勿論、オートボットの司令官であるオプティマス・プライムからもね。ただ、こちらとしては戦えるオートボットの数がディセプティコンと比べ圧倒的に少なく、長期休暇で外出する貴方の護衛に回せるだけのオートボットが居ないから許可出来なかったのよ」
「では、どうして急に?」
新しいオートボットはこの星に来ていない。
戦力的には変化はないのにと何故、と疑問を抱きながら問いかけるとメアリングは新たな書類を手に取りそれをミソラに見えるように掲げた。
「サム・ウィトウィッキーの護衛としてバンブルビーを派遣します。彼と行動を共にするという条件で貴方に一時的に休暇を与えます。・・・これを休暇と言って良いのか解らないけれど。それでも良いのならば外出許可を出します。期間は彼の護衛が終わるまでの間を予定しているわ」
了承出来るのならばサインをするように。
そう言い終わったメアリングは持っていた万年筆を渡してくる。
戸惑いながらもそれを受け取ったミソラはサインをしようとしたが、ふと自分は休暇中どこに宿泊したら良いのだろうかと思い問いかける。
「そのことならば問題ありません。ウィトウィッキーの同棲相手であるカーリー・スペンサーに話を通しています。彼女は喜んで了承してくれましたよ」
忙しいのだからさっさとサインをして書類を返せと言わんばかりの態度に対し、ミソラは慌ててサインをすると彼女に渡す。
内容を確認し問題ないと判断したメアリングは頷く。
「もう良いわ・・・解っていると思うけど、面識のある人間との接触は禁止、できるだけ他の人間とも接触は避けて頂戴。面倒ごとを起こしたら困るのは貴方だけではないのだから。貴方の起こした問題は私が処理をしなければならないの。その事だけはくれぐれも肝に銘じておいて」
「はい。あの、ありがとうございました」
立ち上がり一礼をしたミソラはドアノブに手を掛けソレを回す。
開いた扉から通路に出たミソラに対し、メアリングが小さな声で告げた。
「楽しい休暇を」
驚いて振り返ったミソラを無視して秘書がドアを閉める。
早く立ち去れと視線で促されたミソラは慌ててその場から離れた。
メアリングはミソラの立場に対しある程度の理解をし、そして多少はその行動に関して黙認してくれている。
だが、その一方でミソラの存在が人類にとってどれほど影響を及ぼすのか考えており、良い方向に転がるのであれば存在を認めてくれるだろうが、悪い方向に転がるのであれば彼女はきっと容赦なくミソラを隔離するだろう。
「緊張しているわね。まぁ急な呼び出しだものね、無理もないことだわ」
「・・・あの、ご用はなんでしょうか?最近はコレのおかげでエネルゴン反応は消えているので襲撃の恐れはないはずなんですが」
「そのことで話したいわけじゃないの。貴方の体に関する情報は軍医から全て報告書が来ているので結構よ」
デスクの前にある椅子に座るように指示を出したメアリングは引き出しから数枚の紙を取り出し、内容を目で確認した後それをミソラへと差し出してくる。
書かれている内容を読んだミソラは驚いたように彼女を見上げた。
「これは」
「英語解らないわけじゃないわよね?だったら書いてある通りよ」
書類には長期休暇に関する事が書いてある。
軍人達にあるそれは今までミソラには適用されなかった。ミソラという存在はこの世から消されているのだから。
何よりもエネルゴン反応をかぎつけたディセプティコン達が襲ってくる可能性があるため、その存在は一部の者しか知らされては居なかった。
最近ではキューとラチェットの研究によりエネルゴン反応を抑えるネックレスが発明されたため、基地の中を自由に歩き回っても問題がなくなっていたのだ。
だが、だからと言って基地から出て良いという事ではなく、先日のサイドスワイプとの深夜のドライブなどは論外だった。
それが何故急に許可されたのかが解らない。
「嘆願書は以前からレノックス大佐から上がってきていました。勿論、オートボットの司令官であるオプティマス・プライムからもね。ただ、こちらとしては戦えるオートボットの数がディセプティコンと比べ圧倒的に少なく、長期休暇で外出する貴方の護衛に回せるだけのオートボットが居ないから許可出来なかったのよ」
「では、どうして急に?」
新しいオートボットはこの星に来ていない。
戦力的には変化はないのにと何故、と疑問を抱きながら問いかけるとメアリングは新たな書類を手に取りそれをミソラに見えるように掲げた。
「サム・ウィトウィッキーの護衛としてバンブルビーを派遣します。彼と行動を共にするという条件で貴方に一時的に休暇を与えます。・・・これを休暇と言って良いのか解らないけれど。それでも良いのならば外出許可を出します。期間は彼の護衛が終わるまでの間を予定しているわ」
了承出来るのならばサインをするように。
そう言い終わったメアリングは持っていた万年筆を渡してくる。
戸惑いながらもそれを受け取ったミソラはサインをしようとしたが、ふと自分は休暇中どこに宿泊したら良いのだろうかと思い問いかける。
「そのことならば問題ありません。ウィトウィッキーの同棲相手であるカーリー・スペンサーに話を通しています。彼女は喜んで了承してくれましたよ」
忙しいのだからさっさとサインをして書類を返せと言わんばかりの態度に対し、ミソラは慌ててサインをすると彼女に渡す。
内容を確認し問題ないと判断したメアリングは頷く。
「もう良いわ・・・解っていると思うけど、面識のある人間との接触は禁止、できるだけ他の人間とも接触は避けて頂戴。面倒ごとを起こしたら困るのは貴方だけではないのだから。貴方の起こした問題は私が処理をしなければならないの。その事だけはくれぐれも肝に銘じておいて」
「はい。あの、ありがとうございました」
立ち上がり一礼をしたミソラはドアノブに手を掛けソレを回す。
開いた扉から通路に出たミソラに対し、メアリングが小さな声で告げた。
「楽しい休暇を」
驚いて振り返ったミソラを無視して秘書がドアを閉める。
早く立ち去れと視線で促されたミソラは慌ててその場から離れた。