1話:手に入れたのは不思議な車でした
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刺しっぱなしの鍵、それを見つめるチャーリーの目は期待で満ちている。
恐る恐る鍵へと指を伸ばし、鍵の形を確かめるかのように指先が動いていたが意を決したかのように鍵を握るとゆっくりと回す。
金属の軋むような不快な音が数回、静かな車内に響いただけだ。
「やっぱり駄目か」
落胆を隠せぬままチャーリーが呟いた時だ。
カーラジオが勝手についたかと思えばそこからノイズ音が聞こえてきた。
何かを訴えているかのように、もしくは何かを伝えようとしているかのように忙しなく動くチャンネルをチャーリーとセツナは身じろぎ一つ出来ぬまま凝視することしか出来ない。
「ねぇチャーリー・・・この車のエンジンって掛かっていないよね?」
「うん」
「なのにどうしてカーラジオが動くの?」
疑問をセツナが口にした瞬間、今まで動いていたラジオがブツリと音を立てて止る。
まるで2人の会話を聞いていたかのような絶妙なタイミングだったことにセツナは驚きのあまり息を呑む。
「えぇっと・・・エンジンが動かなかったことだし、こうして車に乗っていても時間だけが過ぎていくからさ、とりあえず降りない?」
「そうだね。ハンクおじさんにこの車のこと聞いてみるかな」
車から降りた2人は地面に落ちていたシートを手に取ると車にかける。
窓硝子まで汚れている車がどれくらいの間、此処でこうしていたのかは解らない。
チャーリーとセツナは時間を見つけてはこの廃ボート置き場へと足を運び、必要なパーツを手に入れる為に色々と見て回っていた。
それなのに今の今まで見つけられたなかったことがセツナにはどうしても腑に落ちず、険しい顔をしてシートで隠れてしまった車を見つめる。
「セツナ!そろそろ行こうよ?」
「あ、うん。ごめん。今行く!!」
パーツの入った籠を両手で持っているチャーリーに気づいたセツナは彼女へと近づくと、半分持つと言うがチャーリーは苦笑を浮かべて首を振るだけだ。
前にそう言って反対側の取っ手を手にしたセツナがその重さに耐えられなかったことをチャーリーは知っているからだ。
「明日さ、チャーリーの家に遊びに行っても良い?渡したい物があるの」
にんまりと笑ったセツナの顔を見たチャーリーは嬉しそうに笑う。
明日が何の日かセツナが覚えていてくれたことが嬉しいのだ。
「あの車が動くなら最高の誕生日プレゼントになったのになぁ」
「確かにねぇ。一日早い誕生日プレゼントは神様は認めてくれなかったね」
「ホントよ。意地悪よね、神様って!!」
悔しげに唇を尖らせたチャーリーの顔を見たセツナが声を上げて笑うと、少しばかり頬を赤くしたチャーリーが軽く蹴ってくる。
2人で楽しげに笑いながらハンクの元へと向かえば、彼は二人の姿を見て微笑ましいと言うかのように目を細めて笑う。
「ハンクおじさん。コレ全部で30ドルで買うわ」
「馬鹿を言うな。そのコイルだって倍以上するぞ?」
「・・・ここに来るお客なんて居ないでしょ?なら貴重なお客が居る内に売った方が良いんじゃないの?」
ハンクの言い分に対しチャーリーは負けずに言い返す。
確かにこの店には自分達以外のお客さんとやらは見た事が無いな、と密かにセツナが思っていると、その考えを読んだかのようにハンクは咳をする。
「解った解った。さっさと持っていけ」
「ありがとう!ハンクおじさん。あのビートルどうしたの?」
「ビートル?・・・あぁアレか。いつの間にか置かれていたんだ。全く良い迷惑だよ」
プリプリと怒るハンクの姿を見ながらチャーリーは何かを考えるかのような顔をしていた。
恐る恐る鍵へと指を伸ばし、鍵の形を確かめるかのように指先が動いていたが意を決したかのように鍵を握るとゆっくりと回す。
金属の軋むような不快な音が数回、静かな車内に響いただけだ。
「やっぱり駄目か」
落胆を隠せぬままチャーリーが呟いた時だ。
カーラジオが勝手についたかと思えばそこからノイズ音が聞こえてきた。
何かを訴えているかのように、もしくは何かを伝えようとしているかのように忙しなく動くチャンネルをチャーリーとセツナは身じろぎ一つ出来ぬまま凝視することしか出来ない。
「ねぇチャーリー・・・この車のエンジンって掛かっていないよね?」
「うん」
「なのにどうしてカーラジオが動くの?」
疑問をセツナが口にした瞬間、今まで動いていたラジオがブツリと音を立てて止る。
まるで2人の会話を聞いていたかのような絶妙なタイミングだったことにセツナは驚きのあまり息を呑む。
「えぇっと・・・エンジンが動かなかったことだし、こうして車に乗っていても時間だけが過ぎていくからさ、とりあえず降りない?」
「そうだね。ハンクおじさんにこの車のこと聞いてみるかな」
車から降りた2人は地面に落ちていたシートを手に取ると車にかける。
窓硝子まで汚れている車がどれくらいの間、此処でこうしていたのかは解らない。
チャーリーとセツナは時間を見つけてはこの廃ボート置き場へと足を運び、必要なパーツを手に入れる為に色々と見て回っていた。
それなのに今の今まで見つけられたなかったことがセツナにはどうしても腑に落ちず、険しい顔をしてシートで隠れてしまった車を見つめる。
「セツナ!そろそろ行こうよ?」
「あ、うん。ごめん。今行く!!」
パーツの入った籠を両手で持っているチャーリーに気づいたセツナは彼女へと近づくと、半分持つと言うがチャーリーは苦笑を浮かべて首を振るだけだ。
前にそう言って反対側の取っ手を手にしたセツナがその重さに耐えられなかったことをチャーリーは知っているからだ。
「明日さ、チャーリーの家に遊びに行っても良い?渡したい物があるの」
にんまりと笑ったセツナの顔を見たチャーリーは嬉しそうに笑う。
明日が何の日かセツナが覚えていてくれたことが嬉しいのだ。
「あの車が動くなら最高の誕生日プレゼントになったのになぁ」
「確かにねぇ。一日早い誕生日プレゼントは神様は認めてくれなかったね」
「ホントよ。意地悪よね、神様って!!」
悔しげに唇を尖らせたチャーリーの顔を見たセツナが声を上げて笑うと、少しばかり頬を赤くしたチャーリーが軽く蹴ってくる。
2人で楽しげに笑いながらハンクの元へと向かえば、彼は二人の姿を見て微笑ましいと言うかのように目を細めて笑う。
「ハンクおじさん。コレ全部で30ドルで買うわ」
「馬鹿を言うな。そのコイルだって倍以上するぞ?」
「・・・ここに来るお客なんて居ないでしょ?なら貴重なお客が居る内に売った方が良いんじゃないの?」
ハンクの言い分に対しチャーリーは負けずに言い返す。
確かにこの店には自分達以外のお客さんとやらは見た事が無いな、と密かにセツナが思っていると、その考えを読んだかのようにハンクは咳をする。
「解った解った。さっさと持っていけ」
「ありがとう!ハンクおじさん。あのビートルどうしたの?」
「ビートル?・・・あぁアレか。いつの間にか置かれていたんだ。全く良い迷惑だよ」
プリプリと怒るハンクの姿を見ながらチャーリーは何かを考えるかのような顔をしていた。