5話:キミの為にできる事
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セツナの言葉にチャーリーは足を止めると勢いよく振り返る。
キッとつり上げられた眦から彼女が本気で怒っているのだとセツナは理解する。いつもならば謝罪の言葉をすぐに口にしたのだろうが、今回ばかりはセツナも引くことは絶対に出来ない。
そう告げるかのように無言のままチャーリーを見つめていると、感情の赴くままに口を開こうとしたチャーリーだったがセツナの意思が変わらないのだと悟ると悔しげに顔を歪ませた。
「アンタって・・・時々凄く馬鹿だよね」
「うん。知ってる」
プイッと背を向けたチャーリーは荒々しい足取りで進んでいく。
クレーン部分に到着した2人は頼りない道を見て少しだけ足を竦ませてしまう。けれど意を決したかのような顔をしてチャーリーが一歩足を前に踏み出す。
しっかりとしてはいるのだが、先端に向かって足場が頼りなくなっている為、1人ずつ順番に進むことしか出来ない。
「私が先に行く。無理だと思ったら引き返してよ?」
「解った」
鞄を背負い直したチャーリーは手すりを掴みながらゆっくりとした足取りで進んでいく。
その数歩後ろをセツナが続く。
これは一度でも下を見てしまえば絶対に動くことができなくなることは間違い無いとセツナは感じ取ると、チャーリーの背中に視線を向けると絶対に逸らすことはしない。
クレーンの半ばまで来た時、プロペラの音が聞こえてきたため何事だと思いながら辺りを見渡すと、こちらへと接近してくるヘリコプターの姿があった。
「軍のヘリ?おじさんが援軍として送ってくれたのかな?」
「だとしたら一機だけなのは可笑しいよ」
不安げな声でチャーリーが呟いた声に対し、セツナはそれはないだろうと思いながら返答をした。
強大な敵に対してヘリを一機だけしか送らないなんて愚行を軍が行うとは到底ありえないことだ。ならば残る可能性はヘリを操縦している者の独断でしかない。
そうなった場合、恐らくその人物は誰かに対して配慮などする可能性は低い、そう判断したセツナは最悪の事態を想定するとチャーリーに対して向かって叫んだ。
「チャーリーッ!!手すりを掴んでその場に座って!!!」
セツナが警告を出したのと同時にタワーへと接近したヘリは突然機関銃で発砲を開始した。
その衝撃によって2人が居たクレーン車が大きく揺れてしまう。
その場に尻餅をついたセツナは辛うじて落ちるようなことにはならなかったが、バランスを崩してしまったチャーリーの身体がクレーンから滑り落ちた。
両手で必死に手すりを掴んでいるチャーリーの姿に気づいたセツナは這いずりながらチャーリーへと近づくと、彼女のズボンのベルトを掴み思い切り引き上げる。
「ッ・・・死ぬかと思った!!」
胸元を押さえつけながらチャーリーはか細い声でそう告げると、上空を旋回しているヘリへと恨めしそうな視線を向けた。
自分達がここに居る事を解った上で攻撃を行ったのか、それとも解らなくて行ったのかは不明だが、どちらにしても随分と無茶な運転だと言うかのようにヘリを見つめていたチャーリーに対し、セツナは労うかのようにポンポンと肩を叩く。
「今ならタワーに向かっても気づかれないかもしれない」
タワーで作業を行っていたシャッターは突然現れたヘリを迎撃することに専念しているらしく、きっと自分達には気づかない可能性が高い。
移動するのならば今がチャンスだ、そう思いながらセツナが告げるとチャーリーはコクリと頷くと再び移動を開始した。
クレーンの先端まで来たチャーリーはタワーとクレーンの距離を確認していたが、何かを納得するかのようにコクリと首を立てに動かすと振り返る。
「飛べば届くと思う」
「・・・無理だよ。別な道を」
「今から探しても間に合わない」
そう告げたチャーリーはその場で屈伸をして軽く身体をほぐすと、勢いよく床を蹴ると宙を舞った。
キッとつり上げられた眦から彼女が本気で怒っているのだとセツナは理解する。いつもならば謝罪の言葉をすぐに口にしたのだろうが、今回ばかりはセツナも引くことは絶対に出来ない。
そう告げるかのように無言のままチャーリーを見つめていると、感情の赴くままに口を開こうとしたチャーリーだったがセツナの意思が変わらないのだと悟ると悔しげに顔を歪ませた。
「アンタって・・・時々凄く馬鹿だよね」
「うん。知ってる」
プイッと背を向けたチャーリーは荒々しい足取りで進んでいく。
クレーン部分に到着した2人は頼りない道を見て少しだけ足を竦ませてしまう。けれど意を決したかのような顔をしてチャーリーが一歩足を前に踏み出す。
しっかりとしてはいるのだが、先端に向かって足場が頼りなくなっている為、1人ずつ順番に進むことしか出来ない。
「私が先に行く。無理だと思ったら引き返してよ?」
「解った」
鞄を背負い直したチャーリーは手すりを掴みながらゆっくりとした足取りで進んでいく。
その数歩後ろをセツナが続く。
これは一度でも下を見てしまえば絶対に動くことができなくなることは間違い無いとセツナは感じ取ると、チャーリーの背中に視線を向けると絶対に逸らすことはしない。
クレーンの半ばまで来た時、プロペラの音が聞こえてきたため何事だと思いながら辺りを見渡すと、こちらへと接近してくるヘリコプターの姿があった。
「軍のヘリ?おじさんが援軍として送ってくれたのかな?」
「だとしたら一機だけなのは可笑しいよ」
不安げな声でチャーリーが呟いた声に対し、セツナはそれはないだろうと思いながら返答をした。
強大な敵に対してヘリを一機だけしか送らないなんて愚行を軍が行うとは到底ありえないことだ。ならば残る可能性はヘリを操縦している者の独断でしかない。
そうなった場合、恐らくその人物は誰かに対して配慮などする可能性は低い、そう判断したセツナは最悪の事態を想定するとチャーリーに対して向かって叫んだ。
「チャーリーッ!!手すりを掴んでその場に座って!!!」
セツナが警告を出したのと同時にタワーへと接近したヘリは突然機関銃で発砲を開始した。
その衝撃によって2人が居たクレーン車が大きく揺れてしまう。
その場に尻餅をついたセツナは辛うじて落ちるようなことにはならなかったが、バランスを崩してしまったチャーリーの身体がクレーンから滑り落ちた。
両手で必死に手すりを掴んでいるチャーリーの姿に気づいたセツナは這いずりながらチャーリーへと近づくと、彼女のズボンのベルトを掴み思い切り引き上げる。
「ッ・・・死ぬかと思った!!」
胸元を押さえつけながらチャーリーはか細い声でそう告げると、上空を旋回しているヘリへと恨めしそうな視線を向けた。
自分達がここに居る事を解った上で攻撃を行ったのか、それとも解らなくて行ったのかは不明だが、どちらにしても随分と無茶な運転だと言うかのようにヘリを見つめていたチャーリーに対し、セツナは労うかのようにポンポンと肩を叩く。
「今ならタワーに向かっても気づかれないかもしれない」
タワーで作業を行っていたシャッターは突然現れたヘリを迎撃することに専念しているらしく、きっと自分達には気づかない可能性が高い。
移動するのならば今がチャンスだ、そう思いながらセツナが告げるとチャーリーはコクリと頷くと再び移動を開始した。
クレーンの先端まで来たチャーリーはタワーとクレーンの距離を確認していたが、何かを納得するかのようにコクリと首を立てに動かすと振り返る。
「飛べば届くと思う」
「・・・無理だよ。別な道を」
「今から探しても間に合わない」
そう告げたチャーリーはその場で屈伸をして軽く身体をほぐすと、勢いよく床を蹴ると宙を舞った。