1話:手に入れたのは不思議な車でした
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
すでに見慣れた廃品屋にチャーリーと共にセツナは入る。
中には所狭しと車やら、何かの部品やらが置かれており、それらに囲まれるかのような形でこの店の主はデスクの前に座っていた。
「こんにちは」
「あぁ。また来たのか?お嬢ちゃん達は飽きないな」
この場所に不釣り合いな若い女の子達を一瞥することせずこの店の主、ハンクは手の中にあるテレビのアンテナをいじり回しながら告げる。
なんだかんだ言っていてもハンクが自分達を追い出さないこと、自分達のすることを黙認してくれていることにセツナは感謝していた。
ここに来る前に何店か店を回ったのだが、どの店も話をする前に全て門前払いをされたのだ。ようやく辿り着いたこの店はチャーリーにとって救いだ。
「・・・そのテレビ中々直りませんね」
「電波の受信が悪いだけさ。今日もいつものようにパーツ集めをするのか?本当に飽きないな。諦めちまえば良いものを」
「それはちょっと難しいですね」
コルベットを直す事。
それはチャーリーと今は亡き父との繋がりなのだから。
例えその道がどれほど困難だろうともチャーリーは決して諦めないだろうとな、と思いながらセツナは幼なじみの後ろ姿を見つめる。
車の修理をしていた男に対してレンチを渡したチャーリーはこれ以上この場に居ることは意味を成さないと言うかのようにセツナを連れて外へと向かう。
外にあるのは壊れて使い物にならない廃ボートだ。
ソレ使えそうなパーツをチャーリーはここから安く購入し、そしてコルベッドの代用パーツとして使っている。
「相変わらずだね」
見るも無惨なボート達を見つめながらセツナは呟く。
持っていた鞄を地面に降ろしたチャーリーは必要な道具をいくつか手に取ると、慣れた様子でボートに上ると状態を確認していく。
「少しは片付けたら?って言いたいところだけど、下手なことを言って雑用を押しつけられるのは嫌だからね」
「ソレってトイレ掃除の件の事?止めてよ、最近やっと記憶が薄れてきたのにさぁ」
若干青ざめた顔をして口元を抑えたセツナの姿を見たチャーリーは声を上げて笑った後、彼女のお眼鏡にかなっただろうパーツを見つけそれの採取を行い始める。
カチャカチャという金属の音が廃ボート置き場に響く中、 セツナは損傷がそれほど酷くはないボートを探していたときだ。
「あんなのあったかな?」
人目を避けるかのようにひっそりと置かれている何かにセツナは気づく。
恐る恐るソレに近づき、かけられていたシートを勢いよく剥がせば微かな土埃が宙を舞う。
ゲホゲホと咳をしながら顔の前を手で払っていたセツナはそこにあったモノを見て目を大きく開く。
「・・・チャーリーッ!!こっちに来て!!!」
セツナの尋常ではない声にチャーリーは何事だと言うかのように目を見張りながらやってきた。
セツナが無言のまま目の前にあるモノを、黄色の車を指させばチャーリーの目が歓喜のあまり見開かれる。
二人はしばしの間、無言のまま車を見つめていたが最初に動いたのはチャーリーだ。
車の周りをゆっくりと一瞬した後、チャーリーは運転席のドアを開く。
中は埃まみれであった事に顔をしかめつつも、チャーリーは運転席へと座るとハンドルを手に取った。
「セツナ。このマーク知ってる?」
ハンドルに刻まれている会社のロゴを指さしながらチャーリーは問いかけてきた為、セツナは助手席のドアを開けて中に入るとロゴを見て顔をしかめた。
「見たことないなぁ」
「だよね」
互いに顔を見合わせたまま小首を傾げていた時、ハンドルのすぐ近くでユラユラと動く鍵の存在に気づいたセツナは無言のままその鍵を指で示した。
中には所狭しと車やら、何かの部品やらが置かれており、それらに囲まれるかのような形でこの店の主はデスクの前に座っていた。
「こんにちは」
「あぁ。また来たのか?お嬢ちゃん達は飽きないな」
この場所に不釣り合いな若い女の子達を一瞥することせずこの店の主、ハンクは手の中にあるテレビのアンテナをいじり回しながら告げる。
なんだかんだ言っていてもハンクが自分達を追い出さないこと、自分達のすることを黙認してくれていることにセツナは感謝していた。
ここに来る前に何店か店を回ったのだが、どの店も話をする前に全て門前払いをされたのだ。ようやく辿り着いたこの店はチャーリーにとって救いだ。
「・・・そのテレビ中々直りませんね」
「電波の受信が悪いだけさ。今日もいつものようにパーツ集めをするのか?本当に飽きないな。諦めちまえば良いものを」
「それはちょっと難しいですね」
コルベットを直す事。
それはチャーリーと今は亡き父との繋がりなのだから。
例えその道がどれほど困難だろうともチャーリーは決して諦めないだろうとな、と思いながらセツナは幼なじみの後ろ姿を見つめる。
車の修理をしていた男に対してレンチを渡したチャーリーはこれ以上この場に居ることは意味を成さないと言うかのようにセツナを連れて外へと向かう。
外にあるのは壊れて使い物にならない廃ボートだ。
ソレ使えそうなパーツをチャーリーはここから安く購入し、そしてコルベッドの代用パーツとして使っている。
「相変わらずだね」
見るも無惨なボート達を見つめながらセツナは呟く。
持っていた鞄を地面に降ろしたチャーリーは必要な道具をいくつか手に取ると、慣れた様子でボートに上ると状態を確認していく。
「少しは片付けたら?って言いたいところだけど、下手なことを言って雑用を押しつけられるのは嫌だからね」
「ソレってトイレ掃除の件の事?止めてよ、最近やっと記憶が薄れてきたのにさぁ」
若干青ざめた顔をして口元を抑えたセツナの姿を見たチャーリーは声を上げて笑った後、彼女のお眼鏡にかなっただろうパーツを見つけそれの採取を行い始める。
カチャカチャという金属の音が廃ボート置き場に響く中、 セツナは損傷がそれほど酷くはないボートを探していたときだ。
「あんなのあったかな?」
人目を避けるかのようにひっそりと置かれている何かにセツナは気づく。
恐る恐るソレに近づき、かけられていたシートを勢いよく剥がせば微かな土埃が宙を舞う。
ゲホゲホと咳をしながら顔の前を手で払っていたセツナはそこにあったモノを見て目を大きく開く。
「・・・チャーリーッ!!こっちに来て!!!」
セツナの尋常ではない声にチャーリーは何事だと言うかのように目を見張りながらやってきた。
セツナが無言のまま目の前にあるモノを、黄色の車を指させばチャーリーの目が歓喜のあまり見開かれる。
二人はしばしの間、無言のまま車を見つめていたが最初に動いたのはチャーリーだ。
車の周りをゆっくりと一瞬した後、チャーリーは運転席のドアを開く。
中は埃まみれであった事に顔をしかめつつも、チャーリーは運転席へと座るとハンドルを手に取った。
「セツナ。このマーク知ってる?」
ハンドルに刻まれている会社のロゴを指さしながらチャーリーは問いかけてきた為、セツナは助手席のドアを開けて中に入るとロゴを見て顔をしかめた。
「見たことないなぁ」
「だよね」
互いに顔を見合わせたまま小首を傾げていた時、ハンドルのすぐ近くでユラユラと動く鍵の存在に気づいたセツナは無言のままその鍵を指で示した。