5話:キミの為にできる事
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少しばかり肌寒さを感じていた夜風だったが、絶え間なく起こっている爆発によって熱さを持ってセツナの元まで流れてきていた。
時折、火の粉が混じっているのかチリチリと肌が焼けるような感覚を感じ取りながらもコンテナの影からセツナは動けずにいた。縋るように隣に居るチャーリーの手を握りしめれば、共にこの時を乗り越えようと言うかのようにチャーリーは手を握り返してきてくれる。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らないが爆音に混じって自分の名前が聞こえたような気がしたセツナは、怪訝な顔をしながら耳を澄ましたときだ。
「セツナッ!!」
今度ははっきりと聞こえた。
恐る恐るコンテナから顔を覗かせたセツナの目が捉えたのは、炎の中で必死に娘を探している父の姿だった。
「・・・父さん?」
熱風で白衣を揺らめかせながら父はセツナを探し続けている。
自分は無事だと父に伝えるためコンテナから出ようとしたときだ。
父の声を聞いたらしいバンブルビーが銃口を父へと向けたのを見た瞬間、セツナは弾かれるかのようにコンテナの影から飛び出すと全速力でバンブルビーの元へと向かって走り出す。
「ビーッ!!待って!お願いだから止めて!!!」
バンブルビーに対して人間が、父が行った選択は良い物ではない。故にきっとバンブルビーは父に対してきっと良い感情は抱いていないことくらい解っている。
いつものバンブルビーならばきっと父に対して怯えただけだったろうが、今のバンブルビーはいつもの彼ではない。
セツナの知っているお調子者で、可愛いイタズラ蜂ではないのだ。
走ってくるセツナの姿に気づいた父は無事に再会できたこと、そして怪我を負っては居ない事に安堵の笑みを浮かべるのとは対照的に、セツナは切羽詰まった顔をしながら必死に腕を振って逃げるように訴える。
「父さん!!逃げてッ・・・」
風に乗ってセツナの声が聞こえたらしい父は何故そんな事を?と言うかのように瞬きをしたときだ。
頭上から聞こえてきた機械音に気づくとその方向へと視線を向けた。
そこに居たバンブルビーの姿と、そして自分に向けられた銃口に気づくと驚きのあまり動くことが出来なかった。
セツナはバンブルビーと父の間に身を滑り込ませると、止めろと言うかのように両手を広げてバンブルビーに訴える。
「ビー。落ち着いて。大丈夫だから」
広げていた両手をゆっくりと自分の顔の位置まで上げたセツナは抵抗する意思は無いのだ、害する意思は無いのだと言うかのように伝えるとバンブルビーはセツナを見つめたまま微動だにしない。
「そうよ、ビー・・・もう良いでしょう?」
いつの間にか隣に来ていたチャーリーの声にセツナは目線だけ彼女へと向ければ、チャーリーは大丈夫だと言うかのようにコクリと頷く。
チャーリーの腕も顔の横に上げられており、バンブルビーに対して自分達は危害を加えないと伝えていた。
今のこの状況は初めてバンブルビーと出会った時と同じだった。
もっとも、あの時のバンブルビーは初対面のチャーリーとセツナに対して怯えていたが、今のバンブルビーからは怯えなど一切感じられない。
むしろ邪魔するのならば2人ともまとめて排除すると言うかのような雰囲気すら感じられた。
「お願いだから、もう止めて・・・アンタが怒るのも仕方ないことだって解ってる。だけど、それが誰かを傷つけて良い理由にはならないんだから」
言い終わるのと同時にチャーリーは右手をバンブルビーに向かって差し伸べる。
その手をジッと見つめていたバンブルビーだったが、バトルマスクを外すと鋭い目をしてチャーリーを凝視した。
いつものクリクリとした目ではなく鋭く細められた好戦的なその目は、どこかシャッターとドロップキックをセツナに連想させ思わず息を詰めてしまう。
「ビー」
チャーリーが優しく名前を呼ぶと、その声に応えるかのようにバンブルビーの目から赤い光が消える。
代わりに見慣れた青い光へと変わると、その目もまたクリクリとした可愛らしい見慣れたものへと戻っていった。
時折、火の粉が混じっているのかチリチリと肌が焼けるような感覚を感じ取りながらもコンテナの影からセツナは動けずにいた。縋るように隣に居るチャーリーの手を握りしめれば、共にこの時を乗り越えようと言うかのようにチャーリーは手を握り返してきてくれる。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らないが爆音に混じって自分の名前が聞こえたような気がしたセツナは、怪訝な顔をしながら耳を澄ましたときだ。
「セツナッ!!」
今度ははっきりと聞こえた。
恐る恐るコンテナから顔を覗かせたセツナの目が捉えたのは、炎の中で必死に娘を探している父の姿だった。
「・・・父さん?」
熱風で白衣を揺らめかせながら父はセツナを探し続けている。
自分は無事だと父に伝えるためコンテナから出ようとしたときだ。
父の声を聞いたらしいバンブルビーが銃口を父へと向けたのを見た瞬間、セツナは弾かれるかのようにコンテナの影から飛び出すと全速力でバンブルビーの元へと向かって走り出す。
「ビーッ!!待って!お願いだから止めて!!!」
バンブルビーに対して人間が、父が行った選択は良い物ではない。故にきっとバンブルビーは父に対してきっと良い感情は抱いていないことくらい解っている。
いつものバンブルビーならばきっと父に対して怯えただけだったろうが、今のバンブルビーはいつもの彼ではない。
セツナの知っているお調子者で、可愛いイタズラ蜂ではないのだ。
走ってくるセツナの姿に気づいた父は無事に再会できたこと、そして怪我を負っては居ない事に安堵の笑みを浮かべるのとは対照的に、セツナは切羽詰まった顔をしながら必死に腕を振って逃げるように訴える。
「父さん!!逃げてッ・・・」
風に乗ってセツナの声が聞こえたらしい父は何故そんな事を?と言うかのように瞬きをしたときだ。
頭上から聞こえてきた機械音に気づくとその方向へと視線を向けた。
そこに居たバンブルビーの姿と、そして自分に向けられた銃口に気づくと驚きのあまり動くことが出来なかった。
セツナはバンブルビーと父の間に身を滑り込ませると、止めろと言うかのように両手を広げてバンブルビーに訴える。
「ビー。落ち着いて。大丈夫だから」
広げていた両手をゆっくりと自分の顔の位置まで上げたセツナは抵抗する意思は無いのだ、害する意思は無いのだと言うかのように伝えるとバンブルビーはセツナを見つめたまま微動だにしない。
「そうよ、ビー・・・もう良いでしょう?」
いつの間にか隣に来ていたチャーリーの声にセツナは目線だけ彼女へと向ければ、チャーリーは大丈夫だと言うかのようにコクリと頷く。
チャーリーの腕も顔の横に上げられており、バンブルビーに対して自分達は危害を加えないと伝えていた。
今のこの状況は初めてバンブルビーと出会った時と同じだった。
もっとも、あの時のバンブルビーは初対面のチャーリーとセツナに対して怯えていたが、今のバンブルビーからは怯えなど一切感じられない。
むしろ邪魔するのならば2人ともまとめて排除すると言うかのような雰囲気すら感じられた。
「お願いだから、もう止めて・・・アンタが怒るのも仕方ないことだって解ってる。だけど、それが誰かを傷つけて良い理由にはならないんだから」
言い終わるのと同時にチャーリーは右手をバンブルビーに向かって差し伸べる。
その手をジッと見つめていたバンブルビーだったが、バトルマスクを外すと鋭い目をしてチャーリーを凝視した。
いつものクリクリとした目ではなく鋭く細められた好戦的なその目は、どこかシャッターとドロップキックをセツナに連想させ思わず息を詰めてしまう。
「ビー」
チャーリーが優しく名前を呼ぶと、その声に応えるかのようにバンブルビーの目から赤い光が消える。
代わりに見慣れた青い光へと変わると、その目もまたクリクリとした可愛らしい見慣れたものへと戻っていった。