5話:キミの為にできる事
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銃口の奥にエネルギーが集まり始めたらしく少しずつ光が強くなっていくことに気づいたセツナは、バンブルビーを助ける為には引き金を引かなければならないことくらい解っているのだが、引き金を引くことを最後まで迷う。
人ではないが誰かに対して銃を向けることは初めてだった。
『どうしたセツナ?急がないとB-127を助けられないぞ?』
電気銃の威力を解っているらしいシャッターはその程度の攻撃でドロップキックを傷つけることは出来ないと解っていた。
けれどこの脆弱な人間が見せた愚かな行為はシャッターにとって好ましい行動であった。
無意味なものだと解っていながらも、踏みにじられると解っていながらも、必死になって友を助けようとするセツナの姿は滑稽でいて、それでいてとても愛おしいと思えたのだ。
『私と違ってドロップキックの気は短いからな』
『うるせぇよ。俺の気が長かろうと、短かろうと、やることは一つだろうが』
『ふふふ。そうだったな・・・あぁそうだ。B-127がここで死ぬ事は決定事項だ』
『だろう?・・・そういうわけだ。諦めな』
言い終わるのと同時にドロップキックがバンブルビーの息の根を止めるために攻撃しようとする。
集まった光が放たれようとした瞬間、バンブルビーの青い目がセツナへと向けられた。自らの命がここで潰えることを解っており、最期に見る者は敵ではなく、セツナを見ていたいと訴えるかのように青い目は逸らされることはない。
天井から吊されている蛍光灯の明かりを受けた青い目がキラキラと輝く。
その輝きが、命の光がまだ目の前にあるのだ、そう理解したセツナの目から涙が溢れ出す。
これが別れなのだと嫌でも伝わってくる。
避けられぬ出来事なのだと、何もかもがここで途切れてしまうのだと、受け入れたくはない現実が少しずつ音も無く這い寄ってきていることにセツナは気づくと唇を動かした。
「やだ・・・やだよ、ビー」
こんな別れは嫌だ。と訴えるかのようにセツナは告げるがバンブルビーは動くことは、否、動いて逃げることが出来ないままセツナに対して悲しそうに青い目を歪めた。
溢れ出る涙を拭うことをしないままセツナは止めろと言うかのように首を振るが、バンブルビーがドロップキックの攻撃から逃れる素振りは見せない。
どうか抗う事を諦めないでくれ。最期の最期までどうか抗ってくれ。そう願いながらセツナは必死に訴え続ける。
頬を伝う涙がやけに熱く感じられ、顎を伝い落ちた涙が持っていた電子銃へと落ちた瞬間、セツナは銃を握り直すと銃口をドロップキックへと定めたのと同時に引き金を思い切り引いた。
『ッ!?』
突然、全身に走った微かな痺れにドロップキックは驚きバンブルビーへと定めていた銃口を逸らしてしまう。
放たれ銃弾はバンブルビーから数メートル離れた床の上に命中するのと同時に、分厚いコンクリートを一瞬で粉砕した。
「ビー!」
持っていた銃を投げ捨てたセツナはバンブルビーへと駆け寄ろうとしたが、その行く手を塞ぐかのように金属の手が邪魔をした。
『調子に乗るなよ!!』
敵兵を殺すという楽しみを邪魔されたことにより手加減を出来なかったらしいドロップキックによってセツナの身体は吹き飛ばされ、壁に勢いよく衝突するとそのまま崩れ落ちる。
痛みで霞む視界の中でなけなしの力を振り絞りながらバンブルビーへと視線を向けてみると、悲鳴のような機械音を上げながらバンブルビーが腕を伸ばしてきている姿が見えた。
大丈夫、そう言うかのように微笑みながらセツナも手を伸ばしたがその手は突然、糸が切れたかのようにパタリと床の上に落ちたきり動かなくなった。
人ではないが誰かに対して銃を向けることは初めてだった。
『どうしたセツナ?急がないとB-127を助けられないぞ?』
電気銃の威力を解っているらしいシャッターはその程度の攻撃でドロップキックを傷つけることは出来ないと解っていた。
けれどこの脆弱な人間が見せた愚かな行為はシャッターにとって好ましい行動であった。
無意味なものだと解っていながらも、踏みにじられると解っていながらも、必死になって友を助けようとするセツナの姿は滑稽でいて、それでいてとても愛おしいと思えたのだ。
『私と違ってドロップキックの気は短いからな』
『うるせぇよ。俺の気が長かろうと、短かろうと、やることは一つだろうが』
『ふふふ。そうだったな・・・あぁそうだ。B-127がここで死ぬ事は決定事項だ』
『だろう?・・・そういうわけだ。諦めな』
言い終わるのと同時にドロップキックがバンブルビーの息の根を止めるために攻撃しようとする。
集まった光が放たれようとした瞬間、バンブルビーの青い目がセツナへと向けられた。自らの命がここで潰えることを解っており、最期に見る者は敵ではなく、セツナを見ていたいと訴えるかのように青い目は逸らされることはない。
天井から吊されている蛍光灯の明かりを受けた青い目がキラキラと輝く。
その輝きが、命の光がまだ目の前にあるのだ、そう理解したセツナの目から涙が溢れ出す。
これが別れなのだと嫌でも伝わってくる。
避けられぬ出来事なのだと、何もかもがここで途切れてしまうのだと、受け入れたくはない現実が少しずつ音も無く這い寄ってきていることにセツナは気づくと唇を動かした。
「やだ・・・やだよ、ビー」
こんな別れは嫌だ。と訴えるかのようにセツナは告げるがバンブルビーは動くことは、否、動いて逃げることが出来ないままセツナに対して悲しそうに青い目を歪めた。
溢れ出る涙を拭うことをしないままセツナは止めろと言うかのように首を振るが、バンブルビーがドロップキックの攻撃から逃れる素振りは見せない。
どうか抗う事を諦めないでくれ。最期の最期までどうか抗ってくれ。そう願いながらセツナは必死に訴え続ける。
頬を伝う涙がやけに熱く感じられ、顎を伝い落ちた涙が持っていた電子銃へと落ちた瞬間、セツナは銃を握り直すと銃口をドロップキックへと定めたのと同時に引き金を思い切り引いた。
『ッ!?』
突然、全身に走った微かな痺れにドロップキックは驚きバンブルビーへと定めていた銃口を逸らしてしまう。
放たれ銃弾はバンブルビーから数メートル離れた床の上に命中するのと同時に、分厚いコンクリートを一瞬で粉砕した。
「ビー!」
持っていた銃を投げ捨てたセツナはバンブルビーへと駆け寄ろうとしたが、その行く手を塞ぐかのように金属の手が邪魔をした。
『調子に乗るなよ!!』
敵兵を殺すという楽しみを邪魔されたことにより手加減を出来なかったらしいドロップキックによってセツナの身体は吹き飛ばされ、壁に勢いよく衝突するとそのまま崩れ落ちる。
痛みで霞む視界の中でなけなしの力を振り絞りながらバンブルビーへと視線を向けてみると、悲鳴のような機械音を上げながらバンブルビーが腕を伸ばしてきている姿が見えた。
大丈夫、そう言うかのように微笑みながらセツナも手を伸ばしたがその手は突然、糸が切れたかのようにパタリと床の上に落ちたきり動かなくなった。