4話:支配者
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この格納庫に居る誰もがセツナへと向けられており、セツナが何を言うのか耳を傾けている。
「私は・・・・私は何も知らない」
これだけは嘘ではない。
そう言うかのようにセツナはシャッターへと告げた瞬間、シャッターは何かを考えるかのように赤い目でセツナを見つめているだけだった。
格納庫の中に満ちた沈黙にセツナは耐えきれず、ゆるく首を振りながら必死に今の言葉は嘘ではないのだと告げる。
『ドロップキック』
『なんだ?』
『B-127への尋問再開を許可する』
その言葉の意味をセツナは最初理解することが出来なかった。
呆けたような顔をシャッターへと向けていたとき、金属が削られるような音が静かな格納庫の中に突然響き渡る。
何事かと思い視線を向けた先にはドロップキックに攻撃をされているバンブルビーの姿があった。
「やめて・・・」
殴られ、蹴られる度に小さな火花が飛び散り、小さなパーツが身体の中から出てきては地面に落下していく。
執拗に加えられる暴力に対し、バンブルビーは悲鳴のような機械音を鳴らす。
「シャッターッ!!願いだから止めさせてッ!!!」
ドロップキックに対して尋問再開許可をシャッターが下した、ということから恐らくあの残酷な事を止められるのはシャッターしか居ないと判断したセツナは、必死に命令を撤回するように懇願をするが、シャッターはその声など聞こえないと言うかのような態度を貫く。
シャッターの赤い目が目の前で行われている暴力行為に対して愉しそうに目を細めて嗤っているだけで止める素振りは一切見せない。
「知らないの、私は本当に何も知らないの!!今度の事は嘘じゃない!!!」
その場に膝を着いたセツナは気づけば涙を流していた。
頬を伝い落ちていく涙がコンクリートの上に音も無く落ちていくが、それを拭うことをしないままセツナは尚もシャッターに対してバンブルビーへの暴力行為を止めて欲しいと告げるがシャッターは返答一つしない。
「このままじゃビーが死んじゃう」
セツナは自分で言ったことだが、今の発言がとても恐ろしい事だと思ってしまう。
バンブルビーを失えばきっとチャーリーはまた以前のようにふさぎ込んでしまう。希望も、生きる意味も、見失ってしまうのだ。
なによりセツナ自身もバンブルビーを失いたくなかった。
脳裏に浮かぶのはバンブルビーと出会ってからの日々の事ばかりで、これから先もずっと一緒に居られると思い、チャーリーと共に未来の事に関して色々と話した時の事が思い出される。
満ち足りていた未来が全て消えてしまうことだけは絶対に避けなければならない。
「お願いします」
その言葉を告げるのと同時にセツナはシャッターに対して頭を下げた時だ。
『ドロップキック。止めろ』
ずっと聞きたかった制止の声にセツナは頭を下げたまま目を大きく見開く。
先程まで聞こえていた金属の擦れる音や破壊音が止っていることにホッとしたかのように肩の力を抜いたときだ。
コンクリートしか映っていなかった視界に金属の指が差し込まれる。
その指が半ば強引とも言える力加減でセツナの顔を無理矢理上げさせ、視界が急激に変わったことにセツナは驚くが逆らう事はしない。
『セツナ。私は君のお願いを聞いた。・・・ならば次は君が私のお願いを聞いてくれるな?』
眼前にある赤い目も、顎に添えられている金属の指も、何もかもが自分を支配するものであることをセツナは感じ取っていた。
「私は・・・・私は何も知らない」
これだけは嘘ではない。
そう言うかのようにセツナはシャッターへと告げた瞬間、シャッターは何かを考えるかのように赤い目でセツナを見つめているだけだった。
格納庫の中に満ちた沈黙にセツナは耐えきれず、ゆるく首を振りながら必死に今の言葉は嘘ではないのだと告げる。
『ドロップキック』
『なんだ?』
『B-127への尋問再開を許可する』
その言葉の意味をセツナは最初理解することが出来なかった。
呆けたような顔をシャッターへと向けていたとき、金属が削られるような音が静かな格納庫の中に突然響き渡る。
何事かと思い視線を向けた先にはドロップキックに攻撃をされているバンブルビーの姿があった。
「やめて・・・」
殴られ、蹴られる度に小さな火花が飛び散り、小さなパーツが身体の中から出てきては地面に落下していく。
執拗に加えられる暴力に対し、バンブルビーは悲鳴のような機械音を鳴らす。
「シャッターッ!!願いだから止めさせてッ!!!」
ドロップキックに対して尋問再開許可をシャッターが下した、ということから恐らくあの残酷な事を止められるのはシャッターしか居ないと判断したセツナは、必死に命令を撤回するように懇願をするが、シャッターはその声など聞こえないと言うかのような態度を貫く。
シャッターの赤い目が目の前で行われている暴力行為に対して愉しそうに目を細めて嗤っているだけで止める素振りは一切見せない。
「知らないの、私は本当に何も知らないの!!今度の事は嘘じゃない!!!」
その場に膝を着いたセツナは気づけば涙を流していた。
頬を伝い落ちていく涙がコンクリートの上に音も無く落ちていくが、それを拭うことをしないままセツナは尚もシャッターに対してバンブルビーへの暴力行為を止めて欲しいと告げるがシャッターは返答一つしない。
「このままじゃビーが死んじゃう」
セツナは自分で言ったことだが、今の発言がとても恐ろしい事だと思ってしまう。
バンブルビーを失えばきっとチャーリーはまた以前のようにふさぎ込んでしまう。希望も、生きる意味も、見失ってしまうのだ。
なによりセツナ自身もバンブルビーを失いたくなかった。
脳裏に浮かぶのはバンブルビーと出会ってからの日々の事ばかりで、これから先もずっと一緒に居られると思い、チャーリーと共に未来の事に関して色々と話した時の事が思い出される。
満ち足りていた未来が全て消えてしまうことだけは絶対に避けなければならない。
「お願いします」
その言葉を告げるのと同時にセツナはシャッターに対して頭を下げた時だ。
『ドロップキック。止めろ』
ずっと聞きたかった制止の声にセツナは頭を下げたまま目を大きく見開く。
先程まで聞こえていた金属の擦れる音や破壊音が止っていることにホッとしたかのように肩の力を抜いたときだ。
コンクリートしか映っていなかった視界に金属の指が差し込まれる。
その指が半ば強引とも言える力加減でセツナの顔を無理矢理上げさせ、視界が急激に変わったことにセツナは驚くが逆らう事はしない。
『セツナ。私は君のお願いを聞いた。・・・ならば次は君が私のお願いを聞いてくれるな?』
眼前にある赤い目も、顎に添えられている金属の指も、何もかもが自分を支配するものであることをセツナは感じ取っていた。