4話:支配者

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自分の仲間以外はどうなったとしても興味がない、そう言うかのような笑みを浮かべるシャッターの口調を思い出したセツナの胸の内に嫌な感情が浮かぶ。
 電話で何度か会話を行ったとき、セツナがシャッターに抱いた印象というのはどこまでも彼女の本質は軍人で、そしてシャッターの中には軍人としての矜持があった。
 それ故にバンブルビーに対する取り調べが穏やかなものではない事くらい簡単に想像出来た。
 バンブルビーはきっと酷い扱いをされている、そう思ったセツナは座っていた椅子から立ち上がる。

 「パウエルおじさんが私の所に来たのは理由はなんですか?」

ここに来てからずっと何かを悔いているかのようなパウエルの雰囲気にセツナは気づいていたが、あえて気づかぬふりをし続けていた。
 それはきっと聞いてしまえば自分の身に良くないことが起こると解っていたからだ。

 「・・・彼等が君からも話を聞きたいそうだ」

人間の子どもからも話を聞きたい、それが良くはない展開である事くらいパウエルは解っていたが、それを断れる立場ではない事も認識していた。
 ましてや指名された人物がセツナであること、それがパウエルにとって何よりも心苦しい事だ。

 「父は知らないんですね?」

セツナがシャッターに呼ばれたことを。
 そうセツナが問いかければパウエルはゆっくりと頷いた。

 「あぁ。君の父である##NAME2##博士には伏せてある。言えばヤツは絶対に反対してくるからな・・・・どれだけ優秀な博士とはいえども、子どもの前では1人の親というわけだ」

セツナの父である##NAME2##博士に対してパウエルは悪態を吐きながらも、その顔に浮かぶのは人の親としての心を見失わなかった##NAME2##博士への尊敬と、少しばかりに憎しみがあった。

 「アイツとは長い間同じ研究所に勤めた仲間だが、いつしか私はアイツの事を友人の1人と思っていた。だからこそ彼奴の娘である君を彼等に差し出すことに対して良心が咎めている。なれど・・・」

自らの立場がそれを許してはくれないのだ、そう呟いたパウエルが片手を上げると部屋の外で様子を伺っていたらしい軍人達が室内に入ってくる。
 彼等は無言のままセツナの元へとやって来ると、両腕を乱暴に掴み抵抗できないようにする。

 「パウエルおじさんッ!考え直すことはできないのですか!?」

バンブルビーの事もセツナの事も。
 今ならばまだ引き返せる場所に立っているはずだ、そう必死に訴えるセツナに対してパウエルは静かに首を振ってその意見を退けた。

 「できないな。下手に彼等を刺激することは今の時点では望ましくはない。彼等が持つ科学力は今の我々には得ることの出来ないモノだ。それを得る為には今は彼に従うべきで、いずれ我々が彼等を支配する存在になれる」

 「事が全て終われば私達は全員、シャッター達に殺されるだけですッ!!」

 「そうはならないさ。彼等がB-127への尋問を終え次第、彼の身柄は我々政府の元へと引き渡される。B-127だけではない。彼等とて我々の発展のためにその身を捧げて貰うつもりだよ」

それは事実上、バンブルビーやシャッター達が人間達の実験台として良いように扱われてしまうことを意味していた。
 凄まじい怒りの感情が腹の奥底から沸々とわき上がってくるのを感じ取りながらもセツナは、それをなけなしの理性で抑え込みながらパウエルへと問いかける。

 「ビーを実験台にするの?」

 「科学の発展には犠牲はつきものだ。それは君とて解っているだろう?あぁ、彼等との話には私も同席する予定だ。セツナ、君には危険が及ばないように最大限の配慮はするから安心してくれ」

話は終りだ、そう言うかのようにパウエルが手を数度振ると軍人達はセツナを引きずるようにして移動を開始した。
 必死にそれに抗うセツナだったが、軍人2人がかりで行われた移動に対して一般人でしかないセツナに出来る抵抗など彼等に対しては何の意味も無いことでしかなかった。
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