1話:手に入れたのは不思議な車でした
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家族連れが楽しげに笑いながら目の前を通り過ぎていくのをセツナはレモネードを飲みながら見送るとそっと視線を右へと動かせば、そこには見覚えのある顔ぶれがいくつかあった事にうんざりとした顔をする。
「なぁーんでここを選ぶかなぁ。車があるんだからドライブにでも行けば良いじゃないの。まぁ、何をしに来たのかなんて明白かな」
彼等の中で一際目立っている少女、ティナがいた事にセツナはこれは一波乱ありそうだと密かに思う。
ティナは18歳が着るのには少々派手な服と、どういうセンスでしたのか解らない化粧をしており、側にいる友達とヒソヒソと言葉を交わすと意味深な眼差しでチャーリーの方を見てクスクスと嘲笑を浮かべていた。
顔を合わせれば一方的に突っかかってくるティナの事をチャーリーが嫌っていることは周知のことだ。
セツナ自身もティナのことを好ましくは思っていない。
「(相変わらず性格悪いなぁ)」
嫌いならば接点を持たなければ良いではないか、それなのにわざわざ嫌味を言ってくるティナの考えがセツナにはわからず、込み上げてきた不快感を消すかのようにガシガシとストローを囓っていた時だ。
セツナの耳にわざとらしい咳が一つ届けられた。
ティナへと向けていた視線を右に動かせば、そこには既に見慣れた青年の姿があり、目が合うと彼は片手をあげて挨拶をしてくれる。
「こんにちは、メモ」
「あぁ。セツナも元気そうだな。あ、コレ良かったら食べないか?」
「・・・気持ちだけ受け取っておく」
「そうか?今日はアメリカンドック食べてないんだな」
「まぁ、色々あってね」
にっこりと笑みを浮かべながらセツナは告げる。
セツナも年頃である為、まさか同い年の男の子相手に最近太ってきたからダイエットをするなんて事は言えそうもない。
メモは恒例となったチャーリーの事へと話題を変えており、メモの言葉に相鎚を打ったり、アプローチ方法をセツナが教えていたときだ。
何かが落ちる音が当たりに響く。
何事かと思ったセツナが音のした方を見ると、Tシャツを濡らしている一人の青年が立っており、彼の前には血の気を引かせたチャーリーが呆然とした顔をして立ち尽くしていた。
「メモ、悪いんだけどタオルを数枚と貴方の着替えを持ってきてくれる?」
「はぁ?!何で俺が?・・・あれティナ達のグループだろ?俺、アイツ等と極力関わり合いを持ちたくないんだよ」
「それに関しては私としてもすっごく同意だわ。だけどね、これは貴方の男としての株を上げる大チャンスだよ。ここで颯爽と助けに入ればチャーリーが貴方の事を見直して、もしかしたら、もしかしたぁーらッ!!一緒にお出かけくらいはしてくれるかもしれない」
「・・・・解った!!待ってろ!!!」
バイト先のチュロス店へと走っていったメモの後ろ姿を見送ったセツナはちょろいな、と思いつつもメモの純朴な気持ちを利用したことに少しばかり罪悪感を抱いたが、今はメモのことよりもチャーリーだと判断すると彼女の元に向かう。
「凄い音がしたけど二人とも大丈夫?・・・今、タオルを持ってくるように頼んだから少し待っててくれる?」
とんでもない失態をしてしまった事により言葉を失って立ち尽くしているチャーリーに向かい、安心させるかのように一つ微笑んだセツナはTシャツを着ている青年へと視線を向ける。
「トリップ、怪我はなかった?」
「あれ?君、俺の事知ってるの?」
「えぇ。まぁ一応ね。Tシャツは洗って返すよ」
「いいよ、必要ない」
人の目を気にすることなくシャツを脱ぎ捨てた青年に対し、周りから歓声が上がる。
自分の肉体美に自信があるらしく隠すことすらしないその姿にセツナは何とも言えない気持ちになりながらも、それを欠片も顔には出さない。
「なぁーんでここを選ぶかなぁ。車があるんだからドライブにでも行けば良いじゃないの。まぁ、何をしに来たのかなんて明白かな」
彼等の中で一際目立っている少女、ティナがいた事にセツナはこれは一波乱ありそうだと密かに思う。
ティナは18歳が着るのには少々派手な服と、どういうセンスでしたのか解らない化粧をしており、側にいる友達とヒソヒソと言葉を交わすと意味深な眼差しでチャーリーの方を見てクスクスと嘲笑を浮かべていた。
顔を合わせれば一方的に突っかかってくるティナの事をチャーリーが嫌っていることは周知のことだ。
セツナ自身もティナのことを好ましくは思っていない。
「(相変わらず性格悪いなぁ)」
嫌いならば接点を持たなければ良いではないか、それなのにわざわざ嫌味を言ってくるティナの考えがセツナにはわからず、込み上げてきた不快感を消すかのようにガシガシとストローを囓っていた時だ。
セツナの耳にわざとらしい咳が一つ届けられた。
ティナへと向けていた視線を右に動かせば、そこには既に見慣れた青年の姿があり、目が合うと彼は片手をあげて挨拶をしてくれる。
「こんにちは、メモ」
「あぁ。セツナも元気そうだな。あ、コレ良かったら食べないか?」
「・・・気持ちだけ受け取っておく」
「そうか?今日はアメリカンドック食べてないんだな」
「まぁ、色々あってね」
にっこりと笑みを浮かべながらセツナは告げる。
セツナも年頃である為、まさか同い年の男の子相手に最近太ってきたからダイエットをするなんて事は言えそうもない。
メモは恒例となったチャーリーの事へと話題を変えており、メモの言葉に相鎚を打ったり、アプローチ方法をセツナが教えていたときだ。
何かが落ちる音が当たりに響く。
何事かと思ったセツナが音のした方を見ると、Tシャツを濡らしている一人の青年が立っており、彼の前には血の気を引かせたチャーリーが呆然とした顔をして立ち尽くしていた。
「メモ、悪いんだけどタオルを数枚と貴方の着替えを持ってきてくれる?」
「はぁ?!何で俺が?・・・あれティナ達のグループだろ?俺、アイツ等と極力関わり合いを持ちたくないんだよ」
「それに関しては私としてもすっごく同意だわ。だけどね、これは貴方の男としての株を上げる大チャンスだよ。ここで颯爽と助けに入ればチャーリーが貴方の事を見直して、もしかしたら、もしかしたぁーらッ!!一緒にお出かけくらいはしてくれるかもしれない」
「・・・・解った!!待ってろ!!!」
バイト先のチュロス店へと走っていったメモの後ろ姿を見送ったセツナはちょろいな、と思いつつもメモの純朴な気持ちを利用したことに少しばかり罪悪感を抱いたが、今はメモのことよりもチャーリーだと判断すると彼女の元に向かう。
「凄い音がしたけど二人とも大丈夫?・・・今、タオルを持ってくるように頼んだから少し待っててくれる?」
とんでもない失態をしてしまった事により言葉を失って立ち尽くしているチャーリーに向かい、安心させるかのように一つ微笑んだセツナはTシャツを着ている青年へと視線を向ける。
「トリップ、怪我はなかった?」
「あれ?君、俺の事知ってるの?」
「えぇ。まぁ一応ね。Tシャツは洗って返すよ」
「いいよ、必要ない」
人の目を気にすることなくシャツを脱ぎ捨てた青年に対し、周りから歓声が上がる。
自分の肉体美に自信があるらしく隠すことすらしないその姿にセツナは何とも言えない気持ちになりながらも、それを欠片も顔には出さない。