3話:復讐は蜜の味、脅しは恐怖の味
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今まで行われていた会話の中には、明らかに電話越しの相手が人間という種族に対して軽視があったのだが今はその感情は欠片も存在しては居ない。
それは人間という存在が愚か者の集まりばかりではないと評価したからなのか、またはセツナという一個人を評価した事によって認識を改めたのかは解らない。
けれど流れが変わったことを感じ取ったセツナはいつもと変わらぬ声で問う。
「貴方は私のことを知っているようですね。ですが私は貴方の事を知りません。なのでお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
『あぁ。これは失礼した。私はシャッター。ディセプティコンの平和維持軍に所属している者だ』
「平和維持軍、ですか?」
『そうだ。我々は犯罪者であるB-127を追ってこの来たのだ。B-127はとても危険な犯罪者で、放っておけば地球人に危害を加えかねない』
「・・・B-127とはそんなにも恐ろしい犯罪者なのですか?」
『だからこそお嬢さんが知っている情報を教えて欲しい』
「何度問われたとしても私の答えは同じです。私は何も知りません」
正義はこちらにあると言うかのようなシャッターの言葉を聞いたセツナが最初に抱いたのは胡散臭いという感情だ。
それはバンブルビーという存在を知ったからこそ言えることで、バンブルビーと出会わずに最初にシャッターと出会ったのならば彼女の言葉に耳を傾けてしまう程、何もかも筋道が通っていた。
「(そう。通り過ぎている)」
シャッターはバンブルビーがどのような恐ろしい事をしたのか何も言わない。
ただ、犯罪者とだけしか言わなかったのだ。
まるでそれは一方の立ち位置から見た感情でしか無い。
バンブルビーを悪役にし、自分達は正義の味方なのだ、と言うかのようなシャッターの言葉には明らかに彼女達にとって都合の良すぎる展開だ。
シャッターは人間に対して友好的で柔和な口調で話しているが、至る所に隠されている感情にはどこかこちらを見下しているかのようなニュアンスがあった。
言葉の裏に、影に隠されているモノにどれだけの人が気づけているのだろうか?とセツナは考えていたときだ。
『セツナ』
シャッターがセツナの名前を口にしたが、それは今までとは違った声音だ。
まるで我儘を言って大人を困らせる幼子を諭すかのようなもので、ひどく優しいその声は今までの会話がなければ心地の良いものですらある。
『この短い間で私は君の事を高く評価している。だからこそ言おう・・・お願いだからこれ以上私を困らせないで欲しい。私は君を泣かせるような事はしたくはないのだよ』
シャッターの言葉は彼女の気持ちとは反対の意味を持っていることをセツナは感じ取っていた。
受話器を持つ手が震える。
恐怖故に呼吸が乱れはじめた事にセツナは気づくと、何とかしてこの動揺を止めなければと相手のペースの飲まれてしまうと思い、必死に冷静になろうとするが一度荒れてしまった心は中々戻ってはくれない。
『先程も話したように私は軍属している。君が素直に従ってくれないのならば、少しばかり手荒な対応をしなければならなくなってしまう』
この電話の相手は目的のためならば人を傷つけることを苦とも思わぬ相手なのだ、と。むしろ喜んでそれを行う相手なのだと悟った瞬間、セツナはヒュッと短く息を吸い込む。
『セツナ、君が私が言ったことをその事を良く理解した上で再度問おうではないか。・・・B-127はどこにいる?』
問いかけてきたシャッターの声には一切の感情がなかった。
この問いが最終通告なのだと理解したセツナは、見えない何かに喉を締め付けられているかのような息苦しさにを感じ取りながらゆっくりと唇を動かした。
「私は」
恐怖に震えた声は掠れて上擦っていてとても情けないことこの上ないが、セツナは最後までシャッターに屈する事だけはしなかった。
「私はB-127など知りません」
セツナの返答に対してシャッターは何も言わない。
それは人間という存在が愚か者の集まりばかりではないと評価したからなのか、またはセツナという一個人を評価した事によって認識を改めたのかは解らない。
けれど流れが変わったことを感じ取ったセツナはいつもと変わらぬ声で問う。
「貴方は私のことを知っているようですね。ですが私は貴方の事を知りません。なのでお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
『あぁ。これは失礼した。私はシャッター。ディセプティコンの平和維持軍に所属している者だ』
「平和維持軍、ですか?」
『そうだ。我々は犯罪者であるB-127を追ってこの来たのだ。B-127はとても危険な犯罪者で、放っておけば地球人に危害を加えかねない』
「・・・B-127とはそんなにも恐ろしい犯罪者なのですか?」
『だからこそお嬢さんが知っている情報を教えて欲しい』
「何度問われたとしても私の答えは同じです。私は何も知りません」
正義はこちらにあると言うかのようなシャッターの言葉を聞いたセツナが最初に抱いたのは胡散臭いという感情だ。
それはバンブルビーという存在を知ったからこそ言えることで、バンブルビーと出会わずに最初にシャッターと出会ったのならば彼女の言葉に耳を傾けてしまう程、何もかも筋道が通っていた。
「(そう。通り過ぎている)」
シャッターはバンブルビーがどのような恐ろしい事をしたのか何も言わない。
ただ、犯罪者とだけしか言わなかったのだ。
まるでそれは一方の立ち位置から見た感情でしか無い。
バンブルビーを悪役にし、自分達は正義の味方なのだ、と言うかのようなシャッターの言葉には明らかに彼女達にとって都合の良すぎる展開だ。
シャッターは人間に対して友好的で柔和な口調で話しているが、至る所に隠されている感情にはどこかこちらを見下しているかのようなニュアンスがあった。
言葉の裏に、影に隠されているモノにどれだけの人が気づけているのだろうか?とセツナは考えていたときだ。
『セツナ』
シャッターがセツナの名前を口にしたが、それは今までとは違った声音だ。
まるで我儘を言って大人を困らせる幼子を諭すかのようなもので、ひどく優しいその声は今までの会話がなければ心地の良いものですらある。
『この短い間で私は君の事を高く評価している。だからこそ言おう・・・お願いだからこれ以上私を困らせないで欲しい。私は君を泣かせるような事はしたくはないのだよ』
シャッターの言葉は彼女の気持ちとは反対の意味を持っていることをセツナは感じ取っていた。
受話器を持つ手が震える。
恐怖故に呼吸が乱れはじめた事にセツナは気づくと、何とかしてこの動揺を止めなければと相手のペースの飲まれてしまうと思い、必死に冷静になろうとするが一度荒れてしまった心は中々戻ってはくれない。
『先程も話したように私は軍属している。君が素直に従ってくれないのならば、少しばかり手荒な対応をしなければならなくなってしまう』
この電話の相手は目的のためならば人を傷つけることを苦とも思わぬ相手なのだ、と。むしろ喜んでそれを行う相手なのだと悟った瞬間、セツナはヒュッと短く息を吸い込む。
『セツナ、君が私が言ったことをその事を良く理解した上で再度問おうではないか。・・・B-127はどこにいる?』
問いかけてきたシャッターの声には一切の感情がなかった。
この問いが最終通告なのだと理解したセツナは、見えない何かに喉を締め付けられているかのような息苦しさにを感じ取りながらゆっくりと唇を動かした。
「私は」
恐怖に震えた声は掠れて上擦っていてとても情けないことこの上ないが、セツナは最後までシャッターに屈する事だけはしなかった。
「私はB-127など知りません」
セツナの返答に対してシャッターは何も言わない。