3話:復讐は蜜の味、脅しは恐怖の味
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ラジオを使って人間と会話をしようとたバンブルビーの規格外な能力。
記憶を失っているバンブルビーでも人間の理解を超えるような力を有していたのだから、記憶もあって自らの能力を存分に活かせる者が電話に乱入してきても可笑しくはない事なのだが、まさか本当に接触してくるとは思っていなかったセツナは返す言葉が見つからずに黙り込む。
『親子水入らずの会話に突然入り込むような無粋な真似をしてしまい、大変心苦しく思っている。だがどうしてもお嬢さんに聞かねばならないことがあってね。こうして会話の最中に乱入させてもらったのだが、許して欲しい』
「・・・・私に聞きたいこととはなんでしょうか?」
震える声ではあったが返事が出来た事にセツナは突然の事態に対し、緊張はあるものの冷静に対処できたのだから御の字だと密かに思う。
電話の相手はそんなセツナの虚勢を見破っているらしく楽しげに笑っていた。
『B-127を知っているな?』
ある種の確信を得ているかのような口調で問われた言葉にセツナは何も知らぬ、存ぜぬと言うかのような口調で聞き返す。
「えぇっとB-127ですか?・・・・それはどういう意味でしょうか?」
『お嬢さん。犯罪者を匿う行為はこの星でも犯罪行為だと私は自覚している。自ら犯罪者に落ちるようなことはしたくないだろう?それはご両親がとても悲しまれる事だ・・・・罪人になりたくは無いのならばこそ、お嬢さんが知っている事を我々に教えては頂けないだろうか?』
我々、という言葉を聞いたセツナは少なくとも相手が複数いることを悟る。
会話をしている相手がバンブルビーの仲間ならばそれは心強いことなのだろうが、もしも敵だとしたらたった独りで彼等と戦わなければならないバンブルビーは苦戦を強いられてしまう。
なけなしの理性が相手の話術は、ハッタリかもしれない、相手の策に素直に乗るなと訴えており、その言葉に今は素直に従う。
「そういわれましても知らないものを応えるわけには」
心の底から何も解らないと言うかのような口調でセツナが告げれば、受話器越しの相手は低く笑う。
言われた事に対して素直に従わぬセツナの態度に対する苛立ちからではなく、むしろ取り繕った言葉でこの場を誤魔化そうとしているセツナの対応に対して心の底から楽しいと言うかのような笑い声にセツナは足下から見えぬ何かに自分が絡め取られていく感覚を感じ取っていた。
本当ならば今すぐ泣き叫びながら知っている事を口にして、この恐ろしい会話を終わらせたいのが本心だ。
けれどそれをセツナが選ばないのは、大切な幼なじみのチャーリーと、何も解らない可愛いイタズラ蜂が犠牲になると解っているからだ。彼等を犠牲にして自分の身を守るなんて言う愚かな行為を選択することなどで気はしない。
『地球人とは愚か者の集まりだと思っていたのだが、どうやら少しばかり認識を改める必要がありそうだ』
セツナの疎い嘘などお見通しだと言われた気がした。
その言葉を聞いた瞬間、セツナは言葉に出来ぬ恐怖を感じ取る。
許されるのならば今すぐにでも受話器を電話に叩付けて通話を終わらせたいのだが、そんな事をしてもきっと意味を成さないのだと自らに言い聞かせたセツナはゴクリと生唾を飲み込む。
「貴方がどのような存在なのかは私は知りません。ですが、私達には想像すら出来ないことを容易に行えるのですから、きっと貴方は凄い存在なのでしょうね」
バンブルビーのように与えられたモノを自らにとって都合の良いように扱える存在。
今の地球の技術を集めたとしても決して追いつけない先に居る存在。
「だからこそ私は貴方に偽りを申し上げるわけには参りません」
それこそが技術力を持たぬ者からの最大限の敬意なのだ。
そう告げた直後、受話器越しの相手は少しの間何も言わなかったが急に堪えきれないと言うかのように声を上げて笑い出す。
『あぁお嬢さん・・・いいや、セツナ!貴方は私が考えていたよりも遥かに矜持の高い者だったようだ。一介の兵士と同じくらいのもの、いいや!戦う術を持たぬお嬢さんが持つにはその矜持は称賛に値することだ!!』
名乗っても居ないのに相手が自分の名前を知っていたことにセツナはやはり、受話器の向こうにいる相手は自分達のことをある程度把握して話しかけてきたのだと悟ると、絶対にチャーリーとバンブルビーの事は守り抜いてみせると竦みそうになる心を叱咤した。
記憶を失っているバンブルビーでも人間の理解を超えるような力を有していたのだから、記憶もあって自らの能力を存分に活かせる者が電話に乱入してきても可笑しくはない事なのだが、まさか本当に接触してくるとは思っていなかったセツナは返す言葉が見つからずに黙り込む。
『親子水入らずの会話に突然入り込むような無粋な真似をしてしまい、大変心苦しく思っている。だがどうしてもお嬢さんに聞かねばならないことがあってね。こうして会話の最中に乱入させてもらったのだが、許して欲しい』
「・・・・私に聞きたいこととはなんでしょうか?」
震える声ではあったが返事が出来た事にセツナは突然の事態に対し、緊張はあるものの冷静に対処できたのだから御の字だと密かに思う。
電話の相手はそんなセツナの虚勢を見破っているらしく楽しげに笑っていた。
『B-127を知っているな?』
ある種の確信を得ているかのような口調で問われた言葉にセツナは何も知らぬ、存ぜぬと言うかのような口調で聞き返す。
「えぇっとB-127ですか?・・・・それはどういう意味でしょうか?」
『お嬢さん。犯罪者を匿う行為はこの星でも犯罪行為だと私は自覚している。自ら犯罪者に落ちるようなことはしたくないだろう?それはご両親がとても悲しまれる事だ・・・・罪人になりたくは無いのならばこそ、お嬢さんが知っている事を我々に教えては頂けないだろうか?』
我々、という言葉を聞いたセツナは少なくとも相手が複数いることを悟る。
会話をしている相手がバンブルビーの仲間ならばそれは心強いことなのだろうが、もしも敵だとしたらたった独りで彼等と戦わなければならないバンブルビーは苦戦を強いられてしまう。
なけなしの理性が相手の話術は、ハッタリかもしれない、相手の策に素直に乗るなと訴えており、その言葉に今は素直に従う。
「そういわれましても知らないものを応えるわけには」
心の底から何も解らないと言うかのような口調でセツナが告げれば、受話器越しの相手は低く笑う。
言われた事に対して素直に従わぬセツナの態度に対する苛立ちからではなく、むしろ取り繕った言葉でこの場を誤魔化そうとしているセツナの対応に対して心の底から楽しいと言うかのような笑い声にセツナは足下から見えぬ何かに自分が絡め取られていく感覚を感じ取っていた。
本当ならば今すぐ泣き叫びながら知っている事を口にして、この恐ろしい会話を終わらせたいのが本心だ。
けれどそれをセツナが選ばないのは、大切な幼なじみのチャーリーと、何も解らない可愛いイタズラ蜂が犠牲になると解っているからだ。彼等を犠牲にして自分の身を守るなんて言う愚かな行為を選択することなどで気はしない。
『地球人とは愚か者の集まりだと思っていたのだが、どうやら少しばかり認識を改める必要がありそうだ』
セツナの疎い嘘などお見通しだと言われた気がした。
その言葉を聞いた瞬間、セツナは言葉に出来ぬ恐怖を感じ取る。
許されるのならば今すぐにでも受話器を電話に叩付けて通話を終わらせたいのだが、そんな事をしてもきっと意味を成さないのだと自らに言い聞かせたセツナはゴクリと生唾を飲み込む。
「貴方がどのような存在なのかは私は知りません。ですが、私達には想像すら出来ないことを容易に行えるのですから、きっと貴方は凄い存在なのでしょうね」
バンブルビーのように与えられたモノを自らにとって都合の良いように扱える存在。
今の地球の技術を集めたとしても決して追いつけない先に居る存在。
「だからこそ私は貴方に偽りを申し上げるわけには参りません」
それこそが技術力を持たぬ者からの最大限の敬意なのだ。
そう告げた直後、受話器越しの相手は少しの間何も言わなかったが急に堪えきれないと言うかのように声を上げて笑い出す。
『あぁお嬢さん・・・いいや、セツナ!貴方は私が考えていたよりも遥かに矜持の高い者だったようだ。一介の兵士と同じくらいのもの、いいや!戦う術を持たぬお嬢さんが持つにはその矜持は称賛に値することだ!!』
名乗っても居ないのに相手が自分の名前を知っていたことにセツナはやはり、受話器の向こうにいる相手は自分達のことをある程度把握して話しかけてきたのだと悟ると、絶対にチャーリーとバンブルビーの事は守り抜いてみせると竦みそうになる心を叱咤した。