1話:手に入れたのは不思議な車でした
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身動き一つすることも出来ぬ程の焦燥感がセツナを支配する。
下手に動けば目の前のロボットに自分達は一瞬で殺されてしまうかもしれない、という考えがあるが故にその場に立ち尽くすことしか出来ない。
隣にいるチャーリーも同じ事を考えているらしく動くことをしないまま固まっていた。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らないが互いの顔を凝視したままの膠着状態を崩す切っ掛けを作ったのはチャーリーだ。
「セツナ」
消えそうな程の小さな声で名前を呼ばれたセツナが視線だけ動かしてチャーリーを見る。
「私がセツナの手を握ったら逃げるよ」
「わかった」
微かな声で交わした会話を聞いたらしいロボットは耳のような部分をピコピコと動かす。
クリクリとした青い目が「何を話しているの?」と言うかのようにゆっくりと瞬きをした後、不思議そうに小首を微かに傾げたのを見たセツナは驚いたように目を見張ると少しだけ警戒心を解く。
「ねぇチャーリー。私、この子とちょっと話してみる。この子は悪い子じゃないと思う」
「はぁっ?!何言ってるのよ!!!」
突然言われた発言にチャーリーは馬鹿な事を言うなと言うかのように声を荒げたときだ。
大声に驚いたらしいロボットはビクッと身体を震わせたかと思えば、ガレージの隅の方へと後ずさる。
物をなぎ倒しながら移動するロボットの姿を見たチャーリーは、今がチャンスだと言うかのようにセツナの手を掴むと家の中へと続くドアへと向かって走り出す。
ドアノブを握りドアを開こうとしたとき、後ろを確認するために顔を向けるとそこには天井から吊している凧に絡まっているロボットの姿があった。
「・・・・えぇぇ?」
アレだけ派手な登場をした正体不明のロボットが、まさか凧に絡まっているなんていう事実に対して受け入れがたい、と言うかのように落胆した声を出してしまったチャーリーに向かい、セツナは何とも言えない顔をしながら頷くと口を開く。
「ね?なんかこう、ドジッ子?みたいな感じがしてさ」
「まぁそうよね。うん。そうだね」
先程まであった緊迫した空気も、命の危機を感じさせる雰囲気も、何もかもが一瞬で消え去っている。
肝心のロボットは部屋の隅で膝を抱えて怯えており、第三者がこの状況を見たら完全にチャーリーとセツナがこの幼気なロボットを虐めている図にしか見えない。
どうしようか?どうする?と言うかのようにチャーリーとセツナが顔を見合わせていると、ドア越しにこちらに近づいてくる足音が聞こえてきたことに2人は顔を引きつらせる。
「ママだッ!!!」
焦った顔をしたチャーリーがドアを押さえようとするよりもはやく、ドアは勢いよく開かれた。
「夜遅くに何を騒いでいるの?ご近所迷惑になるでしょ?」
呆れたような声でそう言ってきたのはチャーリーの母のサリーだ。
彼女は娘の顔を見た後、隣にいるセツナに気づくと嬉しそうに破顔した。
「まぁセツナ!久しぶりじゃない!!」
「・・・えぇ。本当ですね」
愛想笑いを浮かべながらセツナはサリーに挨拶しつつも、内心はあのロボットを見たサリーが何を言うのかドキドキしていた。
「ちょっと、チャーリー・・・アレは何?」
2人の背後にある者を見て怪訝そうに顔をしかめたサリーの言葉に対し、どうやってあのロボットのことを伝えようかと2人が必死に考えていた時だ。
「なんであんなボロ車が家のガレージにあるわけ?」
「「え?」」
サリーの言葉に驚いた2人が振り返った先には見慣れた黄色の車が静かに鎮座していた。
下手に動けば目の前のロボットに自分達は一瞬で殺されてしまうかもしれない、という考えがあるが故にその場に立ち尽くすことしか出来ない。
隣にいるチャーリーも同じ事を考えているらしく動くことをしないまま固まっていた。
どれくらいの間、そうしていたのかは解らないが互いの顔を凝視したままの膠着状態を崩す切っ掛けを作ったのはチャーリーだ。
「セツナ」
消えそうな程の小さな声で名前を呼ばれたセツナが視線だけ動かしてチャーリーを見る。
「私がセツナの手を握ったら逃げるよ」
「わかった」
微かな声で交わした会話を聞いたらしいロボットは耳のような部分をピコピコと動かす。
クリクリとした青い目が「何を話しているの?」と言うかのようにゆっくりと瞬きをした後、不思議そうに小首を微かに傾げたのを見たセツナは驚いたように目を見張ると少しだけ警戒心を解く。
「ねぇチャーリー。私、この子とちょっと話してみる。この子は悪い子じゃないと思う」
「はぁっ?!何言ってるのよ!!!」
突然言われた発言にチャーリーは馬鹿な事を言うなと言うかのように声を荒げたときだ。
大声に驚いたらしいロボットはビクッと身体を震わせたかと思えば、ガレージの隅の方へと後ずさる。
物をなぎ倒しながら移動するロボットの姿を見たチャーリーは、今がチャンスだと言うかのようにセツナの手を掴むと家の中へと続くドアへと向かって走り出す。
ドアノブを握りドアを開こうとしたとき、後ろを確認するために顔を向けるとそこには天井から吊している凧に絡まっているロボットの姿があった。
「・・・・えぇぇ?」
アレだけ派手な登場をした正体不明のロボットが、まさか凧に絡まっているなんていう事実に対して受け入れがたい、と言うかのように落胆した声を出してしまったチャーリーに向かい、セツナは何とも言えない顔をしながら頷くと口を開く。
「ね?なんかこう、ドジッ子?みたいな感じがしてさ」
「まぁそうよね。うん。そうだね」
先程まであった緊迫した空気も、命の危機を感じさせる雰囲気も、何もかもが一瞬で消え去っている。
肝心のロボットは部屋の隅で膝を抱えて怯えており、第三者がこの状況を見たら完全にチャーリーとセツナがこの幼気なロボットを虐めている図にしか見えない。
どうしようか?どうする?と言うかのようにチャーリーとセツナが顔を見合わせていると、ドア越しにこちらに近づいてくる足音が聞こえてきたことに2人は顔を引きつらせる。
「ママだッ!!!」
焦った顔をしたチャーリーがドアを押さえようとするよりもはやく、ドアは勢いよく開かれた。
「夜遅くに何を騒いでいるの?ご近所迷惑になるでしょ?」
呆れたような声でそう言ってきたのはチャーリーの母のサリーだ。
彼女は娘の顔を見た後、隣にいるセツナに気づくと嬉しそうに破顔した。
「まぁセツナ!久しぶりじゃない!!」
「・・・えぇ。本当ですね」
愛想笑いを浮かべながらセツナはサリーに挨拶しつつも、内心はあのロボットを見たサリーが何を言うのかドキドキしていた。
「ちょっと、チャーリー・・・アレは何?」
2人の背後にある者を見て怪訝そうに顔をしかめたサリーの言葉に対し、どうやってあのロボットのことを伝えようかと2人が必死に考えていた時だ。
「なんであんなボロ車が家のガレージにあるわけ?」
「「え?」」
サリーの言葉に驚いた2人が振り返った先には見慣れた黄色の車が静かに鎮座していた。