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この基地の指揮官、ウィリアム・レノックス大佐は現れたセツナを見て酷く驚いた顔をしていた。
ここに来る政府役人の大半はデスクワークを専門にしているためか、もしくは接待で美味しいものを食べているためか大変肥えた人達が多かった。
けれど軍用機のタラップをゆっくりと踏みながら現れたセツナは一言で言えば貧弱な体つきをしていた。
軍事施設で生活するのには不釣り合いなほどの華奢な骨格と、繊細そうなその身体にレノックスはここにはいないメアリングへと心の中で抗議する。
NEST部隊の者達もセツナの顔を見て不安そうに同僚と顔を見合わせている中、いち早く我を取り戻したレノックスが部下達に対して強い声で告げる。
「全員!敬礼!!」
上官の言葉にすぐさま軍人達は姿勢を正して敬礼をした。
一糸乱れぬその動きにセツナは顔には出さないが感嘆の声を上げる。パチパチと拍手をしたい気持ちを抑えながら、セツナは事前に受け取っていた資料に書かれていたレノックスの特徴と、目の前にいる人物を密かに確認し、間違えてはいないと判断すると微笑みかけながら声を掛ける。
「貴方がレノックス大佐でよろしいのかしら?」
「はい!自分がレノックスであります。この基地の指揮官として部下を統括し、彼等を援護するよう命令を受けております!!」
「そうですか。貴方のような素敵な方が指揮官で安心しております。・・・恥ずかしながら私は軍事関係に関しては素人ですので、レノックス大佐には色々とご迷惑を掛けてしまうと思いますけれど、よろしくお願いしますね?」
言い終わるのと同時に深々と頭を下げたセツナに対してレノックスはどう反応すべきか迷っていた。
今まで着た政府役人達は誰もが傲慢で、時に傲慢で、そして傲慢だった。
新たに着任した役人もきっとそうなのだろうなぁと密かに思っており、胃薬の処方が増えていたのはエップス以外誰も知らないことだ。
けれどセツナは今までの役人達とは違い、あり得ない程に腰が低くて、そしてそれでいてこちらに対する配慮の気持ちがあったことがレノックスには意外すぎた。
モーシャワー将軍から極秘に教えて貰ったのだが、新たな政府役人はあのシャーロット・メアリング長官が重宝する腹心で、彼女が信頼している部下らしいとのことだった。
きっと色々とやりづらい相手だろうなぁ、気苦労が絶えないのだろうなぁと思っていたのだが、ヘリから現れた人物はメアリング長官の腹心と言うには似ても似つかぬ存在だった。
「レノックス大佐」
「はい」
「早速だけれど彼等に会わせて頂けるかしら?」
子どものように目をキラキラとさせながらそう告げてきたセツナの発言にレノックスはさてさて、どうしたものかと必死に考える。
新たな役人が来るから大人しくしていろ、とレノックスが告げたのにも関わらずこの基地の問題児達は我関せずというかのように暴れ、そして基地の一部を破壊してしまったのだ。
あの場をこの役人に見られるのは少しばかり、否、かなりまずいなとレノックスは判断していた。
この嫋やかそうな役人様があの光景を見て過去の役人達のように怒りのあまり豹変するのか、はたまた驚きのあまり失神してしまうかもしれないというのがレノックスの見解だ。
「(ましてや軍事に関して素人となればなぁ・・・最初からストレートを放つ必要はないだろう)」
今までのように傲慢な役人ならばレノックスも微笑みながら現場に案内したのだろうが、新たな役人は一言で言えば”良い人”だ。
その為レノックスの良心が痛み、あまり手荒な歓迎はしてはいけないような気がした。
それは決してセツナがメアリング長官の腹心だからというわけでもなく、昨夜遅くにメアリング長官から「彼女を傷つけないように。まぁ私としてはその方が嬉しいのだけれどね」という意味深なメッセージを受け取ったからではない。
「・・・レノックス大佐のご様子から判断するに、イタズラ蜂さんが暴れちゃったのかしら?」
「え?」
「ここにはビーと呼ばれる黄色の可愛いマルハナバチがいるでしょう?」
かつての記憶、決して色褪せることのない記憶、それを思い出しながらセツナが告げればレノックスは信じられないと言うかのように目を見開いた。
ここに来る政府役人の大半はデスクワークを専門にしているためか、もしくは接待で美味しいものを食べているためか大変肥えた人達が多かった。
けれど軍用機のタラップをゆっくりと踏みながら現れたセツナは一言で言えば貧弱な体つきをしていた。
軍事施設で生活するのには不釣り合いなほどの華奢な骨格と、繊細そうなその身体にレノックスはここにはいないメアリングへと心の中で抗議する。
NEST部隊の者達もセツナの顔を見て不安そうに同僚と顔を見合わせている中、いち早く我を取り戻したレノックスが部下達に対して強い声で告げる。
「全員!敬礼!!」
上官の言葉にすぐさま軍人達は姿勢を正して敬礼をした。
一糸乱れぬその動きにセツナは顔には出さないが感嘆の声を上げる。パチパチと拍手をしたい気持ちを抑えながら、セツナは事前に受け取っていた資料に書かれていたレノックスの特徴と、目の前にいる人物を密かに確認し、間違えてはいないと判断すると微笑みかけながら声を掛ける。
「貴方がレノックス大佐でよろしいのかしら?」
「はい!自分がレノックスであります。この基地の指揮官として部下を統括し、彼等を援護するよう命令を受けております!!」
「そうですか。貴方のような素敵な方が指揮官で安心しております。・・・恥ずかしながら私は軍事関係に関しては素人ですので、レノックス大佐には色々とご迷惑を掛けてしまうと思いますけれど、よろしくお願いしますね?」
言い終わるのと同時に深々と頭を下げたセツナに対してレノックスはどう反応すべきか迷っていた。
今まで着た政府役人達は誰もが傲慢で、時に傲慢で、そして傲慢だった。
新たに着任した役人もきっとそうなのだろうなぁと密かに思っており、胃薬の処方が増えていたのはエップス以外誰も知らないことだ。
けれどセツナは今までの役人達とは違い、あり得ない程に腰が低くて、そしてそれでいてこちらに対する配慮の気持ちがあったことがレノックスには意外すぎた。
モーシャワー将軍から極秘に教えて貰ったのだが、新たな政府役人はあのシャーロット・メアリング長官が重宝する腹心で、彼女が信頼している部下らしいとのことだった。
きっと色々とやりづらい相手だろうなぁ、気苦労が絶えないのだろうなぁと思っていたのだが、ヘリから現れた人物はメアリング長官の腹心と言うには似ても似つかぬ存在だった。
「レノックス大佐」
「はい」
「早速だけれど彼等に会わせて頂けるかしら?」
子どものように目をキラキラとさせながらそう告げてきたセツナの発言にレノックスはさてさて、どうしたものかと必死に考える。
新たな役人が来るから大人しくしていろ、とレノックスが告げたのにも関わらずこの基地の問題児達は我関せずというかのように暴れ、そして基地の一部を破壊してしまったのだ。
あの場をこの役人に見られるのは少しばかり、否、かなりまずいなとレノックスは判断していた。
この嫋やかそうな役人様があの光景を見て過去の役人達のように怒りのあまり豹変するのか、はたまた驚きのあまり失神してしまうかもしれないというのがレノックスの見解だ。
「(ましてや軍事に関して素人となればなぁ・・・最初からストレートを放つ必要はないだろう)」
今までのように傲慢な役人ならばレノックスも微笑みながら現場に案内したのだろうが、新たな役人は一言で言えば”良い人”だ。
その為レノックスの良心が痛み、あまり手荒な歓迎はしてはいけないような気がした。
それは決してセツナがメアリング長官の腹心だからというわけでもなく、昨夜遅くにメアリング長官から「彼女を傷つけないように。まぁ私としてはその方が嬉しいのだけれどね」という意味深なメッセージを受け取ったからではない。
「・・・レノックス大佐のご様子から判断するに、イタズラ蜂さんが暴れちゃったのかしら?」
「え?」
「ここにはビーと呼ばれる黄色の可愛いマルハナバチがいるでしょう?」
かつての記憶、決して色褪せることのない記憶、それを思い出しながらセツナが告げればレノックスは信じられないと言うかのように目を見開いた。