18章:たすけて
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何故この人が来たのだ、よりによって一番会いたくはない人が来たのだと思いながらキュッと膝を抱える。
無言のまま何も言わずに黙り込む若葉の姿は誰かと話すことを拒絶していたが、それを解った上でその人は淡々とした声音で話しかけた。
「何があったのかは聞いている。・・・ラチェットが怒りながら心配していたぞ」
アイツも器用な事だ。
そう告げたメガトロンの声音はいつも何一つ変わらない。
まるでこうなることすら解っていたと言うかのような余裕のある態度に若葉はチリチリとした何かが自分の心を焼いていく事に気づくとゆっくりと口を動かした。
「私のした事なんて解っているのに責めないんですね」
喧嘩を売っているかのような口調で言われたことに対し、メガトロンは気にもとめない。
まるで幼子の癇癪だ、と言うかのような寛容な雰囲気に若葉は奥歯を思い切り噛みしめるのと同時に凄まじい程の敗北感を抱く。
彼だからこそ母は選んだのだと理解が出来た。
彼は今まで母が付き合ってきた誰とも違っていた。
大切な人の大切な存在を理解し、そしてそれを受け入れるだけの度量を持っていた。
だからこそ若葉は彼が、メガトロンが憎かった。
若葉には出来ない別の角度から母のことを支えた事が。
若葉がしたかったことをいとも簡単に実行したメガトロンが憎くて、妬ましくて、それと同時にそんな彼が母の側に居てくれることに安堵していた。
「言いたいことがあるのならば聞くぞ」
若葉が精神的に色々と限界に達していることをメガトロンは見抜いていた。
元々、昨夜熱を出した事からそろそろ感情が爆発する傾向があったことは解っていたが予想よりもそのタイミングが早くきた原因も解っていたが、今はその問題に対しては監視をつけているため捨て置くことにした時だ。
「なんで母さんだったの?」
ゆっくりとメガトロンへと視線を向けた若葉の目に浮かぶ暗い感情に気づいたメガトロンは一瞬だけ目を細めたが、そんな事には自分は気づかなかったと言うかのように若葉の隣に座る。
まるで寄り添うかのようなその態度に対して若葉はどうしようもない程の苛立ちを抱く。
「ここには他にも沢山女性が居たのにどうして母さんを選んだの?」
メガトロンが母を見初めなければ母は若葉だけの母だったのに。
生まれてくる新たな命の為に自らの命を犠牲にする必要なんてなかったのに。
そう思いながら問いかけた言葉に対してメガトロンは何も答えない。
ただ、黙って空を見上げているだけだ。
その横顔がまるで若葉の存在などどうでも良いと言っているかのように感じられた若葉は、メガトロンの上着を掴むと自分の方へと彼の顔を引き寄せる。
赤い目と視線が合った瞬間、若葉は何故か解らないがその色に縋りたくなってしまう。
無意識の内にこの赤は絶対に自分を見限らない、見捨てない、見逃さない、と解っていた。けれど若葉の中にあるかつての愚かな自分が行った事に対する罪悪感がメガトロンへと縋ることを拒絶した。
「また同じ事をするよ?」
しない。閣下だけはしない。
「拒絶しなきゃ。排除しなきゃ。母さんに近づくヤツはみんな排除しなきゃ駄目だよ・・・じゃなきゃ、母さんは盗られちゃう」
そんな事は無い。
母さんはずっとずっと一緒だもの。
「ならば何故アイツはお前に真実を明かさなかった?結局はそういうことだ。アイツはお前ではなくメガトロンとそしてヤツとの間に出来た子どもを選んだんだよ」
違う、違う、違う!!!
「私だけの母さんだったのに!!!」
今にも泣き出しそうな声で言われた言葉を聞いてメガトロンは若葉の顔をジッと見つめる。
無言のまま何も言わずに黙り込む若葉の姿は誰かと話すことを拒絶していたが、それを解った上でその人は淡々とした声音で話しかけた。
「何があったのかは聞いている。・・・ラチェットが怒りながら心配していたぞ」
アイツも器用な事だ。
そう告げたメガトロンの声音はいつも何一つ変わらない。
まるでこうなることすら解っていたと言うかのような余裕のある態度に若葉はチリチリとした何かが自分の心を焼いていく事に気づくとゆっくりと口を動かした。
「私のした事なんて解っているのに責めないんですね」
喧嘩を売っているかのような口調で言われたことに対し、メガトロンは気にもとめない。
まるで幼子の癇癪だ、と言うかのような寛容な雰囲気に若葉は奥歯を思い切り噛みしめるのと同時に凄まじい程の敗北感を抱く。
彼だからこそ母は選んだのだと理解が出来た。
彼は今まで母が付き合ってきた誰とも違っていた。
大切な人の大切な存在を理解し、そしてそれを受け入れるだけの度量を持っていた。
だからこそ若葉は彼が、メガトロンが憎かった。
若葉には出来ない別の角度から母のことを支えた事が。
若葉がしたかったことをいとも簡単に実行したメガトロンが憎くて、妬ましくて、それと同時にそんな彼が母の側に居てくれることに安堵していた。
「言いたいことがあるのならば聞くぞ」
若葉が精神的に色々と限界に達していることをメガトロンは見抜いていた。
元々、昨夜熱を出した事からそろそろ感情が爆発する傾向があったことは解っていたが予想よりもそのタイミングが早くきた原因も解っていたが、今はその問題に対しては監視をつけているため捨て置くことにした時だ。
「なんで母さんだったの?」
ゆっくりとメガトロンへと視線を向けた若葉の目に浮かぶ暗い感情に気づいたメガトロンは一瞬だけ目を細めたが、そんな事には自分は気づかなかったと言うかのように若葉の隣に座る。
まるで寄り添うかのようなその態度に対して若葉はどうしようもない程の苛立ちを抱く。
「ここには他にも沢山女性が居たのにどうして母さんを選んだの?」
メガトロンが母を見初めなければ母は若葉だけの母だったのに。
生まれてくる新たな命の為に自らの命を犠牲にする必要なんてなかったのに。
そう思いながら問いかけた言葉に対してメガトロンは何も答えない。
ただ、黙って空を見上げているだけだ。
その横顔がまるで若葉の存在などどうでも良いと言っているかのように感じられた若葉は、メガトロンの上着を掴むと自分の方へと彼の顔を引き寄せる。
赤い目と視線が合った瞬間、若葉は何故か解らないがその色に縋りたくなってしまう。
無意識の内にこの赤は絶対に自分を見限らない、見捨てない、見逃さない、と解っていた。けれど若葉の中にあるかつての愚かな自分が行った事に対する罪悪感がメガトロンへと縋ることを拒絶した。
「また同じ事をするよ?」
しない。閣下だけはしない。
「拒絶しなきゃ。排除しなきゃ。母さんに近づくヤツはみんな排除しなきゃ駄目だよ・・・じゃなきゃ、母さんは盗られちゃう」
そんな事は無い。
母さんはずっとずっと一緒だもの。
「ならば何故アイツはお前に真実を明かさなかった?結局はそういうことだ。アイツはお前ではなくメガトロンとそしてヤツとの間に出来た子どもを選んだんだよ」
違う、違う、違う!!!
「私だけの母さんだったのに!!!」
今にも泣き出しそうな声で言われた言葉を聞いてメガトロンは若葉の顔をジッと見つめる。