17章:砕けた心から溢れ出たモノ
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今自分が口にしている言葉は母を傷つけるだけであることくらい若葉とて解っている。
それでも堰を切ったかのように次々と溢れ出す感情が、衝動が、止る事なく若葉を駆り立て、ただ己の考えばかりを母に押しつける。
「私が寂しかったことも気づかなかったくせに・・・ううん。違うよね?気づいていて気づかぬふりをしていたんでしょ?私が我慢して良い子でいることをずっとずっと押しつけていたじゃないッ!!!」
それを口にしたことでようやく若葉の口は動きを止めた。
荒く息をしながら若葉は自分でも何を口にしたのか解らないまま、その場に立ち尽くしていたときだった。
「若葉」
母の声が静かな病室に響く。
そっとその方向へと視線を向けるとそこには静かに泣いている母の姿があった。
痛々しい母の姿を見た瞬間、若葉は自分が絶対に口にしてはいけない言葉を言ってしまったことに気づき、先程の言葉を取り消したい、そう思うが一度口にしてしまった言葉を消すことなんて出来はしなかった。
「ごめんなさい」
思っていた不満を口にして満足できたのはほんの一瞬のことだった。
目の前で無言のまま涙を流す母の姿を見て、若葉を襲ったのはこれ以上ないと言う程の後悔とそして罪悪感だ。
今更、過去の辛かったことを声にしたとして何の意味も成さないことくらい解っている。
今更、当時のことを母に謝罪されても過去を替えられないことくらい解っている。
どうしようもないこと。
それを自分は口にして、ただ無闇矢鱈に母を傷つけた。
母の涙を見た瞬間、自分がどうしようもない人間だと気づいた若葉は目に見えない何かで全身を押しつぶされるかのような錯覚を抱いた。
若葉は息をすることすら忘れ、ただ目を見開いて母の姿を見ることしか出来なかった時だった。
「ッ・・・・」
苦しげな声を上げながら母が身を丸めたのと同時にラチェットが側に置いてあったナースコールを押す。
「博士ッ!ゆっくり息をするんだ・・・大丈夫、大丈夫だ」
優しいがどこか緊迫したラチェットの声に母は弱々しく頷きながらベッドへと倒れるのを見た瞬間、若葉は母の元に駆け寄りらなければと思ったが母がそうなった原因を作ったのは誰だ?と思うとその場に立ち尽くす。
ナースコールを聞いて駆けつけてきた医者と看護師達が現れ、緊迫した病室の雰囲気に若葉は気づく。
ソレは不幸な偶然なのだったのか、意図的に仕組まれた事だったのかは解らないが看護師の1人が勢いよく若葉の肩にぶつかり、肩を押されたその衝撃で若葉は病室の壁へと追いやられる。
まるで邪魔だと言われたような気がした若葉は自分がここに居ても何もすることは出来ない、否、邪魔にしかならないでは無いかと思うと退出しようした時だ。
「若葉。メガトロンが来るまでそこに居なさい」
メガトロン。
その名前を聞いた瞬間、若葉の脳裏に浮かんだのは母を追い詰めた自分に対して彼がどんな対応をするのか?ということだ。
母を愛している彼は絶対に自分を許しはしないだろう。
血を分けた我が子を危険に晒した自分を許しはしないだろう。
そう思うのと同時に若葉は病室から飛び出す。
「若葉ッ!?待ちなさい・・・・あぁ!!クソッ!!!」
聞こえてきたラチェットの声は医者である彼らしからぬものであったことから、ここから逃げ出すのは止めた方が良いと思えたのだが、若葉の足は止らない。
見知らぬ道を右へ左へと曲がりながら若葉は基地の中を走り続けていた。時折、すれ違う軍人達が不思議そうな顔をして見つめてきたが、彼等は特に何かをしてくる様子はない。
何人かの軍人が怪訝そうな顔をしながら話しかけてきたのだが、それが英語であった為何を言われているのか解らない若葉はその声を無視して走り続ける。
それでも堰を切ったかのように次々と溢れ出す感情が、衝動が、止る事なく若葉を駆り立て、ただ己の考えばかりを母に押しつける。
「私が寂しかったことも気づかなかったくせに・・・ううん。違うよね?気づいていて気づかぬふりをしていたんでしょ?私が我慢して良い子でいることをずっとずっと押しつけていたじゃないッ!!!」
それを口にしたことでようやく若葉の口は動きを止めた。
荒く息をしながら若葉は自分でも何を口にしたのか解らないまま、その場に立ち尽くしていたときだった。
「若葉」
母の声が静かな病室に響く。
そっとその方向へと視線を向けるとそこには静かに泣いている母の姿があった。
痛々しい母の姿を見た瞬間、若葉は自分が絶対に口にしてはいけない言葉を言ってしまったことに気づき、先程の言葉を取り消したい、そう思うが一度口にしてしまった言葉を消すことなんて出来はしなかった。
「ごめんなさい」
思っていた不満を口にして満足できたのはほんの一瞬のことだった。
目の前で無言のまま涙を流す母の姿を見て、若葉を襲ったのはこれ以上ないと言う程の後悔とそして罪悪感だ。
今更、過去の辛かったことを声にしたとして何の意味も成さないことくらい解っている。
今更、当時のことを母に謝罪されても過去を替えられないことくらい解っている。
どうしようもないこと。
それを自分は口にして、ただ無闇矢鱈に母を傷つけた。
母の涙を見た瞬間、自分がどうしようもない人間だと気づいた若葉は目に見えない何かで全身を押しつぶされるかのような錯覚を抱いた。
若葉は息をすることすら忘れ、ただ目を見開いて母の姿を見ることしか出来なかった時だった。
「ッ・・・・」
苦しげな声を上げながら母が身を丸めたのと同時にラチェットが側に置いてあったナースコールを押す。
「博士ッ!ゆっくり息をするんだ・・・大丈夫、大丈夫だ」
優しいがどこか緊迫したラチェットの声に母は弱々しく頷きながらベッドへと倒れるのを見た瞬間、若葉は母の元に駆け寄りらなければと思ったが母がそうなった原因を作ったのは誰だ?と思うとその場に立ち尽くす。
ナースコールを聞いて駆けつけてきた医者と看護師達が現れ、緊迫した病室の雰囲気に若葉は気づく。
ソレは不幸な偶然なのだったのか、意図的に仕組まれた事だったのかは解らないが看護師の1人が勢いよく若葉の肩にぶつかり、肩を押されたその衝撃で若葉は病室の壁へと追いやられる。
まるで邪魔だと言われたような気がした若葉は自分がここに居ても何もすることは出来ない、否、邪魔にしかならないでは無いかと思うと退出しようした時だ。
「若葉。メガトロンが来るまでそこに居なさい」
メガトロン。
その名前を聞いた瞬間、若葉の脳裏に浮かんだのは母を追い詰めた自分に対して彼がどんな対応をするのか?ということだ。
母を愛している彼は絶対に自分を許しはしないだろう。
血を分けた我が子を危険に晒した自分を許しはしないだろう。
そう思うのと同時に若葉は病室から飛び出す。
「若葉ッ!?待ちなさい・・・・あぁ!!クソッ!!!」
聞こえてきたラチェットの声は医者である彼らしからぬものであったことから、ここから逃げ出すのは止めた方が良いと思えたのだが、若葉の足は止らない。
見知らぬ道を右へ左へと曲がりながら若葉は基地の中を走り続けていた。時折、すれ違う軍人達が不思議そうな顔をして見つめてきたが、彼等は特に何かをしてくる様子はない。
何人かの軍人が怪訝そうな顔をしながら話しかけてきたのだが、それが英語であった為何を言われているのか解らない若葉はその声を無視して走り続ける。