15章:似ていて異なる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
静かな廊下に残された若葉は咎めるかのような眼差しをサイドスワイプへと向けるが、当の本人は痛くもかゆくもありませんと言うかのような涼しげな顔をしたままサイドウェイズが去って行った方向をジッと見つめていた。
何も無い廊下を見つめるその目がまるで手に入らないモノを強請る子どものように若葉には感じられ、何故そんな目を彼がするのだろうか?と思う反面、サイドウェイズの心を意図的に傷つけるかのような言葉を発したサイドスワイプへの強い嫌悪感が込み上げてくる。
「なんであんな酷い事を言ったんですか?」
「俺は事実しか言っていない」
「・・・だからと言って口にして良い言葉というモノがあると思いますけど。サイドウェイズさんは貴方の言葉に傷ついて、苦しんでいましたよ」
「うるせぇよ。俺達の事なんて何も知らねぇヤツが口を出すな」
怒りを押し殺すかのような声で告げられた言葉に若葉は無意識の内に息を詰めてしまう。
最初こそサイドスワイプの出す雰囲気に飲まれてしまったが、すぐに我を取り戻したのと同時に若葉の心に込み上げてきたのは強い怒りだ。
「えぇそうですね。私は貴方達の関係なんて知りませんよ?」
にっこりと微笑みながら若葉はサイドスワイプへと言葉を返す。
その返答にサイドスワイプは薄ら寒いモノを感じ取った。
今の若葉は彼女の母である博士ととてもよく似た顔と雰囲気をしていた。あまり似た容姿をしてはいないなぁと思っていたサイドスワイプだったが、少しばかりその認識を改める必要があるかもしれないなぁと密かに思いながら若葉を見つめる。
「だからこそ解るものだってありますし、理不尽なことだなぁって思う事もあります」
笑みを浮かべたまま淡々とした口調でそう告げた若葉はサイドスワイプへと一礼をすると、サイドウェイズが走り去っていった方向へと向かって歩き出す。
「おい、どこ行くんだよ」
「決まってます。サイドウェイズさんを追いかけます」
「・・・必要ねぇだろ」
「ソレは貴方の認識ですよね?サイドウェイズさんはそう思ってはいない事だってありますよね?」
サイドスワイプの言葉を切捨てた若葉はこれ以上ここに留まっている必要はないと判断すると、小走りで医務室の前から離れていく。
よく知らない廊下を若葉は走り続けていた。
頼りになるのは廊下に落ちている微かな血痕だけでソレを見失ってしまえばサイドウェイズとの再会は叶わなくなってしまう。
「まるでヘンゼルとグレーテルみたい」
童話の兄妹はパン屑を頼りにしていたが、若葉が頼りにするのは血痕であることに現実とは何と無慈悲なモノだろうか?と思いながら廊下に点々と落ちている血痕を見ることに集中していた若葉であったが、曲がり角から現れた人物と衝突しそうになった為慌てて足を動かしてその人との衝突を回避した。
「ごめんなさい!!」
慌てて謝罪の言葉を告げた若葉はその人物の顔を見て顔をしかめてしまった。
「若葉?こんなところでなにをしているんだい?」
そこに居たのは血の繋がった実の父親であった。
目が合った若葉の脳裏に浮かぶのは先程の出来事だ。
ソレを認識したのと同時に若葉の頭の中で頬を叩かれたときの出来事が思い出されるのと同時に、ジクジクとした痛みと熱を発し始めたため若葉はすぐに返答することは出来なかった。
「若葉?私はここで何をしているのか聞いているんだが?」
問いかけに対してすぐさま自分の求める返答がないことに対し、父は不快そうな声音で再度問いかけたきた為、若葉は恐怖で顔を引きつらせながら口を動かす。
「ッ・・・・知り合いを追いかけてきました」
引きつるかのような声で返せた言葉に父は若葉の視線の先にある血痕を見て、何か納得したかのように1つ頷いた。
何も無い廊下を見つめるその目がまるで手に入らないモノを強請る子どものように若葉には感じられ、何故そんな目を彼がするのだろうか?と思う反面、サイドウェイズの心を意図的に傷つけるかのような言葉を発したサイドスワイプへの強い嫌悪感が込み上げてくる。
「なんであんな酷い事を言ったんですか?」
「俺は事実しか言っていない」
「・・・だからと言って口にして良い言葉というモノがあると思いますけど。サイドウェイズさんは貴方の言葉に傷ついて、苦しんでいましたよ」
「うるせぇよ。俺達の事なんて何も知らねぇヤツが口を出すな」
怒りを押し殺すかのような声で告げられた言葉に若葉は無意識の内に息を詰めてしまう。
最初こそサイドスワイプの出す雰囲気に飲まれてしまったが、すぐに我を取り戻したのと同時に若葉の心に込み上げてきたのは強い怒りだ。
「えぇそうですね。私は貴方達の関係なんて知りませんよ?」
にっこりと微笑みながら若葉はサイドスワイプへと言葉を返す。
その返答にサイドスワイプは薄ら寒いモノを感じ取った。
今の若葉は彼女の母である博士ととてもよく似た顔と雰囲気をしていた。あまり似た容姿をしてはいないなぁと思っていたサイドスワイプだったが、少しばかりその認識を改める必要があるかもしれないなぁと密かに思いながら若葉を見つめる。
「だからこそ解るものだってありますし、理不尽なことだなぁって思う事もあります」
笑みを浮かべたまま淡々とした口調でそう告げた若葉はサイドスワイプへと一礼をすると、サイドウェイズが走り去っていった方向へと向かって歩き出す。
「おい、どこ行くんだよ」
「決まってます。サイドウェイズさんを追いかけます」
「・・・必要ねぇだろ」
「ソレは貴方の認識ですよね?サイドウェイズさんはそう思ってはいない事だってありますよね?」
サイドスワイプの言葉を切捨てた若葉はこれ以上ここに留まっている必要はないと判断すると、小走りで医務室の前から離れていく。
よく知らない廊下を若葉は走り続けていた。
頼りになるのは廊下に落ちている微かな血痕だけでソレを見失ってしまえばサイドウェイズとの再会は叶わなくなってしまう。
「まるでヘンゼルとグレーテルみたい」
童話の兄妹はパン屑を頼りにしていたが、若葉が頼りにするのは血痕であることに現実とは何と無慈悲なモノだろうか?と思いながら廊下に点々と落ちている血痕を見ることに集中していた若葉であったが、曲がり角から現れた人物と衝突しそうになった為慌てて足を動かしてその人との衝突を回避した。
「ごめんなさい!!」
慌てて謝罪の言葉を告げた若葉はその人物の顔を見て顔をしかめてしまった。
「若葉?こんなところでなにをしているんだい?」
そこに居たのは血の繋がった実の父親であった。
目が合った若葉の脳裏に浮かぶのは先程の出来事だ。
ソレを認識したのと同時に若葉の頭の中で頬を叩かれたときの出来事が思い出されるのと同時に、ジクジクとした痛みと熱を発し始めたため若葉はすぐに返答することは出来なかった。
「若葉?私はここで何をしているのか聞いているんだが?」
問いかけに対してすぐさま自分の求める返答がないことに対し、父は不快そうな声音で再度問いかけたきた為、若葉は恐怖で顔を引きつらせながら口を動かす。
「ッ・・・・知り合いを追いかけてきました」
引きつるかのような声で返せた言葉に父は若葉の視線の先にある血痕を見て、何か納得したかのように1つ頷いた。