15章:似ていて異なる
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真っ赤に染まった掌から赤い雫が廊下にポタポタと落ちていく音が響く。
自分の掌を呆然とした目で見つめたまま動かないサイドウェイズに向かい、若葉は驚かせないように小さな声で問いかける。
「大丈夫ですか?」
「え?・・・あぁ、うん。大丈夫」
「いやいや。絶対に大丈夫じゃないですよね?」
傷口からの出血は止ることを知らないかのように少量ではあるが未だに出血しているらしく、床に落ちた血が小さな水たまりを作り始めている事に気づいた若葉はこれはちょっと不味いのではないかと思う。
「とりあえず治療しましょう?ほら、偶然にもここは医務室ですし」
「俺達にはある意味で地獄の入口だけどな」
「え?」
「なんでもない」
何やら物騒な単語が聞こえたような気がしたが若葉はサイドウェイズの背を押しながら医務室へと向かおうとした時だった。
「お前何も知らないんだな」
嘲笑うかのような声が聞こえた事に視線を向ければ、そこにはサイドスワイプの姿があった。
彼は青い目を細めながら若葉を見つめていた。
その目に宿る強い敵対心、嫌悪感に若葉は気づくが、今は彼に構わずにサイドウェイズの治療をジョルトにしてもらう事が先だと思いながらそっと視線を逸らしたときだった。
「その程度の傷なんてすぐに塞がる。メガトロンは俺達のことに関して何もお前に話していないのか?だとしたら随分とお優しいことじゃないか」
何も知らない若葉の姿が滑稽だと言うかのような声でサイドスワイプは告げると、無言のままサイドウェイズへと近づき、彼の右手首を乱暴に掴み上げる。
容赦なく手首を掴まれたサイドウェイズが痛みで顔を歪めるのが見えた若葉は怪我人に対して、あまりにも酷いではないかと抗議するかのようにサイドスワイプを睨み付けたながら、サイドスワイプの腕を掴む。
「ちょっと!!」
「見てみろよ」
目の前に差し出された真っ赤な掌。
痛々しいその掌をジッと見つめていた若葉は掌にこびりついている血が乾き始めていることに気づく。
「この程度のかすり傷なんて治療する必要はねぇんだよ。まぁもっとも?戦闘嫌いな臆病者の誰かさんには必要かもしれねぇけどな」
「黙れよっ!!」
我慢ならない、と言うかのように掴まれていた腕をサイドウェイズが動かせば、サイドスワイプは呆気ない程簡単に手首から手を離す。
怯えているかのような顔をして肩で息をしているサイドウェイズの姿は尋常ではない。
「事実だろ?お前は斥候のくせに簡単な任務もこなせない」
「うるさい」
「お前にそんなことを言う権利なんてねぇだろ?バンブルビーやバリケードがお前の分まで働いているんだからな」
「・・・うるさいッ!!!」
泣き声に近い声でそう告げたサイドウェイズは背を向けるとそのままどこかに向かって走り出す。
「待って!せめて消毒くらいは!!」
去って行く背中へと向かい若葉は手を伸ばすがその指先がサイドウェイズに触れることはなかった。
自分の掌を呆然とした目で見つめたまま動かないサイドウェイズに向かい、若葉は驚かせないように小さな声で問いかける。
「大丈夫ですか?」
「え?・・・あぁ、うん。大丈夫」
「いやいや。絶対に大丈夫じゃないですよね?」
傷口からの出血は止ることを知らないかのように少量ではあるが未だに出血しているらしく、床に落ちた血が小さな水たまりを作り始めている事に気づいた若葉はこれはちょっと不味いのではないかと思う。
「とりあえず治療しましょう?ほら、偶然にもここは医務室ですし」
「俺達にはある意味で地獄の入口だけどな」
「え?」
「なんでもない」
何やら物騒な単語が聞こえたような気がしたが若葉はサイドウェイズの背を押しながら医務室へと向かおうとした時だった。
「お前何も知らないんだな」
嘲笑うかのような声が聞こえた事に視線を向ければ、そこにはサイドスワイプの姿があった。
彼は青い目を細めながら若葉を見つめていた。
その目に宿る強い敵対心、嫌悪感に若葉は気づくが、今は彼に構わずにサイドウェイズの治療をジョルトにしてもらう事が先だと思いながらそっと視線を逸らしたときだった。
「その程度の傷なんてすぐに塞がる。メガトロンは俺達のことに関して何もお前に話していないのか?だとしたら随分とお優しいことじゃないか」
何も知らない若葉の姿が滑稽だと言うかのような声でサイドスワイプは告げると、無言のままサイドウェイズへと近づき、彼の右手首を乱暴に掴み上げる。
容赦なく手首を掴まれたサイドウェイズが痛みで顔を歪めるのが見えた若葉は怪我人に対して、あまりにも酷いではないかと抗議するかのようにサイドスワイプを睨み付けたながら、サイドスワイプの腕を掴む。
「ちょっと!!」
「見てみろよ」
目の前に差し出された真っ赤な掌。
痛々しいその掌をジッと見つめていた若葉は掌にこびりついている血が乾き始めていることに気づく。
「この程度のかすり傷なんて治療する必要はねぇんだよ。まぁもっとも?戦闘嫌いな臆病者の誰かさんには必要かもしれねぇけどな」
「黙れよっ!!」
我慢ならない、と言うかのように掴まれていた腕をサイドウェイズが動かせば、サイドスワイプは呆気ない程簡単に手首から手を離す。
怯えているかのような顔をして肩で息をしているサイドウェイズの姿は尋常ではない。
「事実だろ?お前は斥候のくせに簡単な任務もこなせない」
「うるさい」
「お前にそんなことを言う権利なんてねぇだろ?バンブルビーやバリケードがお前の分まで働いているんだからな」
「・・・うるさいッ!!!」
泣き声に近い声でそう告げたサイドウェイズは背を向けるとそのままどこかに向かって走り出す。
「待って!せめて消毒くらいは!!」
去って行く背中へと向かい若葉は手を伸ばすがその指先がサイドウェイズに触れることはなかった。