15章:似ていて異なる
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若葉は何故こうなったのだろうか?と必死に考えながらも縋るようにチラチラと医務室の入口を見つめるが、こういう時に限って誰も来てはくれない。
ここが医務室なのだから来るのは怪我人なので、誰も来ないことは良いことだと解ってはいるのだが、今だけは誰かかすり傷でも負ってここに来てはくれないだろうかと若葉は心から願ってしまう。
「個人的にはこのルートは無しだと思うんですよね。これだと今までヒロインがしてきた行動と矛盾したことになりますから。個人的にはBADENDルート方がしっくりきます。ネットでの評判もBADENDの方が評価が高いですし」
目線だけはパソコンに向けたまま忙しなくカチカチとマウスをクリックしながらジョルトが告げた言葉に若葉は何と返事をすべきか迷う。
殴られた右頬の治療を終えた若葉はとりあえず母の病室へと戻ろうとしたのだが、ジョルトからどうしても若葉に見て欲しいものがあるのだと言われたため医務室に残る事になった。
ジョルトが持ってきたのはノートパソコンだったことに若葉は思わず身構えてしまった。
もしかすると母の状態が良くないのか、もしくは赤ちゃんの発育が良くはないのか?それを説明するために残るように言ったのか?と悪い方に事を想定した若葉だったが、その考えを打ち砕くかのようにジョルトはあるソフトを起動した。
それは若葉も聞いたことがあるゲームソフトだった。
あまりの展開に絶句することしか出来なかった若葉の事を華麗に無視したまま、ジョルトはゲームを起動するとそのゲームに関して色々と語ってきたのだ。
「若葉さんはどう思いますか?」
「えぇっと・・・そのゲームにあまり詳しくはないのですけれど」
「そうなんですか?」
若葉の返答にジョルトは初めてパソコンから視線を逸らし、若葉の顔をマジマジと見つめる。
「私がやったことがあるのは携帯アプリの方でして、原作になっているゲームはやったことがないんです」
その言葉に嘘はない。
事実、若葉は友人に頼まれてアプリをダウンロードして少しプレイをしただけなのだ。友人曰く「今ね、友達を勧誘するとSSRチケットが配布されるから!!!ダウンロードするだけで良いの!!飽きたら消して良いから!!」とあまりにも欲望に忠実すぎた為、ダウンロードをして時間があるときに少しだけプレイをするという状態だった。
元となったのはパソコンゲームだという事を知った若葉は、友人にゲームの大まかなストーリーを聞いたこともあったのだが、友人曰く「壮大すぎて説明できない」とのことだった。
「あぁ。そっちの方をしているんですか。アプリは中々の出来ですよね・・・僕もアプリの方をしているんです。良ければ友達登録しませんか?」
「良いですけど、今は携帯を持ってきていないので後ででも良いですか?」
「はい!では僕のコードを教えておくので時間のあるときに友達申請してください。僕の方も確認が出来たら承認しますから」
嬉しそうに携帯を手にしたジョルトはアプリを起動すると自分のIDを紙に記入するとそれを若葉に渡す。
「正直に言いますけど、私はあまり熱を入れてプレイしていないので凄く弱いですよ?」
「強かろうと弱かろうと僕には関係ありません。友人が居る事が嬉しいんです・・・ここだと一部の軍人以外は僕の趣向を理解してはくれないので実は寂しい思いをしていたんです。そんなときに若葉さんが来るって聞いて凄く嬉しかったんですよ」
心の底から嬉しそうに笑うジョルトの笑みに若葉も自分で役に立てるのならば喜んで貢献しようと密かに思った時だ。
医務室のドアが少しばかり乱暴に開かれたかと思えば、ジョルトと似たような年齢の青年が荒々しい足取りで入ってくる。
「悪いジョルト。ディーノとの訓練で負傷したから診てくれるか?」
負傷したらしい右手をヒラヒラと振りながらぶっきらぼな口調で告げた青年は、医務室に居たのがジョルトだけではない事に気づくと驚いたように青い目を見開く。
しかしすぐに不快そうに目を細めるとそっぽを向いてしまう。
初対面の人間からの対応に若葉は困惑しながらも自分は退出した方が良いのだろうかと思い、座っていた椅子から立ち上がろうとしたがジョルトがそれを手で制した。
ここが医務室なのだから来るのは怪我人なので、誰も来ないことは良いことだと解ってはいるのだが、今だけは誰かかすり傷でも負ってここに来てはくれないだろうかと若葉は心から願ってしまう。
「個人的にはこのルートは無しだと思うんですよね。これだと今までヒロインがしてきた行動と矛盾したことになりますから。個人的にはBADENDルート方がしっくりきます。ネットでの評判もBADENDの方が評価が高いですし」
目線だけはパソコンに向けたまま忙しなくカチカチとマウスをクリックしながらジョルトが告げた言葉に若葉は何と返事をすべきか迷う。
殴られた右頬の治療を終えた若葉はとりあえず母の病室へと戻ろうとしたのだが、ジョルトからどうしても若葉に見て欲しいものがあるのだと言われたため医務室に残る事になった。
ジョルトが持ってきたのはノートパソコンだったことに若葉は思わず身構えてしまった。
もしかすると母の状態が良くないのか、もしくは赤ちゃんの発育が良くはないのか?それを説明するために残るように言ったのか?と悪い方に事を想定した若葉だったが、その考えを打ち砕くかのようにジョルトはあるソフトを起動した。
それは若葉も聞いたことがあるゲームソフトだった。
あまりの展開に絶句することしか出来なかった若葉の事を華麗に無視したまま、ジョルトはゲームを起動するとそのゲームに関して色々と語ってきたのだ。
「若葉さんはどう思いますか?」
「えぇっと・・・そのゲームにあまり詳しくはないのですけれど」
「そうなんですか?」
若葉の返答にジョルトは初めてパソコンから視線を逸らし、若葉の顔をマジマジと見つめる。
「私がやったことがあるのは携帯アプリの方でして、原作になっているゲームはやったことがないんです」
その言葉に嘘はない。
事実、若葉は友人に頼まれてアプリをダウンロードして少しプレイをしただけなのだ。友人曰く「今ね、友達を勧誘するとSSRチケットが配布されるから!!!ダウンロードするだけで良いの!!飽きたら消して良いから!!」とあまりにも欲望に忠実すぎた為、ダウンロードをして時間があるときに少しだけプレイをするという状態だった。
元となったのはパソコンゲームだという事を知った若葉は、友人にゲームの大まかなストーリーを聞いたこともあったのだが、友人曰く「壮大すぎて説明できない」とのことだった。
「あぁ。そっちの方をしているんですか。アプリは中々の出来ですよね・・・僕もアプリの方をしているんです。良ければ友達登録しませんか?」
「良いですけど、今は携帯を持ってきていないので後ででも良いですか?」
「はい!では僕のコードを教えておくので時間のあるときに友達申請してください。僕の方も確認が出来たら承認しますから」
嬉しそうに携帯を手にしたジョルトはアプリを起動すると自分のIDを紙に記入するとそれを若葉に渡す。
「正直に言いますけど、私はあまり熱を入れてプレイしていないので凄く弱いですよ?」
「強かろうと弱かろうと僕には関係ありません。友人が居る事が嬉しいんです・・・ここだと一部の軍人以外は僕の趣向を理解してはくれないので実は寂しい思いをしていたんです。そんなときに若葉さんが来るって聞いて凄く嬉しかったんですよ」
心の底から嬉しそうに笑うジョルトの笑みに若葉も自分で役に立てるのならば喜んで貢献しようと密かに思った時だ。
医務室のドアが少しばかり乱暴に開かれたかと思えば、ジョルトと似たような年齢の青年が荒々しい足取りで入ってくる。
「悪いジョルト。ディーノとの訓練で負傷したから診てくれるか?」
負傷したらしい右手をヒラヒラと振りながらぶっきらぼな口調で告げた青年は、医務室に居たのがジョルトだけではない事に気づくと驚いたように青い目を見開く。
しかしすぐに不快そうに目を細めるとそっぽを向いてしまう。
初対面の人間からの対応に若葉は困惑しながらも自分は退出した方が良いのだろうかと思い、座っていた椅子から立ち上がろうとしたがジョルトがそれを手で制した。