14章:父親
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母の視線につられるかのように若葉もドアの方を見てみると、そこには高そうなスーツを身に纏いその上から白衣を着ている細身の男性が立っていた。
どう見ても軍関係者ではない、そう判断した若葉の中で警戒心がブワリと一気に跳ね上がる。
母を守らなくてはそう思うのと同時に若葉は身構えた時、男はにっこりと人好きのする笑みを浮かべながら口を開いた。
「・・・聞いていたよりも元気そうで安心したよ」
「何をしに来たの。貴方を呼んだ覚えはないわ」
「君の事を聞いてね。私の専門を忘れたわけではないだろう?まぁ私の派遣を決めたのは”上”だ。そういうわけだから君も逆らえないだろう?とりあえず診察をさせて欲しい」
「ッ・・・入ってこないで!!!」
苦笑を浮かべながら肩をすくめた男は病室の中に入ってこようとしたが、それに気づいた母が悲鳴のような声で拒絶をすると男は意外なことにあっさりと足を止めた。
さすがに尋常ではない母の様子に気づいた若葉は母を守るかのように前に立とうとしたが、それは駄目だと言うかのように母が若葉の手を握る。
「大人しく座っていなさい。大丈夫だから、ね?・・・・お願いよ」
縋るように手を握ってくる母の言葉に若葉はここは大人しく従った方が良いのだろうなと思うと椅子に座り直す。
「貴方からの診察はラチェット軍医が同席しなければ受けません」
母があからさま、とも言える態度と口調で男を拒絶したことに若葉は驚く。
若葉の知っている母の性格では考えられなかったからだ。
もしかして2人は過去に何度か面識があり、その際に何か問題があって母が一方的に嫌っているのだろうか?と若葉が考えながら、母と男の顔を交互に若葉が見つめていた時だ。
母へと向けられていた男の視線が若葉へと向けられる。
無言のままジッと自分を見つめてくる男の不躾な視線に対し、若葉は負けじと男の顔を睨む寸前という鋭い目をして見つめ返す。
「もしかして・・・・若葉か?」
「え?何で私の名前を?」
初対面の男が名前を知っていたことに若葉は驚きながら男を見つめると、男は嬉しそうに破顔すると先程、母から入るなと言われた言葉など忘れたかのようにズカズカと病室に入ってくると若葉を抱きしめる。
「大きくなったなぁ!!!」
抱きしめたままグリグリと頭をなで回す男から若葉は必死に逃れようとするのだが、男は絶対に離さないと言うかのように抱擁をし続けていたときだ。
「若葉から離れてッ!!今すぐよ!!!」
「感動の対面をしているのにそんな冷たいことを言わないでくれ」
「何を馬鹿な事を言っているの?会わないことを決めたのは貴方でしょうっ!?」
「確かにね。でもこうして会えたのも神様の思し召しってヤツじゃないか?」
「ふざけないで!!!」
激昂する母の様子を見た若葉はこのままだときっと母の身体に良くはない、そう判断すると持てるだけの力を使って男の身体を突き飛ばす。
男は驚いたように若葉を見ていたが、突き飛ばされたことがショックだったらしく少し悲しそうな顔をした。
「貴方・・・一体誰なんですか?いきなり抱きつくなんて失礼です!!!」
さり気なく母の方へと近づきながら若葉は嫌悪感を隠さぬまま告げると、男は心外そうに肩をすくめると、一瞬だけ母の方へと意味ありげな視線を向ける。
「やめて!!」
悲鳴のような声で母が叫んだ直後、男は人好きのする笑みを浮かべながら残酷な言葉を告げた。
「若葉。私は君の父親だよ」
ようやく会えたね。
そう告げた男の言葉の意味を若葉は理解することが出来なかった。
どう見ても軍関係者ではない、そう判断した若葉の中で警戒心がブワリと一気に跳ね上がる。
母を守らなくてはそう思うのと同時に若葉は身構えた時、男はにっこりと人好きのする笑みを浮かべながら口を開いた。
「・・・聞いていたよりも元気そうで安心したよ」
「何をしに来たの。貴方を呼んだ覚えはないわ」
「君の事を聞いてね。私の専門を忘れたわけではないだろう?まぁ私の派遣を決めたのは”上”だ。そういうわけだから君も逆らえないだろう?とりあえず診察をさせて欲しい」
「ッ・・・入ってこないで!!!」
苦笑を浮かべながら肩をすくめた男は病室の中に入ってこようとしたが、それに気づいた母が悲鳴のような声で拒絶をすると男は意外なことにあっさりと足を止めた。
さすがに尋常ではない母の様子に気づいた若葉は母を守るかのように前に立とうとしたが、それは駄目だと言うかのように母が若葉の手を握る。
「大人しく座っていなさい。大丈夫だから、ね?・・・・お願いよ」
縋るように手を握ってくる母の言葉に若葉はここは大人しく従った方が良いのだろうなと思うと椅子に座り直す。
「貴方からの診察はラチェット軍医が同席しなければ受けません」
母があからさま、とも言える態度と口調で男を拒絶したことに若葉は驚く。
若葉の知っている母の性格では考えられなかったからだ。
もしかして2人は過去に何度か面識があり、その際に何か問題があって母が一方的に嫌っているのだろうか?と若葉が考えながら、母と男の顔を交互に若葉が見つめていた時だ。
母へと向けられていた男の視線が若葉へと向けられる。
無言のままジッと自分を見つめてくる男の不躾な視線に対し、若葉は負けじと男の顔を睨む寸前という鋭い目をして見つめ返す。
「もしかして・・・・若葉か?」
「え?何で私の名前を?」
初対面の男が名前を知っていたことに若葉は驚きながら男を見つめると、男は嬉しそうに破顔すると先程、母から入るなと言われた言葉など忘れたかのようにズカズカと病室に入ってくると若葉を抱きしめる。
「大きくなったなぁ!!!」
抱きしめたままグリグリと頭をなで回す男から若葉は必死に逃れようとするのだが、男は絶対に離さないと言うかのように抱擁をし続けていたときだ。
「若葉から離れてッ!!今すぐよ!!!」
「感動の対面をしているのにそんな冷たいことを言わないでくれ」
「何を馬鹿な事を言っているの?会わないことを決めたのは貴方でしょうっ!?」
「確かにね。でもこうして会えたのも神様の思し召しってヤツじゃないか?」
「ふざけないで!!!」
激昂する母の様子を見た若葉はこのままだときっと母の身体に良くはない、そう判断すると持てるだけの力を使って男の身体を突き飛ばす。
男は驚いたように若葉を見ていたが、突き飛ばされたことがショックだったらしく少し悲しそうな顔をした。
「貴方・・・一体誰なんですか?いきなり抱きつくなんて失礼です!!!」
さり気なく母の方へと近づきながら若葉は嫌悪感を隠さぬまま告げると、男は心外そうに肩をすくめると、一瞬だけ母の方へと意味ありげな視線を向ける。
「やめて!!」
悲鳴のような声で母が叫んだ直後、男は人好きのする笑みを浮かべながら残酷な言葉を告げた。
「若葉。私は君の父親だよ」
ようやく会えたね。
そう告げた男の言葉の意味を若葉は理解することが出来なかった。