13章:謀の犠牲になる者は?
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若葉の寝ているベッドまで来たその人物は感情の宿らない淡々とした声で話しかけてきた。
「体調の優れぬところすまないが、いくつか書類サインをして欲しい」
そこに居たのはメガトロンの秘書風の男、サウンドウェーブだった。
書類にサイン、その言葉に若葉はとりあえず起きようと思ったが、身体がいつもよりも重たく感じられたためスムーズに起こせずに苦戦していると、見るに見かねたらしいサウンドウェーブが若葉の背中に腕を回して手助けをしてくれた。
「すみません」
「・・・謝罪は不要だ。それにこの場合は事前の連絡もせず、急に来てしまった俺の方が謝罪すべきだと思うが?」
「あの、えぇっと・・・・」
まさかの正論で返された言葉に若葉はどうしたら良いのか解らなかったが、サウンドウェーブが書類にサインをして欲しいと言っていたことを思い出すと、彼に向かい問いかける。
「サインって言っていましたよね?母ではなくて私で良いのですか?」
「あぁ。博士に関するものではないからな」
そう告げたサウンドウェーブはバインダーファイルを取り出す。
革を使っているそれは見るからに高そうなモノで、若葉は爪で引っ掻かないように細心の注意を払いながらバインダーを開いて中の書類を確認した。
「英語?」
「そうだが?・・・・あぁ、読めないのだったな」
サウンドウェーブの声はいつもと同じだった。その声に若葉を馬鹿にしている感情は欠片も無く、ただ彼は事実だけを認識したのだったが若葉にとってはそうは感じ取れなかった。誰がどう見ても優秀です、と言うかのようなサウンドウェーブから若葉が感じ取ったのは「こんな簡単な英文も読めないのか?」というニュアンスだ。
いつもの若葉ならばそんな事は思わないが、熱があり少しばかり気落ちしているためネガティブに物事を考えてしまっている若葉はしょぼんとした顔して肩を落とす。
「どうした?」
急に様子のおかしくなった若葉に対しサウンドウェーブは少し焦った。
そもそも今している書類へのサインとてメガトロンが良い顔をしなかったのだが、人間達が行う手続きに必要だといって半ば強引に行っている為、これ以上メガトロンの不興を買いたくはないのが本心だ。
「なんでもありません。その読めないのですけれど翻訳して頂くことは可能ですか?」
「それは必要ない。俺の方で内容を確認済みだからな」
お前は何も考えずに黙ってサインしろ。
言葉の裏にそんな感情を感じ取った若葉はサウンドウェーブが差し出したペンを受け取ると、彼の指示されるがままにサインを済ませた。
それを見たサウンドウェーブは満足そうに頷くと、バインダーファイルを大切そうに鞄にしまうと若葉をベッドへと横たえ、しっかりと毛布を掛ける。
「体調の悪いところに悪かった。ゆっくり休め」
果たすべき事を終わらせたサウンドウェーブは若葉の元から離れる。
いつも無表情の彼からは想像出来ない程その足取りは軽快だった。
「(フレンジー、ラヴィッジ、レーザービーク・・・やったぞ)」
顔には決して出さないがサウンドウェーブは内心ホクホクモノだった。
ブラックアウトやショックウェーブのドローンが若葉と友達になると知った瞬間、サウンドウェーブのドローン達も少しばかり期待しているかのようにソワソワしていたのだが、彼等は自らの要望を口にしなかった。
故にサウンドウェーブは彼等の主として彼等のために動いた。
若葉が先程サインしたのは”私はサウンドウェーブのドローンと友達になります”という頭のいかれた書類だ。
「(書面で残してしまえば言い逃れは出来ん)」
コレで次からは優先的に自分のドローン達が若葉と友達になれると思ったサウンドウェーブはとんでもない程ご機嫌だった。
「体調の優れぬところすまないが、いくつか書類サインをして欲しい」
そこに居たのはメガトロンの秘書風の男、サウンドウェーブだった。
書類にサイン、その言葉に若葉はとりあえず起きようと思ったが、身体がいつもよりも重たく感じられたためスムーズに起こせずに苦戦していると、見るに見かねたらしいサウンドウェーブが若葉の背中に腕を回して手助けをしてくれた。
「すみません」
「・・・謝罪は不要だ。それにこの場合は事前の連絡もせず、急に来てしまった俺の方が謝罪すべきだと思うが?」
「あの、えぇっと・・・・」
まさかの正論で返された言葉に若葉はどうしたら良いのか解らなかったが、サウンドウェーブが書類にサインをして欲しいと言っていたことを思い出すと、彼に向かい問いかける。
「サインって言っていましたよね?母ではなくて私で良いのですか?」
「あぁ。博士に関するものではないからな」
そう告げたサウンドウェーブはバインダーファイルを取り出す。
革を使っているそれは見るからに高そうなモノで、若葉は爪で引っ掻かないように細心の注意を払いながらバインダーを開いて中の書類を確認した。
「英語?」
「そうだが?・・・・あぁ、読めないのだったな」
サウンドウェーブの声はいつもと同じだった。その声に若葉を馬鹿にしている感情は欠片も無く、ただ彼は事実だけを認識したのだったが若葉にとってはそうは感じ取れなかった。誰がどう見ても優秀です、と言うかのようなサウンドウェーブから若葉が感じ取ったのは「こんな簡単な英文も読めないのか?」というニュアンスだ。
いつもの若葉ならばそんな事は思わないが、熱があり少しばかり気落ちしているためネガティブに物事を考えてしまっている若葉はしょぼんとした顔して肩を落とす。
「どうした?」
急に様子のおかしくなった若葉に対しサウンドウェーブは少し焦った。
そもそも今している書類へのサインとてメガトロンが良い顔をしなかったのだが、人間達が行う手続きに必要だといって半ば強引に行っている為、これ以上メガトロンの不興を買いたくはないのが本心だ。
「なんでもありません。その読めないのですけれど翻訳して頂くことは可能ですか?」
「それは必要ない。俺の方で内容を確認済みだからな」
お前は何も考えずに黙ってサインしろ。
言葉の裏にそんな感情を感じ取った若葉はサウンドウェーブが差し出したペンを受け取ると、彼の指示されるがままにサインを済ませた。
それを見たサウンドウェーブは満足そうに頷くと、バインダーファイルを大切そうに鞄にしまうと若葉をベッドへと横たえ、しっかりと毛布を掛ける。
「体調の悪いところに悪かった。ゆっくり休め」
果たすべき事を終わらせたサウンドウェーブは若葉の元から離れる。
いつも無表情の彼からは想像出来ない程その足取りは軽快だった。
「(フレンジー、ラヴィッジ、レーザービーク・・・やったぞ)」
顔には決して出さないがサウンドウェーブは内心ホクホクモノだった。
ブラックアウトやショックウェーブのドローンが若葉と友達になると知った瞬間、サウンドウェーブのドローン達も少しばかり期待しているかのようにソワソワしていたのだが、彼等は自らの要望を口にしなかった。
故にサウンドウェーブは彼等の主として彼等のために動いた。
若葉が先程サインしたのは”私はサウンドウェーブのドローンと友達になります”という頭のいかれた書類だ。
「(書面で残してしまえば言い逃れは出来ん)」
コレで次からは優先的に自分のドローン達が若葉と友達になれると思ったサウンドウェーブはとんでもない程ご機嫌だった。