13章:謀の犠牲になる者は?
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若葉の頬に手を触れたまま微動だにしないメガトロンだが、微かに彼の額に浮かぶ汗と、何かに対して焦っているかのように忙しなく動かされる赤い目。
今までとは少しばかり違うメガトロンの表情と態度に対し、オプティマスはどうしたのだ?と問おうとしたときだ。
「オプティマス。人間の平均体温とは何度だ?」
「おおよそ36.6℃から37.2℃だが?」
間違えないようにわざわざインターネットに接続してからオプティマスが答えると、メガトロンはクワッと目を見開いたかと思えば若葉の身体を抱き上げる。
「今すぐ軍医に向かうと告げろ!」
明らかに異常事態を感じ取っているらしいメガトロンの姿に対し、オプティマスは何をそんなに焦るのだ?と思いながらメガトロンの腕の中に居る若葉をスキャンしてみると、若葉の体温は38.7℃という高熱であった。
だからぼんやりと焦点の合わない目をしていたのだなぁと思いながら、オプティマスはラチェットへと通信を繋ぎ、若葉が発熱していると伝えれば不機嫌そうな音声で「すぐ向かう。ベッドで寝かせておくように」と返されホッと胸をなで下ろすと、メガトロンに対していつもと変わらぬ声で話しかけた。
「ラチェットが来てくれる。それまでの間、若葉嬢を私のベッドに寝かせておこう。下手動かすよりもここで安静にしていた方が良い」
「そ、そうか」
オプティマスの提案に対してメガトロンは素直に従う。
ベッドに若葉を寝かせたメガトロンは若葉の顔をのぞき込む。
いつの間にか若葉は眠っていたらしく、力無く閉じられた瞼に触れてみると、泣き腫れた目元は微かに腫れており痛々しい感触が伝わってきた。
「・・・俺が一番の愚か者だな」
今日一日でかなり無理をさせたことは解っていた。
ここに来るまでは平凡な高校生でしかなかった若葉の身に、ここ数日の間に降りかかった事態は若葉を内側から疲弊させていったのだろう。
ソレを他人には伝えず、もしかしたら本人すら気づかぬ内に溜り続け、その結果が発熱という形になって肉体に現れた。
「お前は決して認めたくはないだろうが、私は今のお前の方が好きだよメガトロン」
「気色の悪いことを言うな、プライム」
博士の事を特別な存在と意識してから不器用な方法で距離を縮めていった事、そして若葉と出会ってから一喜一憂しているメガトロンの姿がオプティマスには懐かしく思えた。
「今のお前は二つの種族に別れて争う前のサイバトロン星で過ごした時と同じ顔をしている。お前が前のように戻れたのはきっと博士と若葉嬢のおかげなんだろうな」
その手を敵の血で濡らすことしか、憎悪を宿した目で敵を睨み付けることしか知らないと言うかのようなメガトロン。
和平条約を結びようやく全てが終り平穏な日々を迎えたというのに、メガトロンの中からは全てが抜け落ちていた。
メガトロンの胸にぽっかりと空いていた穴を塞いだのは博士で、空っぽになっていた中を満たしたのは若葉だ。
だからオプティマスは可能な限り彼等の幸せが長く続くことを願っていたし、それを守る為には最大限の協力をするつもりだった。
「・・・下らんことを言う暇があるのならば、毛布をもう一枚出せ」
「はいはい。閣下」
「貴様がそう呼ぶな」
クローゼットの中から毛布を取りだしたオプティマスがメガトロンへと渡したとき、絶妙のタイミングでインターフォンの鳴る音がした。
恐らくラチェットだろうと判断したオプティマスが玄関へと向かった為、1人部屋に残されたメガトロンは眠る若葉の頬をそっと撫でる。
今までとは少しばかり違うメガトロンの表情と態度に対し、オプティマスはどうしたのだ?と問おうとしたときだ。
「オプティマス。人間の平均体温とは何度だ?」
「おおよそ36.6℃から37.2℃だが?」
間違えないようにわざわざインターネットに接続してからオプティマスが答えると、メガトロンはクワッと目を見開いたかと思えば若葉の身体を抱き上げる。
「今すぐ軍医に向かうと告げろ!」
明らかに異常事態を感じ取っているらしいメガトロンの姿に対し、オプティマスは何をそんなに焦るのだ?と思いながらメガトロンの腕の中に居る若葉をスキャンしてみると、若葉の体温は38.7℃という高熱であった。
だからぼんやりと焦点の合わない目をしていたのだなぁと思いながら、オプティマスはラチェットへと通信を繋ぎ、若葉が発熱していると伝えれば不機嫌そうな音声で「すぐ向かう。ベッドで寝かせておくように」と返されホッと胸をなで下ろすと、メガトロンに対していつもと変わらぬ声で話しかけた。
「ラチェットが来てくれる。それまでの間、若葉嬢を私のベッドに寝かせておこう。下手動かすよりもここで安静にしていた方が良い」
「そ、そうか」
オプティマスの提案に対してメガトロンは素直に従う。
ベッドに若葉を寝かせたメガトロンは若葉の顔をのぞき込む。
いつの間にか若葉は眠っていたらしく、力無く閉じられた瞼に触れてみると、泣き腫れた目元は微かに腫れており痛々しい感触が伝わってきた。
「・・・俺が一番の愚か者だな」
今日一日でかなり無理をさせたことは解っていた。
ここに来るまでは平凡な高校生でしかなかった若葉の身に、ここ数日の間に降りかかった事態は若葉を内側から疲弊させていったのだろう。
ソレを他人には伝えず、もしかしたら本人すら気づかぬ内に溜り続け、その結果が発熱という形になって肉体に現れた。
「お前は決して認めたくはないだろうが、私は今のお前の方が好きだよメガトロン」
「気色の悪いことを言うな、プライム」
博士の事を特別な存在と意識してから不器用な方法で距離を縮めていった事、そして若葉と出会ってから一喜一憂しているメガトロンの姿がオプティマスには懐かしく思えた。
「今のお前は二つの種族に別れて争う前のサイバトロン星で過ごした時と同じ顔をしている。お前が前のように戻れたのはきっと博士と若葉嬢のおかげなんだろうな」
その手を敵の血で濡らすことしか、憎悪を宿した目で敵を睨み付けることしか知らないと言うかのようなメガトロン。
和平条約を結びようやく全てが終り平穏な日々を迎えたというのに、メガトロンの中からは全てが抜け落ちていた。
メガトロンの胸にぽっかりと空いていた穴を塞いだのは博士で、空っぽになっていた中を満たしたのは若葉だ。
だからオプティマスは可能な限り彼等の幸せが長く続くことを願っていたし、それを守る為には最大限の協力をするつもりだった。
「・・・下らんことを言う暇があるのならば、毛布をもう一枚出せ」
「はいはい。閣下」
「貴様がそう呼ぶな」
クローゼットの中から毛布を取りだしたオプティマスがメガトロンへと渡したとき、絶妙のタイミングでインターフォンの鳴る音がした。
恐らくラチェットだろうと判断したオプティマスが玄関へと向かった為、1人部屋に残されたメガトロンは眠る若葉の頬をそっと撫でる。