12章:本当の気持ち

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目を覚ました若葉が最初に感じ取ったのは他人の匂いだった。
 メガトロンの家で暮しているのは違った匂い、それに気づいたのと同時に慌てて身体を起こせば、見慣れない室内が飛び込んできた。

 「ここどこだろ?」

全く見覚えのない室内の様子に困惑したまま若葉はベッドの上に座っていることしか出来なかった時だ。
 数回ノックの音がした為、ドアの方へと視線を向けるとゆっくりとドアが開かれる。現れたのがオプティマスである事に気づくと若葉はここはオプティマスの家で、自分が寝ているのは彼のベッドなのだと理解すると慌ててベッドから降りる。

 「すみません。あの、ベッド使わせてもらったみたいで」

 「気にしないでくれ。気分はどうかな?」

ゆっくりとした足取りで近づいてきたオプティマスの問いに対し、平気だと言うかのように若葉は微笑みながら一つ頷く。
 オプティマスの顔を見て若葉は自分が何故、彼のベッドの上で眠っていたのかということを思い出すと顔を曇らせる。
 思い出すのは初めて見るメガトロンの一面だ。
 母はアレを知っているのだろうか?否、知っていて、その上でメガトロンを受け入れているのに違いない、母はそういう人だと若葉が思った時だ。

 「若葉嬢。ここで話すよりもリビングでお茶でも飲みながら話さないか?」

 「・・・はい」

返事をするのが遅れてしまったのはメガトロンと会うことに対する少しばかりの恐怖心からだ。
 どんな顔をして会えば良いのか、まだメガトロンが怒っていたらどうしよう?そんな気持ちからか若葉はその場から動くことが出来ずにいた。

 「メガトロンならば今はいないから安心して欲しい」

 「え?」

それはそれでちょっと問題があるのではないだろうか?
 あのある意味で過保護なメガトロンがまさかオプティマスと二人っきりにして、外出するとは思わなかった若葉が、心底驚いたような声を上げるとオプティマスはパチパチと瞬きを数度する。
 オプティマスは自分の中で何かを納得すると何度か頷いた後、気持ちの良い笑みを浮かべながら告げた。

 「何でも少しばかり所用ができてしまったと言っていた。多分きっともうそろそろ戻ってくると思うから、それまでリビングで私と一緒に待っていようか」

若葉の気持ちを見透かしたかのようにオプティマスは告げると、若葉の手を引いて薄暗い寝室から出る。
 出た先は人工的な光で満たされている室内だ。
 壁面にはTVがあり、その側には色々なメーカーのゲーム機が置かれ、壁面収納には乱雑に収納されているTVゲームが大量にある。

 「ゲームお好きなんですね?」

少しばかり意外一面だと思いながら若葉は告げる。
 オプティマスの雰囲気から、休日は難しそうな哲学本か、もしくはビジネス誌などを読んでいそうなイメージを抱いていたのだが、実際のオプティマスは意外にもゲーム好きだったことから人は見かけによらないなぁと若葉は思う。

 「あぁ!最新機種も好きだが、レトロゲーも好きだよ。ゲーム以外にも映画や音楽も色々と見たり聞いたりしているんだ。私としては自分では好きな物を選べないから、人から薦められたものを見たり聞いたりしている。若葉嬢のお薦めがあれば教えて欲しい。日本で流行っているものを教えてもらえれば個人的には凄く嬉しいんだが?」

ゲームと同じくらい大量のDVDとCDがあり、アクション映画から恋愛映画、クラシックからハードロック、といったように様々なジャンルが一通り揃えられていた。
 中には若葉も過去に見た事がある映画や、聞いたことのある音楽などがあったことに若葉はオプティマスと共通点が出来た事を純粋に喜ぶ。

 「はい。私の好みで良ければ」

 「それは楽しみだな!!」

朗らかに微笑んだオプティマスは若葉をソファに座らせるとお茶の用意をして来ると言ってキッチンへと姿を消していく。
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