2章:解らぬ事ばかりが増えていく
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
前方で何かあったのかと思いながら若葉は母の背から少しだけ顔をのぞかせてみると、軍服を着た屈強な男が立っていることに気づく。
2人に対して背を向けて建っていた軍人は仲間らしい男達と会話をしていたのだが、仲間の1人が何かを言うと軍人が勢いよく振り返る。
軍人は二人の姿に気づくと笑みを浮かべながらヒラヒラと手を振りながら軽快な足取りで近づいて来た。
見知らぬ人物、それも軍人が近づいてくることに身構えた若葉とは対照的には母は落ち着き払った雰囲気だ。
「か、母さん!あの人こっち来るけどッ!?」
自分達に軍人の知り合いなどいないため、もしや拘束でもされるのではないか?と思った若葉が母の上着の裾をギュッと掴む。
娘の警戒している姿を見た母は苦笑を浮かべながら答えてくれた。
「大丈夫よ。あの人は知り合いだから」
だから必要以上に警戒しなくても良い、と言われた気がした若葉だったが素直にその言葉に従えるほどの余裕はなかった。
流暢な英語で屈強な男と会話をしている母の姿を若葉は愛想笑いを浮かべながら見つめる事しか出来なかった。
「(随分と楽しそうだなぁ)」
会話の途中で楽しげに声を上げて笑う母の姿から恐らく目の前に居る男の人が再婚相手なのだろうなぁと思いながら若葉は男の姿を盗み見る。
鍛え上げられた肉体とも勿論そうだが、軍服を着ていることから間違い無く軍人だ。
軍の知識が詳しいわけではない若葉は彼がどの部隊に所属しているのかは解らないが、何となくそれなりの地位に良そうな人だなぁと思いながら男の顔を見つめる。
「(来られないって言っていたけど無事に仕事を終わらせてきたのか。あぁ・・・もしかしてアメリカから離れられないってのは嘘で、母さんへのサプライズ出迎えをしたかったのかもしれないな)」
サプライズに関してはアメリカの方が色々と種類豊富だったはずだと若葉は思い出すと、1人で納得したと言うかのようにコクコクと頷く。
少しばかり驚かされたが母の再婚相手と無事に対面できたことに若葉は安堵の息をもらす。
「(それにしても再婚相手がアメリカの軍人だなんて・・・私は母さんが何をしているのか知らなかったけど、軍事的な要因が絡んでいたのなら秘密にするよね)」
仕事に関しては実の子に対しても隠すように厳命されているのか、母が仕事に関して具体的な話をしてくれたことはない。
幼い頃から抱いていた疑問が解消されたというのに若葉は何故かすっきりとした気持ちにはなれなかった。
再婚相手が軍人と言うことは、彼は戦争になれば戦地に赴く。
そうなれば母は最愛の人を喪う可能性がある。
「(それは嫌だなぁ)」
母の泣く顔は見たくはない。
そう思いながら若葉は母親の再婚相手を盗み見る。
母の再婚相手は一言で言うのならばマッチョな美男子だ。
年齢は解らないがきっと母と同い年くらいだろうか?と思う反面、相手は欧米諸国の人であるため見た目から判断するのは危険かもしれない。もしかすると年下かもしれないと思いながら男の顔を見ていると、男の視線が若葉へと向けられる。
「ひぇ・・・」
突然のことに妙な声と共にビクリと肩を震わせた若葉に対し、男は手を差し伸べてくる。
流暢な英語で何やら凄まじい勢いで何かを語る男に対し、若葉は引きつった笑顔を浮かべたまま固まることしか出来ない。
「え・・・えぇっと?」
困惑して固まってしまった若葉に向かい母の再婚相手は手を差し出したままだった為、若葉は恐る恐る差し出された手と自分の手を重ねる。
ゴツゴツとした掌の感触に驚き手を思わず引いてしまいそうになったが、それは失礼だと思い大きな手を握り返すと男は嬉しそうに目を細めて笑う。
2人に対して背を向けて建っていた軍人は仲間らしい男達と会話をしていたのだが、仲間の1人が何かを言うと軍人が勢いよく振り返る。
軍人は二人の姿に気づくと笑みを浮かべながらヒラヒラと手を振りながら軽快な足取りで近づいて来た。
見知らぬ人物、それも軍人が近づいてくることに身構えた若葉とは対照的には母は落ち着き払った雰囲気だ。
「か、母さん!あの人こっち来るけどッ!?」
自分達に軍人の知り合いなどいないため、もしや拘束でもされるのではないか?と思った若葉が母の上着の裾をギュッと掴む。
娘の警戒している姿を見た母は苦笑を浮かべながら答えてくれた。
「大丈夫よ。あの人は知り合いだから」
だから必要以上に警戒しなくても良い、と言われた気がした若葉だったが素直にその言葉に従えるほどの余裕はなかった。
流暢な英語で屈強な男と会話をしている母の姿を若葉は愛想笑いを浮かべながら見つめる事しか出来なかった。
「(随分と楽しそうだなぁ)」
会話の途中で楽しげに声を上げて笑う母の姿から恐らく目の前に居る男の人が再婚相手なのだろうなぁと思いながら若葉は男の姿を盗み見る。
鍛え上げられた肉体とも勿論そうだが、軍服を着ていることから間違い無く軍人だ。
軍の知識が詳しいわけではない若葉は彼がどの部隊に所属しているのかは解らないが、何となくそれなりの地位に良そうな人だなぁと思いながら男の顔を見つめる。
「(来られないって言っていたけど無事に仕事を終わらせてきたのか。あぁ・・・もしかしてアメリカから離れられないってのは嘘で、母さんへのサプライズ出迎えをしたかったのかもしれないな)」
サプライズに関してはアメリカの方が色々と種類豊富だったはずだと若葉は思い出すと、1人で納得したと言うかのようにコクコクと頷く。
少しばかり驚かされたが母の再婚相手と無事に対面できたことに若葉は安堵の息をもらす。
「(それにしても再婚相手がアメリカの軍人だなんて・・・私は母さんが何をしているのか知らなかったけど、軍事的な要因が絡んでいたのなら秘密にするよね)」
仕事に関しては実の子に対しても隠すように厳命されているのか、母が仕事に関して具体的な話をしてくれたことはない。
幼い頃から抱いていた疑問が解消されたというのに若葉は何故かすっきりとした気持ちにはなれなかった。
再婚相手が軍人と言うことは、彼は戦争になれば戦地に赴く。
そうなれば母は最愛の人を喪う可能性がある。
「(それは嫌だなぁ)」
母の泣く顔は見たくはない。
そう思いながら若葉は母親の再婚相手を盗み見る。
母の再婚相手は一言で言うのならばマッチョな美男子だ。
年齢は解らないがきっと母と同い年くらいだろうか?と思う反面、相手は欧米諸国の人であるため見た目から判断するのは危険かもしれない。もしかすると年下かもしれないと思いながら男の顔を見ていると、男の視線が若葉へと向けられる。
「ひぇ・・・」
突然のことに妙な声と共にビクリと肩を震わせた若葉に対し、男は手を差し伸べてくる。
流暢な英語で何やら凄まじい勢いで何かを語る男に対し、若葉は引きつった笑顔を浮かべたまま固まることしか出来ない。
「え・・・えぇっと?」
困惑して固まってしまった若葉に向かい母の再婚相手は手を差し出したままだった為、若葉は恐る恐る差し出された手と自分の手を重ねる。
ゴツゴツとした掌の感触に驚き手を思わず引いてしまいそうになったが、それは失礼だと思い大きな手を握り返すと男は嬉しそうに目を細めて笑う。