10章:金属怪獣大決戦
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誰もが何が起きたのか認識できぬまま呆然と金属の蠍を見つめる事しか出来ずにいた。
けれどその状態から最初に動いたのはドリラーだ。
若葉の膝の上から降りたドリラーの身体がスコルポノックと同じく、大きくぶれた直後、巨大な金属ミミズへと姿を変える。
「え?・・・・・えぇぇぇぇっ!?」
目の前で繰り広げられる金属で出来た者による怪獣戦争。
ドリラーが身体を地面に叩付ければ割れたコンクリートが宙を舞い、スコルポノックが鋭い尾を大きくなぎ払えば壁が砕け破片が四方へと飛ぶ。
この状況にメガトロン、オプティマス、ショックウェーブはそれぞれ必死に蠍とミミズを説得するが、怒りで我を忘れてしまっているらしい2体はその声を無視して相手を排除することに専念する。
「これは拙い」
崩壊する部屋の中で若葉は命の危機を感じ取ると、この場から離れるのがきっと得策だと判断して逃げだそうとしたときだ。
「若葉ッ!!!」
メガトロンの声に若葉はビクッと身体を震わせるとその場で踏鞴を踏む。
何事だと思いメガトロンの方を見ると、顔から血の気を引かせたメガトロンと目が合ったことに若葉は不思議そうに小首を傾げた時だ。
頭上から影が落ちてきたことに気づき視線をゆっくりと頭上へと上げる。
すると視界に飛び込んできたのは自分の元へと崩れ落ちてきている天井だ。
逃げなければ、そう思うのに足はその場に縫い付けられてしまったかのように動くことが出来ず若葉は恐怖で引きつった顔をして落ちてくる破片を見つめる事しか出来ない。
「・・・・ッ」
悲鳴すら満足に上げられない中で若葉の脳裏に浮かんだのは母の顔だ。
母と過ごした日々が次々と浮かんできて、命の危機に迫られた頭は混乱状態になっているためか、一周回って冷静になってしまったらしく「あぁコレが走馬燈というヤツなのだなぁ」と若葉は思いながら立ちすくむ。
「(当たれば痛いよなぁ。というか即死だよね、コレ)」
場違いな程冷静な思考の中で若葉はメガトロンの方を見る。
彼はオプティマスとショックウェーブの制止を振り切って若葉の方へと向かって走ってきていた。
その姿を見て若葉は何故か心から良かったと思えた。
母が選んだ人が、共に生きたいと願った人が、家族になりたいと願った人がメガトロンで良かったと心から祝福しながら若葉は口を開く。
「貴方が優しい人で良かった」
血の繋がらない他人を、義理の娘を助けようと我が身を投げ捨てられる程、心優しい人で良かったと微笑みながら告げた言葉は崩れ落ちる瓦礫の音で聞こえないはずだった。
それなのにその声を拾ったらしいメガトロンの赤い目が大きく見開かれる。
「母のこと、赤ちゃんのこと、よろしくおねがいします」
自分がいなくなったとしても、メガトロンがいるのならば母はきっと大丈夫だ。
生まれてくる子と3人で新たな家庭を築けばきっと母の悲しみも薄れ、そしていつかは癒えていくはずだと思いながら若葉はそっと目を閉じる。
「貴方の顔を見たかったなぁ」
弟なのか、妹なのか、どちらかは解らないがきっと可愛かったのだろうなぁと思いながら若葉は会うことが出来ないまま別れる事になったことを悔いる。
「母さん」
最期に会いたかった。もっと話したいことがたくさんあった。
「(閣下は・・・ううん。父さんは優しい人だよ。だからもう大丈夫だよ)」
願うのならば家族で同じ未来を見て、歩んでいきたかった。
そう思った若葉の目から涙が一筋流れた瞬間、凄まじい轟音が辺り響き渡る。
きっとこの音と共に落ちてきた瓦礫で自分の命は潰える、そのタイミングを今か今かと思いながら身構えていた若葉だったが、一向に訪れない衝撃に恐る恐る目を開いていると大きな金属が自分を守っていることに気づく。
『この愚か者めが』
呆れたような声は聞き取りにくかったのだがメガトロンの同じものであった事に気づいた若葉が顔を上げるとそこには、メガトロンとは似ても似つかない金属のロボットの姿があった。
けれどその状態から最初に動いたのはドリラーだ。
若葉の膝の上から降りたドリラーの身体がスコルポノックと同じく、大きくぶれた直後、巨大な金属ミミズへと姿を変える。
「え?・・・・・えぇぇぇぇっ!?」
目の前で繰り広げられる金属で出来た者による怪獣戦争。
ドリラーが身体を地面に叩付ければ割れたコンクリートが宙を舞い、スコルポノックが鋭い尾を大きくなぎ払えば壁が砕け破片が四方へと飛ぶ。
この状況にメガトロン、オプティマス、ショックウェーブはそれぞれ必死に蠍とミミズを説得するが、怒りで我を忘れてしまっているらしい2体はその声を無視して相手を排除することに専念する。
「これは拙い」
崩壊する部屋の中で若葉は命の危機を感じ取ると、この場から離れるのがきっと得策だと判断して逃げだそうとしたときだ。
「若葉ッ!!!」
メガトロンの声に若葉はビクッと身体を震わせるとその場で踏鞴を踏む。
何事だと思いメガトロンの方を見ると、顔から血の気を引かせたメガトロンと目が合ったことに若葉は不思議そうに小首を傾げた時だ。
頭上から影が落ちてきたことに気づき視線をゆっくりと頭上へと上げる。
すると視界に飛び込んできたのは自分の元へと崩れ落ちてきている天井だ。
逃げなければ、そう思うのに足はその場に縫い付けられてしまったかのように動くことが出来ず若葉は恐怖で引きつった顔をして落ちてくる破片を見つめる事しか出来ない。
「・・・・ッ」
悲鳴すら満足に上げられない中で若葉の脳裏に浮かんだのは母の顔だ。
母と過ごした日々が次々と浮かんできて、命の危機に迫られた頭は混乱状態になっているためか、一周回って冷静になってしまったらしく「あぁコレが走馬燈というヤツなのだなぁ」と若葉は思いながら立ちすくむ。
「(当たれば痛いよなぁ。というか即死だよね、コレ)」
場違いな程冷静な思考の中で若葉はメガトロンの方を見る。
彼はオプティマスとショックウェーブの制止を振り切って若葉の方へと向かって走ってきていた。
その姿を見て若葉は何故か心から良かったと思えた。
母が選んだ人が、共に生きたいと願った人が、家族になりたいと願った人がメガトロンで良かったと心から祝福しながら若葉は口を開く。
「貴方が優しい人で良かった」
血の繋がらない他人を、義理の娘を助けようと我が身を投げ捨てられる程、心優しい人で良かったと微笑みながら告げた言葉は崩れ落ちる瓦礫の音で聞こえないはずだった。
それなのにその声を拾ったらしいメガトロンの赤い目が大きく見開かれる。
「母のこと、赤ちゃんのこと、よろしくおねがいします」
自分がいなくなったとしても、メガトロンがいるのならば母はきっと大丈夫だ。
生まれてくる子と3人で新たな家庭を築けばきっと母の悲しみも薄れ、そしていつかは癒えていくはずだと思いながら若葉はそっと目を閉じる。
「貴方の顔を見たかったなぁ」
弟なのか、妹なのか、どちらかは解らないがきっと可愛かったのだろうなぁと思いながら若葉は会うことが出来ないまま別れる事になったことを悔いる。
「母さん」
最期に会いたかった。もっと話したいことがたくさんあった。
「(閣下は・・・ううん。父さんは優しい人だよ。だからもう大丈夫だよ)」
願うのならば家族で同じ未来を見て、歩んでいきたかった。
そう思った若葉の目から涙が一筋流れた瞬間、凄まじい轟音が辺り響き渡る。
きっとこの音と共に落ちてきた瓦礫で自分の命は潰える、そのタイミングを今か今かと思いながら身構えていた若葉だったが、一向に訪れない衝撃に恐る恐る目を開いていると大きな金属が自分を守っていることに気づく。
『この愚か者めが』
呆れたような声は聞き取りにくかったのだがメガトロンの同じものであった事に気づいた若葉が顔を上げるとそこには、メガトロンとは似ても似つかない金属のロボットの姿があった。