10章:金属怪獣大決戦
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「駄目だ」
「・・・・えぇぇぇ。やっぱり?」
「お前はドリラーの友達になって貰う」
ショックウェーブの中では既にドリラーと若葉が友達になるのは決定事項らしく、どんなにここで若葉が拒否しようとも未来を変えるのは難しそうだった。
脳裏に浮かぶのはミミズと一緒に遊ぶ自分の姿で、それに対して若葉は「ないな」と判断を下すと口を開く。
「そもそも何故私なんですか?」
「お前は俺を優しいと言っただろう?」
優しい。
その言葉をショックウェーブに言ったときのことを若葉は必死に思い出していると、確かに彼に対してそう告げた事があるのを思い出す。
「ドリラーも同じ事を言った」
「な、なるほど?」
「俺に対し同じものを見いだしたお前達ならば、きっと価値観が似ているから良き友になれると判断を下した。それ以外にもお前は周りの事をよく見ているから、ドリラーがミスをしてもフォローをするだろう。そしてドリラーはお前の命を脅かすモノを排除する。これぞまさに友情だ」
ノンブレスでそう告げたショックウェーブの言葉に対し若葉は何も言い返すことが出来ぬまま、ただ黙ってショックウェーブの顔を見つめる事しか出来なかった。
けれどこうしてここで大人しく言い分を受け入れ、ドリラーのお友達とやらになってしまえば色々な意味で自分はヤバいと判断する。
「流石にミミズとお友達になるのはちょっと難易度が高すぎですって」
若葉の言葉を聞いたショックウェーブは何を言っているのだ?と言うかのような顔をして小首を傾げた。
「ドリラーならばそこに居るだろう?」
「へ?」
ショックウェーブが示した場所、そこには若葉に抱きつくようにして眠っている子供の姿があった。
冗談がきついな、そう思った若葉が否定しようとするよりも早くショックウェーブは子どもに向かい話しかける。
「ドリラー起動」
「はい。我が主」
先程まで眠っていたのが嘘かと思える程、スッと起きた子どもは閉じていた目を開くとショックウェーブを見つめる。
何が起こっているのか全く解らない若葉はポカンと口を開けて目の前の光景を黙って見つめる事しか出来ない。
ドリラーとはミミズとこの子どもの名前なのか?どちらが先に名前をつけられたのだろうか?ミミズ?子ども?どっちにしても同じ名前をつけるとか酷くない?と混乱する頭でそう考えていたときだ。
「若葉」
「ッ!?は、はい!!!」
「ミミズでなければ問題ないのだろう?」
淡々とした声で言われ言葉に対して若葉は返す言葉を見つけられない。
困惑を隠せぬまま目を彷徨わせていると、ジッと自分を見つめてくるドリラーと目が合う。大きな赤い目が若葉を凝視しており、幼気な子どもの眼差しには微かな期待が込められていることに気づいた若葉は、視線を逸らすことが出来ない。
「ドリラーと友達になってくれるな?」
嫌だとは言わせぬ雰囲気を纏いながら言われた言葉、否、命令に対して若葉は顔を引きつらせながらコクリと頷く。
「よ、よろこんでー」
若葉は自分の頭の中で盛大に白旗が上げられたのを感じ取っていた。