7章:母が隠していた秘密
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広い廊下から一歩だけ室内へと足を踏み入れて最初に感じたのは病室特有の消毒液の臭いだった事から、若葉は無意識の内に肩に力を入れてしまったときだ。
「若葉ちゃん?」
「うん。私・・・あのさ、そっちに行っても良い?」
「えぇ。勿論よ」
閉じられていたカーテン越しから若葉の名を呼ぶ声がした。
いつも聞き慣れていた声が微かに擦れている事に若葉は気づく。
そんなにも体調が悪いのだろうか?
もしかすると何か厄介な病気にかかってしまったのではないだろうか?
そんな疑問が次々と浮かんではソレを必死に否定するのだが、先程聞いた母の声が嫌な方へと物事を考えさせ、頭の中を埋め尽くしていく感覚に若葉は声を上げて泣きたくなる。
「若葉ちゃん。こっちに来てくれないの?」
中々自分の元に来ない娘に気づいた母が誘いを掛けてくれる。
母の声には力がこもっておらず、とても弱々しい声音に若葉はやはり母は悪い病にかかってしまったのだ。だからこんなにも苦しんでいるのだと理解した直後、若葉の目から一気に涙が溢れ出す。
泣いては駄目だ、そう思い必死に涙を止めようとするのに何故か涙は全くと言って良い程止らない。
「どうした?」
一向に入ってこない若葉に痺れを切らしたらしいメガトロンが閉じられていたカーテンを開いた瞬間、無言のまま号泣する若葉の顔を見て何が起こっているのか理解出来ず呆然とした顔をして固まってしまう。
「母さん、何か悪い病気なんでしょ?」
嗚咽を交えながら若葉は問いかける。
その言葉に母とメガトロンは唖然とした顔をしていたが、呆けている場合では無いと判断するとどちらともなく視線を交わす。
無言のままアイコンタクトをする二人の様子を見た若葉は、やはりそうなのだ、と判断すると目元を濡らしている涙を手の甲で乱暴に拭う。
「心配させちゃったみたいね」
「するよ」
「そうだよね・・・うん。ごめんね、若葉。貴方を不安にさせないよう、もっと早くに話しておくべきだった」
ベッドから起き上がろうとした母に気づいたメガトロンが母を手助けするかのように背中に腕を回す。
青ざめた顔をしている母と目が合った若葉は母のベッドに近づく。
今の口ぶりだと母はだいぶ前から自分の身に起きていた事を知っており、そしてそれを今まで伏せていたのだ。
「私は病気ではないから安心して」
「嘘だ。だって、病気じゃないならあんな風に苦しむのはおかしいよ」
「・・・そうね。確かに車の中で苦しんでいた姿を見て、病気じゃ無いって言われて納得できないか」
困ったように眦を下げて告げた母は悩む。
どうやって娘をこれ以上悲しませずに自分の事情を伝えるのがベストなのか?そう考えている母の顔を若葉は黙って見つめる事しか出来ない。
いっその事気遣わずに本当の事を言って欲しいのに、娘の気持ちなんて配慮せずにはっきり言ってくれれば良いのにと若葉が思った時だ。
「若葉」
「何?」
「母さんね、妊娠しているの」
サラリと告げられた言葉にを聞いた瞬間、若葉は何を言われたのか理解出来なかった。
「若葉ちゃん?」
「うん。私・・・あのさ、そっちに行っても良い?」
「えぇ。勿論よ」
閉じられていたカーテン越しから若葉の名を呼ぶ声がした。
いつも聞き慣れていた声が微かに擦れている事に若葉は気づく。
そんなにも体調が悪いのだろうか?
もしかすると何か厄介な病気にかかってしまったのではないだろうか?
そんな疑問が次々と浮かんではソレを必死に否定するのだが、先程聞いた母の声が嫌な方へと物事を考えさせ、頭の中を埋め尽くしていく感覚に若葉は声を上げて泣きたくなる。
「若葉ちゃん。こっちに来てくれないの?」
中々自分の元に来ない娘に気づいた母が誘いを掛けてくれる。
母の声には力がこもっておらず、とても弱々しい声音に若葉はやはり母は悪い病にかかってしまったのだ。だからこんなにも苦しんでいるのだと理解した直後、若葉の目から一気に涙が溢れ出す。
泣いては駄目だ、そう思い必死に涙を止めようとするのに何故か涙は全くと言って良い程止らない。
「どうした?」
一向に入ってこない若葉に痺れを切らしたらしいメガトロンが閉じられていたカーテンを開いた瞬間、無言のまま号泣する若葉の顔を見て何が起こっているのか理解出来ず呆然とした顔をして固まってしまう。
「母さん、何か悪い病気なんでしょ?」
嗚咽を交えながら若葉は問いかける。
その言葉に母とメガトロンは唖然とした顔をしていたが、呆けている場合では無いと判断するとどちらともなく視線を交わす。
無言のままアイコンタクトをする二人の様子を見た若葉は、やはりそうなのだ、と判断すると目元を濡らしている涙を手の甲で乱暴に拭う。
「心配させちゃったみたいね」
「するよ」
「そうだよね・・・うん。ごめんね、若葉。貴方を不安にさせないよう、もっと早くに話しておくべきだった」
ベッドから起き上がろうとした母に気づいたメガトロンが母を手助けするかのように背中に腕を回す。
青ざめた顔をしている母と目が合った若葉は母のベッドに近づく。
今の口ぶりだと母はだいぶ前から自分の身に起きていた事を知っており、そしてそれを今まで伏せていたのだ。
「私は病気ではないから安心して」
「嘘だ。だって、病気じゃないならあんな風に苦しむのはおかしいよ」
「・・・そうね。確かに車の中で苦しんでいた姿を見て、病気じゃ無いって言われて納得できないか」
困ったように眦を下げて告げた母は悩む。
どうやって娘をこれ以上悲しませずに自分の事情を伝えるのがベストなのか?そう考えている母の顔を若葉は黙って見つめる事しか出来ない。
いっその事気遣わずに本当の事を言って欲しいのに、娘の気持ちなんて配慮せずにはっきり言ってくれれば良いのにと若葉が思った時だ。
「若葉」
「何?」
「母さんね、妊娠しているの」
サラリと告げられた言葉にを聞いた瞬間、若葉は何を言われたのか理解出来なかった。