6章:急変
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メガトロンの赤い目がこれ以上無いと言う程、大きく見開かれているのを若葉はジッと見つめることしかできずにいた。
出会ってからずっと冷静沈着で表情をそれほど変えることが無かったメガトロンも、心底驚けばこんな風に目を開くのだなぁと若葉が場違いな事を考えていた時だった。
「い、今・・・何と言った?」
自らの聞き間違いではないだろうか?そう言いたげなニュアンスで問うメガトロンに対し、若葉は可笑しな事を言っただろうか?という疑問を抱きながら口を開く。
「閣下と呼びました」
至極当たり前のことのように答えた若葉は言い終えた後にコテンと小首を傾げながらメガトロンを見上げる。
若葉としてはメガトロンの事を敬称をつけたとしても名前で呼ぶ事は何となくだがしてはいけないような気がしたのと、父と呼ぶには今はまだ覚悟が出来てはいない。
けれど今まで使っていた”貴方”という呼び方は本人があまり好ましく思っていないことだけは理解出来たため、そうなってくると若葉の選択肢というものはかなり無くなってしまう。
先程のスタースクリームもそうだったが、メガトロンの職場では彼の事を閣下と呼んでいる者達が何人か居た。ここが軍事施設ということもあり、若葉はその呼び方に対して抵抗を抱くことは無く受け入れており、そしてその容認は無意識の内に若葉の中に浸透してしまった。
「えぇっと・・・いけませんでしたか?」
メガトロンの顔を見つめながら若葉が縋るような声音で問いかける。
どうみても悪気があって言った言葉でも無く、そして困らせようとしているようにも見えないため、メガトロン自身もどうやって閣下呼びを止めさせようかと考えるが上手く説得できそうにない。
部下であるディセプティコン達から閣下と呼ばれる事は当たり前であったが、まさか義理の娘になるだろう者からそう呼ばれるとは流石のメガトロンも想像すらしていなかったらしく、怒っているかのような、けれどどこか悲しそうな何とも複雑な顔をして必死に言葉を探す。
「・・・他に、呼び方はないか?」
「本当は父と呼ぶ出来なんでしょうけれど、まだ少しだけそう呼ぶには時間が必要みたいで・・・えぇっとメガトロンさん、と呼んだ方が良いですか?」
名前に敬称をつけて呼ぶ、という事に対して若葉の顔が曇る。
メガトロン本人も名前に敬称をつけて呼ばれる事は今まで生きてきてあまり無いため、背中がむずがゆいような何とも不快な感覚が全身に広がったので、その感覚を消すかのようにメガトロンはこめかみの辺りに指を添えるとその部分をグリグリと押しながら答えた。
「メガトロンさんは無しだ」
「ありがとうございます」
少しだけホッとしたような顔をした若葉に気づいたメガトロンは胸をなで下ろした時だ。
治療室のドアが開き、ラチェットが顔を現す。
ラチェットはいつの間にか若葉がいた事に驚いたように一瞬目を開いたが、すぐに優しげな笑みを浮かべると二人の元へと近づいてきた。
「アイツは無事か?」
「あぁ、的確な処置を行ったから安定している。後でどのような処置をしたのかデータをあげておくから目を通しておくといい。念のため、今夜はこのまま休ませようと思うのだが構わないか?」
「解った。必要な物を後で運んでくる」
母の無事を聞いたメガトロンの肩から力が抜けたことにラチェットは気づいたが、ソレに気づかぬふりを選ぶ。
ラチェットの知っているメガトロンという存在は誰かの安否、それも見下している人間の事を気にするような性格をしてはいなかった。
「眠っているから会話は出来ないが顔を見てくると良い」
「・・・感謝する」
すれ違った際に小さな声ではあったが聞こえてきた言葉にラチェットは何も言わずに一つだけ頷くと、次の問題を処理するために視線を動かす。
出会ってからずっと冷静沈着で表情をそれほど変えることが無かったメガトロンも、心底驚けばこんな風に目を開くのだなぁと若葉が場違いな事を考えていた時だった。
「い、今・・・何と言った?」
自らの聞き間違いではないだろうか?そう言いたげなニュアンスで問うメガトロンに対し、若葉は可笑しな事を言っただろうか?という疑問を抱きながら口を開く。
「閣下と呼びました」
至極当たり前のことのように答えた若葉は言い終えた後にコテンと小首を傾げながらメガトロンを見上げる。
若葉としてはメガトロンの事を敬称をつけたとしても名前で呼ぶ事は何となくだがしてはいけないような気がしたのと、父と呼ぶには今はまだ覚悟が出来てはいない。
けれど今まで使っていた”貴方”という呼び方は本人があまり好ましく思っていないことだけは理解出来たため、そうなってくると若葉の選択肢というものはかなり無くなってしまう。
先程のスタースクリームもそうだったが、メガトロンの職場では彼の事を閣下と呼んでいる者達が何人か居た。ここが軍事施設ということもあり、若葉はその呼び方に対して抵抗を抱くことは無く受け入れており、そしてその容認は無意識の内に若葉の中に浸透してしまった。
「えぇっと・・・いけませんでしたか?」
メガトロンの顔を見つめながら若葉が縋るような声音で問いかける。
どうみても悪気があって言った言葉でも無く、そして困らせようとしているようにも見えないため、メガトロン自身もどうやって閣下呼びを止めさせようかと考えるが上手く説得できそうにない。
部下であるディセプティコン達から閣下と呼ばれる事は当たり前であったが、まさか義理の娘になるだろう者からそう呼ばれるとは流石のメガトロンも想像すらしていなかったらしく、怒っているかのような、けれどどこか悲しそうな何とも複雑な顔をして必死に言葉を探す。
「・・・他に、呼び方はないか?」
「本当は父と呼ぶ出来なんでしょうけれど、まだ少しだけそう呼ぶには時間が必要みたいで・・・えぇっとメガトロンさん、と呼んだ方が良いですか?」
名前に敬称をつけて呼ぶ、という事に対して若葉の顔が曇る。
メガトロン本人も名前に敬称をつけて呼ばれる事は今まで生きてきてあまり無いため、背中がむずがゆいような何とも不快な感覚が全身に広がったので、その感覚を消すかのようにメガトロンはこめかみの辺りに指を添えるとその部分をグリグリと押しながら答えた。
「メガトロンさんは無しだ」
「ありがとうございます」
少しだけホッとしたような顔をした若葉に気づいたメガトロンは胸をなで下ろした時だ。
治療室のドアが開き、ラチェットが顔を現す。
ラチェットはいつの間にか若葉がいた事に驚いたように一瞬目を開いたが、すぐに優しげな笑みを浮かべると二人の元へと近づいてきた。
「アイツは無事か?」
「あぁ、的確な処置を行ったから安定している。後でどのような処置をしたのかデータをあげておくから目を通しておくといい。念のため、今夜はこのまま休ませようと思うのだが構わないか?」
「解った。必要な物を後で運んでくる」
母の無事を聞いたメガトロンの肩から力が抜けたことにラチェットは気づいたが、ソレに気づかぬふりを選ぶ。
ラチェットの知っているメガトロンという存在は誰かの安否、それも見下している人間の事を気にするような性格をしてはいなかった。
「眠っているから会話は出来ないが顔を見てくると良い」
「・・・感謝する」
すれ違った際に小さな声ではあったが聞こえてきた言葉にラチェットは何も言わずに一つだけ頷くと、次の問題を処理するために視線を動かす。