6章:急変
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ガタガタと怯えながらそっとメガトロンの様子を盗み見たスタースクリームだったが、それをしたことを激しく後悔する。
スタースクリームの視界に映ったメガトロンは、至極楽しそうにゆっくりと口角を持ち上げて笑っていた。
その笑みを見たスタースクリームの顔から血の気が引いていく。
メガトロンがそういった笑みを浮かべるとき、ソレは確実に彼の逆鱗に触れた瞬間である事を長い付き合いからスタースクリームは理解していた。
「他に頼めそうな者が居なかったとは言え、貴様に世話を任せたのは間違いだったな・・・後で話がある。俺が呼び出すまで格納庫で待機しておけ。あぁ、間違っても逃げてくれるなよ?」
「は、はい。閣下」
「解ったらさっさとここから去れ」
絶望した顔をして掠れた声でスタースクリームは返事をすると、ふらふらとした足取りでメガトロンの前から立ち去っていく。
脅威が去ったことに若葉は肺の中の空気を全て吐き出すかのような、ため息をこぼした時だ。
自分の手が何かを掴んでいることに若葉は気づく。
「・・・・」
そっと視線を自身の手へと向けてみれば、そこには男の上着をしっかりと握っている自分の手があったことから、やってしまったと若葉は思いながら恐る恐る視線をあげていくと男の赤い目と視線がかち合う。
男は若葉が自身の上着を掴んでいることが意外だったらしく、少しばかり目を見開いて若葉を見つめているだけだ。
しばしの間、互いに相手の顔を見たまま何一つ物を言わず、そして身じろぎ一つしなかった二人であったが先に動いたのは若葉だ。
「あの、すみませんでした」
上着から手を離した若葉の口から出たのは謝罪だった。
その言葉を聞いた男は少しの間無言だったが、はぁっと一つため息を吐くと若葉の頭の上に手を置く。
「・・・あの愚か者がお前に何をしたのかは報告を受けている。俺の人選ミスだ。お前のせいではない」
大きな手がぎこちなく若葉の頭を撫でる。
その手の動きから怒ってはいないのだと言うかのように感じられた若葉は、男の顔をジッと見上げる。
「母親を理由に閣下を拒絶するか」
若葉の頭の中にスタースクリームの言葉が響く。
今になって言われた言葉の意味を若葉は理解する。
言い方や言葉に含まれる感情には悪意があったが、それでも彼の言った言葉はある意味で正論だ。
ここに来るための手段、ここで暮す間の面倒、それら全てを担ってくれたのは目の前に居る男だ。不器用ながらも精一杯、若葉という人間に対して配慮してくれていたというのに、自分はそんな彼の対応を拒絶するかのような行動ばかり取ってきていた。
子供じみた感情と行動で愚かとしか言いようがない。
「私、ずっと貴方に対して迷惑を掛けて、そして失礼な態度ばかりで・・・」
「気にするな。前にも言ったが俺も少し焦っていた。俺達は出会ってまだ数日しか経っていないというのに、すぐにでも家族になどなれはしない。お前の気持ちが落ち着き、整理がつくまで俺は待つ。まぁ欲を言うのならばいい加減”貴方”と呼ぶのを止めて欲しいものだがな」
苦笑交じりに言われた言葉に若葉はそれもそうかもしれないなぁ、と思うと一つ頷く。
けれどだからと言ってこの男を「父さん」と呼ぶ事には少しばかり抵抗があり、どうしたものかと考えていた時、ふと脳裏にある言葉が浮かんだ。
「解りました。これからは閣下とお呼びします」
良い考えだと言うかのように満面の笑みを浮かべて若葉がそう告げた瞬間、メガトロンの顔は全ての行動を停止した。
スタースクリームの視界に映ったメガトロンは、至極楽しそうにゆっくりと口角を持ち上げて笑っていた。
その笑みを見たスタースクリームの顔から血の気が引いていく。
メガトロンがそういった笑みを浮かべるとき、ソレは確実に彼の逆鱗に触れた瞬間である事を長い付き合いからスタースクリームは理解していた。
「他に頼めそうな者が居なかったとは言え、貴様に世話を任せたのは間違いだったな・・・後で話がある。俺が呼び出すまで格納庫で待機しておけ。あぁ、間違っても逃げてくれるなよ?」
「は、はい。閣下」
「解ったらさっさとここから去れ」
絶望した顔をして掠れた声でスタースクリームは返事をすると、ふらふらとした足取りでメガトロンの前から立ち去っていく。
脅威が去ったことに若葉は肺の中の空気を全て吐き出すかのような、ため息をこぼした時だ。
自分の手が何かを掴んでいることに若葉は気づく。
「・・・・」
そっと視線を自身の手へと向けてみれば、そこには男の上着をしっかりと握っている自分の手があったことから、やってしまったと若葉は思いながら恐る恐る視線をあげていくと男の赤い目と視線がかち合う。
男は若葉が自身の上着を掴んでいることが意外だったらしく、少しばかり目を見開いて若葉を見つめているだけだ。
しばしの間、互いに相手の顔を見たまま何一つ物を言わず、そして身じろぎ一つしなかった二人であったが先に動いたのは若葉だ。
「あの、すみませんでした」
上着から手を離した若葉の口から出たのは謝罪だった。
その言葉を聞いた男は少しの間無言だったが、はぁっと一つため息を吐くと若葉の頭の上に手を置く。
「・・・あの愚か者がお前に何をしたのかは報告を受けている。俺の人選ミスだ。お前のせいではない」
大きな手がぎこちなく若葉の頭を撫でる。
その手の動きから怒ってはいないのだと言うかのように感じられた若葉は、男の顔をジッと見上げる。
「母親を理由に閣下を拒絶するか」
若葉の頭の中にスタースクリームの言葉が響く。
今になって言われた言葉の意味を若葉は理解する。
言い方や言葉に含まれる感情には悪意があったが、それでも彼の言った言葉はある意味で正論だ。
ここに来るための手段、ここで暮す間の面倒、それら全てを担ってくれたのは目の前に居る男だ。不器用ながらも精一杯、若葉という人間に対して配慮してくれていたというのに、自分はそんな彼の対応を拒絶するかのような行動ばかり取ってきていた。
子供じみた感情と行動で愚かとしか言いようがない。
「私、ずっと貴方に対して迷惑を掛けて、そして失礼な態度ばかりで・・・」
「気にするな。前にも言ったが俺も少し焦っていた。俺達は出会ってまだ数日しか経っていないというのに、すぐにでも家族になどなれはしない。お前の気持ちが落ち着き、整理がつくまで俺は待つ。まぁ欲を言うのならばいい加減”貴方”と呼ぶのを止めて欲しいものだがな」
苦笑交じりに言われた言葉に若葉はそれもそうかもしれないなぁ、と思うと一つ頷く。
けれどだからと言ってこの男を「父さん」と呼ぶ事には少しばかり抵抗があり、どうしたものかと考えていた時、ふと脳裏にある言葉が浮かんだ。
「解りました。これからは閣下とお呼びします」
良い考えだと言うかのように満面の笑みを浮かべて若葉がそう告げた瞬間、メガトロンの顔は全ての行動を停止した。