6章:急変
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
何の会話も無いまま若葉はメガトロンと共に広い通路を歩いていた。
時折すれ違う軍人達が興味津々というかのような視線を向けてくるが、メガトロンが睨み付ければ彼等は一斉に視線を逸らす。
「あの」
「なんだ?」
「・・・今日はすみませんでした。私は迷惑ばかりを」
「お前が悪いのでは無い。俺の配慮不足だ」
振り返ること無く返される言葉は素っ気ない。
これはもしかすると怒っているのかもしれない、そう思った若葉がメガトロンの背中をジッと見つめているとよどみなく動いていたメガトロンの足が止る。
「・・・・少し、焦っていた」
振り返ったメガトロンは若葉の顔を見下ろす。
泣いてしまったが故に微かに腫れている目元を見たメガトロンは痛々しいと言うかのように目を細めると、若葉の目元へとそっと手を伸ばす。
まるで壊れ物に触れるかのような手つきに若葉は緊張し、ピッと背筋を伸ばしてメガトロンの行動を受け入れる。
「お前にアイツとの結婚を認めて欲しいが故に、お前との関係を築こうと焦りすぎていた・・・お前の気持ちを置き去りにして」
そっと何度も目元をなぞるメガトロンの手つきは涙を拭ってくれたオプティマスと比べるとぎこちない。
「俺に出来る事ならば償おう。何をしたらお前の気持ちは安らぐ?」
やり方は解らないが、必死に寄り添おうとしてくれるメガトロンに気づいた若葉は、気づけば自分の目元に触れているメガトロンの手に自分の手を重ねていた。
「母を大切にして下さい。それだけが、私の望みです。母が貴方と一緒に居られて幸せだと解ったのならば、私はそれだけで十分ですから」
頬に触れていたメガトロンの手を離しながら若葉はぎこちなく微笑む。
不器用ではあるが誠実さを残しているこの人ならば、メガトロンならばきっと母を今後も支え、そして時には守ってくれるだろうと若葉は思えた。
「母のことよろしくお願いします」
深々と頭を下げた若葉は先程ラチェットから貰った地図を手に取ると、メガトロンが普段居るだろう場所へと向かって歩き出す。
遠ざかっていく若葉の後ろ姿をメガトロンは黙って見つめる事しか出来ない。
「メガトロン、あの子から目を離さない方が良い。可能な限り誰かを監視として置いておいた方が良いだろう。博士と君の意見が一致しているのならば、あの子は君達のどちらかと常に行動を共にした方が良いと私は判断する。・・・今のあの子は危うい。選択を間違えばあの子は君達が幸せになる為に自分を切捨てるタイプだ。そういった者達がどのような形で命を潰えたのか知らないわけではないだろう?」
ラチェットの言葉の意味が今になってメガトロンには理解が出来た。
「お前の未来には俺達は居ないのだな」
そうすることこそがまるで正しいと言うかのように、自分を切捨ててた若葉の言葉にメガトロンは深々とため息を吐く。
「アイツの事に関して話すことは今は得策ではないか」
ソレはメガトロンにとっても嬉しい誤算ではあったが、今の若葉にとっては最も報告をしてはいけないことだと判断する。
「あの子への報告はもう少ししてからするわ。あの子が貴方を父として認めたらね」
嬉しさと少しばかりの恐怖を抱きながらそう言った愛しい人の姿を思い出しながらメガトロンは自分の抱いたモノの重たさを実感していた。
時折すれ違う軍人達が興味津々というかのような視線を向けてくるが、メガトロンが睨み付ければ彼等は一斉に視線を逸らす。
「あの」
「なんだ?」
「・・・今日はすみませんでした。私は迷惑ばかりを」
「お前が悪いのでは無い。俺の配慮不足だ」
振り返ること無く返される言葉は素っ気ない。
これはもしかすると怒っているのかもしれない、そう思った若葉がメガトロンの背中をジッと見つめているとよどみなく動いていたメガトロンの足が止る。
「・・・・少し、焦っていた」
振り返ったメガトロンは若葉の顔を見下ろす。
泣いてしまったが故に微かに腫れている目元を見たメガトロンは痛々しいと言うかのように目を細めると、若葉の目元へとそっと手を伸ばす。
まるで壊れ物に触れるかのような手つきに若葉は緊張し、ピッと背筋を伸ばしてメガトロンの行動を受け入れる。
「お前にアイツとの結婚を認めて欲しいが故に、お前との関係を築こうと焦りすぎていた・・・お前の気持ちを置き去りにして」
そっと何度も目元をなぞるメガトロンの手つきは涙を拭ってくれたオプティマスと比べるとぎこちない。
「俺に出来る事ならば償おう。何をしたらお前の気持ちは安らぐ?」
やり方は解らないが、必死に寄り添おうとしてくれるメガトロンに気づいた若葉は、気づけば自分の目元に触れているメガトロンの手に自分の手を重ねていた。
「母を大切にして下さい。それだけが、私の望みです。母が貴方と一緒に居られて幸せだと解ったのならば、私はそれだけで十分ですから」
頬に触れていたメガトロンの手を離しながら若葉はぎこちなく微笑む。
不器用ではあるが誠実さを残しているこの人ならば、メガトロンならばきっと母を今後も支え、そして時には守ってくれるだろうと若葉は思えた。
「母のことよろしくお願いします」
深々と頭を下げた若葉は先程ラチェットから貰った地図を手に取ると、メガトロンが普段居るだろう場所へと向かって歩き出す。
遠ざかっていく若葉の後ろ姿をメガトロンは黙って見つめる事しか出来ない。
「メガトロン、あの子から目を離さない方が良い。可能な限り誰かを監視として置いておいた方が良いだろう。博士と君の意見が一致しているのならば、あの子は君達のどちらかと常に行動を共にした方が良いと私は判断する。・・・今のあの子は危うい。選択を間違えばあの子は君達が幸せになる為に自分を切捨てるタイプだ。そういった者達がどのような形で命を潰えたのか知らないわけではないだろう?」
ラチェットの言葉の意味が今になってメガトロンには理解が出来た。
「お前の未来には俺達は居ないのだな」
そうすることこそがまるで正しいと言うかのように、自分を切捨ててた若葉の言葉にメガトロンは深々とため息を吐く。
「アイツの事に関して話すことは今は得策ではないか」
ソレはメガトロンにとっても嬉しい誤算ではあったが、今の若葉にとっては最も報告をしてはいけないことだと判断する。
「あの子への報告はもう少ししてからするわ。あの子が貴方を父として認めたらね」
嬉しさと少しばかりの恐怖を抱きながらそう言った愛しい人の姿を思い出しながらメガトロンは自分の抱いたモノの重たさを実感していた。