42章:貴方は貴方
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ネメシスと他愛ない会話を交わす若葉は奇妙な感覚を抱いていた。
目の前にいる者の顔や何気ない仕草はオプティマスと同じではあるが、何気ない問いかけの返答は若葉にとって耳に痛い的確な答えだったり、他人を突き放しているかのような言動をしているがその人を慮っているものだったりした。
気づけるようで気づけない優しさに若葉が気づいた時だ。
「そろそろ終わりだな。お前を心配している奴らの限界が近い」
無言のままネメシスが視線を向けた先にいるのはサイドウェイズだ。
心配そうな顔をして立っている彼の後ろにはサムとケイドの姿もある。少し離れたところに待機しているバンブルビーであるが彼の武装は解かれておらず、少しでもネメシスが可笑しな行動をしたのならばすぐさま攻撃してくることは明白だ。
「ここで求められているのは俺ではない。そろそろ、戻る時間だな」
目的のためには手段を問わない者ではなく、誰かのために戦える者が必要とされている。
当然だと言うかのようなネメシスの言動に若葉は思わず声を出す。
「あと一つだけ聞いてもらっても良いですか?」
「なんだ?」
「私は戻るというのは違うと思います」
そもそもオプティマスもネメシスも同一人物なのだ。
コインの表と裏を切り分けることは出来ない。
「オプティマスさんもネメシスさんも私にとっては同じ人ですから」
どちらが表に出てこようとも若葉にとっては二人は同じ存在だ。
そう告げた瞬間、ネメシスは今にも泣き出しそうに顔歪めると若葉を抱きしめる。
力強い腕が背中に回り、伝わってくる誰かの体温と匂い。
縋るように抱きしめてくるネメシスに向かい若葉は無言のまま広い背中へと腕を回す。
「お前を苦しめるつもりも、悲しませるつもりも……泣かせるつもりもなかった」
懺悔のように語られる不器用な謝罪に若葉は苦笑を浮かべる。
「私も色々と酷いことを言いました。だから、お互い様って事で」
筋肉質な背中を手でバシバシと叩きながら若葉が告げた言葉にネメシスが喉の奥で微かに笑う。
「センチネルには気をつけろ。アイツは諦めが悪い。まだ色々と手札を持っている」
「解りました」
「お前はもっと自分を大切にしろ。お前はお前が思っているよりも愛されている」
「そうでしょうか?」
不安げに語尾を震わせた若葉に気づいたネメシスは若葉から離れる。
少し離れたところで待機しているサイドウェイズへと視線を向けた後、ニィッと嫌な笑みを浮かべると若葉の頬に唇を落とす。
ソレを見たサイドウェイズが声にならない悲鳴を上げる。
一寸遅れて自分が何をされたのか理解した若葉は頬を赤くしながらネメシスを睨めつけた。
「なにするの!!」
「愛されている自覚していないようだったからな」
小馬鹿にするかのように鼻で嗤ったネメシスに対し、若葉はキスされた頬を手で押さえながら何も言えずに口を開いては閉じる事しかできずにいた。
自分には決して見せなかった若葉の感情。
きっとこれからも向けられることはない、そう理解したネメシスのスパークが微かに軋み、痛みを発した。
「若葉」
名を呼びながら先ほどキスした場所を指先で撫でる。
「感謝する」
酷く穏やかな顔をして微笑んだネメシスがゆっくりと目を閉じる。
少しの間、そうしていたネメシスであったが閉じられていた瞼が開かれ、現れた色は見慣れた青であったことに気づいた若葉は上手く感情を顔に出すことが出来なかった。
そんな若葉に気づいたオプティマスは穏やかに微笑みながら若葉を優しく自身の胸元に引き寄せた。
「若葉嬢」
いつものオプティマスならば若葉を安心させるかのように抱きしめてくれていたが、今の彼は違う。
優しさに縋るようにオプティマスは抱きしめる。
「ありがとう」
オプティマスとネメシスを否定することなく受け入れてくれた。
ただ、それだけが嬉しいと言うかのように、望んでいた事だったかのようにオプティマスは感謝の気持ちを告げながら若葉を抱きしめた。
目の前にいる者の顔や何気ない仕草はオプティマスと同じではあるが、何気ない問いかけの返答は若葉にとって耳に痛い的確な答えだったり、他人を突き放しているかのような言動をしているがその人を慮っているものだったりした。
気づけるようで気づけない優しさに若葉が気づいた時だ。
「そろそろ終わりだな。お前を心配している奴らの限界が近い」
無言のままネメシスが視線を向けた先にいるのはサイドウェイズだ。
心配そうな顔をして立っている彼の後ろにはサムとケイドの姿もある。少し離れたところに待機しているバンブルビーであるが彼の武装は解かれておらず、少しでもネメシスが可笑しな行動をしたのならばすぐさま攻撃してくることは明白だ。
「ここで求められているのは俺ではない。そろそろ、戻る時間だな」
目的のためには手段を問わない者ではなく、誰かのために戦える者が必要とされている。
当然だと言うかのようなネメシスの言動に若葉は思わず声を出す。
「あと一つだけ聞いてもらっても良いですか?」
「なんだ?」
「私は戻るというのは違うと思います」
そもそもオプティマスもネメシスも同一人物なのだ。
コインの表と裏を切り分けることは出来ない。
「オプティマスさんもネメシスさんも私にとっては同じ人ですから」
どちらが表に出てこようとも若葉にとっては二人は同じ存在だ。
そう告げた瞬間、ネメシスは今にも泣き出しそうに顔歪めると若葉を抱きしめる。
力強い腕が背中に回り、伝わってくる誰かの体温と匂い。
縋るように抱きしめてくるネメシスに向かい若葉は無言のまま広い背中へと腕を回す。
「お前を苦しめるつもりも、悲しませるつもりも……泣かせるつもりもなかった」
懺悔のように語られる不器用な謝罪に若葉は苦笑を浮かべる。
「私も色々と酷いことを言いました。だから、お互い様って事で」
筋肉質な背中を手でバシバシと叩きながら若葉が告げた言葉にネメシスが喉の奥で微かに笑う。
「センチネルには気をつけろ。アイツは諦めが悪い。まだ色々と手札を持っている」
「解りました」
「お前はもっと自分を大切にしろ。お前はお前が思っているよりも愛されている」
「そうでしょうか?」
不安げに語尾を震わせた若葉に気づいたネメシスは若葉から離れる。
少し離れたところで待機しているサイドウェイズへと視線を向けた後、ニィッと嫌な笑みを浮かべると若葉の頬に唇を落とす。
ソレを見たサイドウェイズが声にならない悲鳴を上げる。
一寸遅れて自分が何をされたのか理解した若葉は頬を赤くしながらネメシスを睨めつけた。
「なにするの!!」
「愛されている自覚していないようだったからな」
小馬鹿にするかのように鼻で嗤ったネメシスに対し、若葉はキスされた頬を手で押さえながら何も言えずに口を開いては閉じる事しかできずにいた。
自分には決して見せなかった若葉の感情。
きっとこれからも向けられることはない、そう理解したネメシスのスパークが微かに軋み、痛みを発した。
「若葉」
名を呼びながら先ほどキスした場所を指先で撫でる。
「感謝する」
酷く穏やかな顔をして微笑んだネメシスがゆっくりと目を閉じる。
少しの間、そうしていたネメシスであったが閉じられていた瞼が開かれ、現れた色は見慣れた青であったことに気づいた若葉は上手く感情を顔に出すことが出来なかった。
そんな若葉に気づいたオプティマスは穏やかに微笑みながら若葉を優しく自身の胸元に引き寄せた。
「若葉嬢」
いつものオプティマスならば若葉を安心させるかのように抱きしめてくれていたが、今の彼は違う。
優しさに縋るようにオプティマスは抱きしめる。
「ありがとう」
オプティマスとネメシスを否定することなく受け入れてくれた。
ただ、それだけが嬉しいと言うかのように、望んでいた事だったかのようにオプティマスは感謝の気持ちを告げながら若葉を抱きしめた。
