4章:職場訪問
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似たような構造をしている建物の通路を若葉は歩いていた。
頭の中にあるのはセンチネルへの怒りばかりで、その怒りを発散するかのように荒々しい足取りでひたすら歩き続けている。
何度目になるのか解らない曲がり角を右へと曲がれば、その先にあったのは一枚のドアだ。
迷うことなくドアノブを掴み回してくると、鍵が掛かっていなかったのかドアノブは呆気なく回り、閉じられていたドアが開く。
「鍵掛かっていないの?危ないなぁ」
軍事施設なのだから鍵をかけるのは大事なことだろうにと若葉は思うが、ここが陸から切り離されている孤島だという事を思い出すと、侵入者なんていう存在は居ないので少しばかり警備がゆるくなっているのだろうなと結論を出す。
若葉は恐る恐ると言った顔をしながら少しだけ顔を出して外の様子を伺うと、太陽の光と、少しだけ磯の香りがする風を感じ取ることが出来た。
ドアの先にあったのは少しばかり開けた空間だった。
「中庭みたいなものかな?」
ドアの近くには木箱がいくつか無造作に置かれており、その近くにタバコの吸い殻がいくつも落ちている。
無意識の内に若葉は木箱へと近づくと、その上に座ると深々と息を吐き出す。
「・・・やっちゃったなぁ」
少しばかり乱暴に頭を掻きながら若葉は先程の事を思い出す。
センチネルに言った事に後悔はしていないが、彼は母の事を知っていたし、なにより母の再婚相手と仕事の話をすると言っていたことから、もしかしたら自分のせいで二人が何か言われてしまうかもしれない、そう思った若葉の顔に焦りが生まれる。
「ここに来てから失敗ばかりだ」
何もかもが空回りばかりしている。
本当は母の再婚相手とだってちゃんと向き合って、話をしなくては駄目だという事くらい解っているのに、あの人を目の前にすると何故か素直になれない。
母に対してもそうだ。
再婚に関して反対するつもりなんてないし、むしろ自分の事のように嬉しいはずなのに、何故か解らないが反抗してしまう。
まるで子供のようだと思った時だ。
「こんな所で何をしている」
感情の宿らぬ声が突然聞こえてきたことに若葉はビクッと肩を大きく震わせた後、恐る恐る声のした方を見るとそこには母の再婚相手の部下である秘書風の男が立っていた。
若葉が自分を認識したことを確認した男は足音一つ立てずに無言のまま近づいてくると、若葉のすぐ近くで立ち止まる。
「手を洗いにトイレに行ったのだろう?」
表情一つ変えぬまま若葉を見下ろしながら問いかけてくる声は、責めるわけでも、咎めるわけでもなく、ただ事実確認を行っているかのようなものだ。
「無事に手を洗い終えたのか?」
「はい」
「何故すぐに戻らない。メガトロン様は戻ってこないお前を心配している」
淡々とした声で言われる言葉に若葉は座っていた木箱から降りると、服を手で軽く叩いて埃を落とす。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。戻ります」
一礼をした若葉はドアノブに手を掛け、ドアを開けようとしたが何故かドアは開かず、ガチャガチャと音を立てるだけのドアノブを若葉は呆然とした顔をして見つめる事しか出来ない。
外に誰かが居る事を知らない通りがかった人がドアに鍵を掛けてしまったのだろうか?だとしたらとても拙いと思いながら若葉は固まる。
「鍵が掛かったのか?ならば仕方がない。誰かが来るまでここで待機だ」
神経質そうな、それこそ自身の予定が一秒でも狂いそうならば怒り出しそうな外見に似合わない寛容な発言に若葉は驚いたように男を見ると、男は空いていた木箱に腰掛けていたことに気づいた若葉は、こうしていても仕方が無いと判断すると先程まで座っていた木箱へと座る。
頭の中にあるのはセンチネルへの怒りばかりで、その怒りを発散するかのように荒々しい足取りでひたすら歩き続けている。
何度目になるのか解らない曲がり角を右へと曲がれば、その先にあったのは一枚のドアだ。
迷うことなくドアノブを掴み回してくると、鍵が掛かっていなかったのかドアノブは呆気なく回り、閉じられていたドアが開く。
「鍵掛かっていないの?危ないなぁ」
軍事施設なのだから鍵をかけるのは大事なことだろうにと若葉は思うが、ここが陸から切り離されている孤島だという事を思い出すと、侵入者なんていう存在は居ないので少しばかり警備がゆるくなっているのだろうなと結論を出す。
若葉は恐る恐ると言った顔をしながら少しだけ顔を出して外の様子を伺うと、太陽の光と、少しだけ磯の香りがする風を感じ取ることが出来た。
ドアの先にあったのは少しばかり開けた空間だった。
「中庭みたいなものかな?」
ドアの近くには木箱がいくつか無造作に置かれており、その近くにタバコの吸い殻がいくつも落ちている。
無意識の内に若葉は木箱へと近づくと、その上に座ると深々と息を吐き出す。
「・・・やっちゃったなぁ」
少しばかり乱暴に頭を掻きながら若葉は先程の事を思い出す。
センチネルに言った事に後悔はしていないが、彼は母の事を知っていたし、なにより母の再婚相手と仕事の話をすると言っていたことから、もしかしたら自分のせいで二人が何か言われてしまうかもしれない、そう思った若葉の顔に焦りが生まれる。
「ここに来てから失敗ばかりだ」
何もかもが空回りばかりしている。
本当は母の再婚相手とだってちゃんと向き合って、話をしなくては駄目だという事くらい解っているのに、あの人を目の前にすると何故か素直になれない。
母に対してもそうだ。
再婚に関して反対するつもりなんてないし、むしろ自分の事のように嬉しいはずなのに、何故か解らないが反抗してしまう。
まるで子供のようだと思った時だ。
「こんな所で何をしている」
感情の宿らぬ声が突然聞こえてきたことに若葉はビクッと肩を大きく震わせた後、恐る恐る声のした方を見るとそこには母の再婚相手の部下である秘書風の男が立っていた。
若葉が自分を認識したことを確認した男は足音一つ立てずに無言のまま近づいてくると、若葉のすぐ近くで立ち止まる。
「手を洗いにトイレに行ったのだろう?」
表情一つ変えぬまま若葉を見下ろしながら問いかけてくる声は、責めるわけでも、咎めるわけでもなく、ただ事実確認を行っているかのようなものだ。
「無事に手を洗い終えたのか?」
「はい」
「何故すぐに戻らない。メガトロン様は戻ってこないお前を心配している」
淡々とした声で言われる言葉に若葉は座っていた木箱から降りると、服を手で軽く叩いて埃を落とす。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。戻ります」
一礼をした若葉はドアノブに手を掛け、ドアを開けようとしたが何故かドアは開かず、ガチャガチャと音を立てるだけのドアノブを若葉は呆然とした顔をして見つめる事しか出来ない。
外に誰かが居る事を知らない通りがかった人がドアに鍵を掛けてしまったのだろうか?だとしたらとても拙いと思いながら若葉は固まる。
「鍵が掛かったのか?ならば仕方がない。誰かが来るまでここで待機だ」
神経質そうな、それこそ自身の予定が一秒でも狂いそうならば怒り出しそうな外見に似合わない寛容な発言に若葉は驚いたように男を見ると、男は空いていた木箱に腰掛けていたことに気づいた若葉は、こうしていても仕方が無いと判断すると先程まで座っていた木箱へと座る。