40章:君を助けに来たヒーローです
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リーダーであるメガトロンに似たのか、もしくは持って生まれた性格なのかは解らないが好戦的な仲間達の中で彼一人だけが異彩を放っていた。
その事を嘲笑われている事も、貶められている事も、知っていた。
誰よりも自分の弱さを解っていた。
だからかもしれない。
自らの弱さを認識していた彼だからこそ惹かれてしまったのは。
「ッ……」
自覚してしまった瞬間、心が声を上げる。
叶わぬ願いを求めて。
ソレを必死に若葉は押し殺す。
駄目なのだと。忘れなければと。
けれど自覚してしまった感情は、誰かを慕う心は、堰を切ったかのように次々と彼との思い出を溢れさせていく。
「(あぁ……もう駄目だ)」
躊躇いがちに触れる手、自分とは違う感触と温もり。
困ったように下げられた目尻、優しい赤色。
「(私はサイドウェイズさんが好き)」
ずっと見て見ぬ振りをしてきた。
それなのに今になって自分の気持ちを理解してしまった。
けれどそれは告げることすらできない想い。
恐怖ではない涙を流しながら若葉は口を両手で覆う。
そうしなければサイドウェイズへの想いを口にしてしまうと解っていたから。
それを知ったネメシスが何をするかなんて解っている。
だからこそ声に出しては駄目だ。
「何を考えている?」
若葉の様子が変わったことに気づいたネメシスが警戒するかのような低い声で問う。
すぐに答えなければならないことは解っている。けれど、今口を開いてしまえば彼の望まぬ言葉を口にしてしまう。
サイドウェイズだけは守らねばならない。
そう思いながら若葉はゆっくりと口元を覆っていた手を離す。
なにもありません
そう言えば良いだけなのに荒れ狂う感情が簡単な言葉すら口に出すことを許してはくれない。
ゆっくりと視線をネメシスへと向けた若葉の目に見えたのは紫色の瞳。
見たかった色ではない。
様々な感情がグルグルと若葉の胸の内で渦を作り出す。
ソレを
「たすけて」
気づけば救いを求める言葉を口にしていた。
若葉の声を聞いた直後、ネメシスの目が大きく見開かれた。
それにより自分が今、何を言ってしまったのか理解した若葉の顔から血の気が引いていく。
母のこと、赤子の事、そしてサイドウェイズの事が思い浮かんだそのときだ。
何かに気づいたかのようにネメシスの目が鋭く細められるのと同時にネメシスはゆっくりと振り返る。
「ヒーローにしては随分と頼りないな」
喉の奥で低く嗤いながらネメシスは目の前に居る人物に告げた。
「俺はそんな凄い存在じゃねぇよ」
恐怖で震える声音ではあるがはっきりと答えたその人を見た瞬間、若葉は信じられないと言うかのように目を見開くことしかできない。
これはきっと幻だと。
都合の良い夢を見ているだけなのだと。
けれど彼から視線を逸らすことができない。
「俺はただ」
いつものようにその人は笑う。
少しだけ自信がないように頼りなく。
「この世界で一番大切な女の子を助けに来ただけだからな」
らしくねぇことをしているのは解っている。
そう言ったサイドウェイズは若葉にとってヒーローだった。
その事を嘲笑われている事も、貶められている事も、知っていた。
誰よりも自分の弱さを解っていた。
だからかもしれない。
自らの弱さを認識していた彼だからこそ惹かれてしまったのは。
「ッ……」
自覚してしまった瞬間、心が声を上げる。
叶わぬ願いを求めて。
ソレを必死に若葉は押し殺す。
駄目なのだと。忘れなければと。
けれど自覚してしまった感情は、誰かを慕う心は、堰を切ったかのように次々と彼との思い出を溢れさせていく。
「(あぁ……もう駄目だ)」
躊躇いがちに触れる手、自分とは違う感触と温もり。
困ったように下げられた目尻、優しい赤色。
「(私はサイドウェイズさんが好き)」
ずっと見て見ぬ振りをしてきた。
それなのに今になって自分の気持ちを理解してしまった。
けれどそれは告げることすらできない想い。
恐怖ではない涙を流しながら若葉は口を両手で覆う。
そうしなければサイドウェイズへの想いを口にしてしまうと解っていたから。
それを知ったネメシスが何をするかなんて解っている。
だからこそ声に出しては駄目だ。
「何を考えている?」
若葉の様子が変わったことに気づいたネメシスが警戒するかのような低い声で問う。
すぐに答えなければならないことは解っている。けれど、今口を開いてしまえば彼の望まぬ言葉を口にしてしまう。
サイドウェイズだけは守らねばならない。
そう思いながら若葉はゆっくりと口元を覆っていた手を離す。
なにもありません
そう言えば良いだけなのに荒れ狂う感情が簡単な言葉すら口に出すことを許してはくれない。
ゆっくりと視線をネメシスへと向けた若葉の目に見えたのは紫色の瞳。
見たかった色ではない。
様々な感情がグルグルと若葉の胸の内で渦を作り出す。
ソレを
「たすけて」
気づけば救いを求める言葉を口にしていた。
若葉の声を聞いた直後、ネメシスの目が大きく見開かれた。
それにより自分が今、何を言ってしまったのか理解した若葉の顔から血の気が引いていく。
母のこと、赤子の事、そしてサイドウェイズの事が思い浮かんだそのときだ。
何かに気づいたかのようにネメシスの目が鋭く細められるのと同時にネメシスはゆっくりと振り返る。
「ヒーローにしては随分と頼りないな」
喉の奥で低く嗤いながらネメシスは目の前に居る人物に告げた。
「俺はそんな凄い存在じゃねぇよ」
恐怖で震える声音ではあるがはっきりと答えたその人を見た瞬間、若葉は信じられないと言うかのように目を見開くことしかできない。
これはきっと幻だと。
都合の良い夢を見ているだけなのだと。
けれど彼から視線を逸らすことができない。
「俺はただ」
いつものようにその人は笑う。
少しだけ自信がないように頼りなく。
「この世界で一番大切な女の子を助けに来ただけだからな」
らしくねぇことをしているのは解っている。
そう言ったサイドウェイズは若葉にとってヒーローだった。
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