40章:君を助けに来たヒーローです
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
下から突き上げるかのような凄まじい衝撃に若葉はバランスを崩す。
倒れるのを阻止するために慌てて近くの壁に身を寄せるのと同時に硬い何かを破壊する音が響く。
何が起こったのか解らない若葉は悲鳴を上げながらその場に座り込むと耳を両手で塞いた直後、視界を砂塵が覆い隠す。
どれくらいの間そうしていたのかは解らない。
衝撃と破壊音がいつの間にか消えていることに気づいた若葉は恐る恐る耳を追っていた手を離す。
辺りは相変わらず砂塵で何も見えない。
「なにが起こったの」
掠れた声で呟いた直後、砂塵が口の中に入ってきたため咳き込む。
口と鼻を手で覆いながら咳をしていた時、微かな物音が聞こえた為、思わず息を呑み咳を止める。
耳を澄ませて音のした方向へと意識を向けているとカツ、カツ、という規則正しい音が聞こえ、まるで足音のようだと思った直後砂塵を掻き分けられた。
現れた人物を見て若葉は恐怖で顔を引きつらせる。
「諦めろ」
紫色の瞳で見下ろしてくるネメシスの姿を見た若葉は背を向けて逃げ出すが、それをネメシスは許さない。
若葉へと音も無く近づくと乱暴に髪を掴み自分方へと引き寄せる。
頭皮を引っ張られる痛みで若葉は悲鳴を上げるがネメシスはそれを無視して歩き出す。
痛みから逃れるために若葉が必死に足を動かしていると掴まれていた髪から手を離される。突然のことに若葉は蹈鞴を踏んで倒れるのを堪えた直後、今度は頬に鋭い衝撃が走った。
「ッ!?」
衝撃に耐えられずその場に倒れた若葉は震える手で自分の頬に触れると、頬はまるで燃えているかのように熱く、次第に痛み出す。
それでようやく若葉はネメシスに頬を叩かれたことを理解した。
痛む頬を押さえながら若葉はネメシスへと視線を向けると、彼は無表情のまま若葉を見下ろしているが彼の感情を、怒りを表すかのように紫色の瞳が鈍い光を放っていた。
その事に気づいた若葉の体から力が抜け、頬を押さえていた手が力なく下ろされる。
「お前は勘違いをしているな」
暴力による恐怖によって一種の放心状態になっている若葉に向かい、ネメシスはゆっくりと話しかけながら目線を合わせるかのように腰を落とす。
自分へと近づいてきたネメシスから逃れるかのように若葉は顔を背けたのだが、ネメシスはそれを許さないと言うかのように若葉の顎を掴むと強引に自分の方へと顔を向けさせた。
顎と口を覆ってしまう大きな手、金属のように冷たい手が自分に触れている事に限界を向かえた若葉の目から涙が次々とあふれ出す。
「若葉。お前は我々と取引をした」
母と赤子を助けるために創造主の力と知恵を求めた。
自らを対価として。
それなのに若葉は逃走した。
「お前が逃げるというのならば、それはそれで仕方がない」
落胆したかのように微かに目を伏せたネメシスは若葉の頬を親指でそっと撫でる。
ネメシスとしてはかなり加減をしたのだが、彼の予想よりも人間の体とやらは脆弱だった。腫れて赤くなった痛々しい頬に触れれば若葉の体は震える。
それが痛みからなのか、恐怖からなのかはネメシスには解らないが、結果として従順になったのだから良しと判断する。
「君との取引は無効となる。……母親と赤子の事は諦めるんだな」
感情の宿らぬ声で淡々とネメシスは事実だけを若葉へと突きつけた。
その意味を最初こそ理解できていなかった若葉であったが、一寸遅れて意味を理解すると若葉必死に首を振りながら声を上げる。
「んぅ!!んー!!!」
口を覆われているため言葉にならないが若葉は必死に懇願する。
涙を流しながら自分の口元を覆っているネメシスの手を掴む。
けれどネメシスは何の反応も見せずに黙って若葉をみつめるだけだ。
倒れるのを阻止するために慌てて近くの壁に身を寄せるのと同時に硬い何かを破壊する音が響く。
何が起こったのか解らない若葉は悲鳴を上げながらその場に座り込むと耳を両手で塞いた直後、視界を砂塵が覆い隠す。
どれくらいの間そうしていたのかは解らない。
衝撃と破壊音がいつの間にか消えていることに気づいた若葉は恐る恐る耳を追っていた手を離す。
辺りは相変わらず砂塵で何も見えない。
「なにが起こったの」
掠れた声で呟いた直後、砂塵が口の中に入ってきたため咳き込む。
口と鼻を手で覆いながら咳をしていた時、微かな物音が聞こえた為、思わず息を呑み咳を止める。
耳を澄ませて音のした方向へと意識を向けているとカツ、カツ、という規則正しい音が聞こえ、まるで足音のようだと思った直後砂塵を掻き分けられた。
現れた人物を見て若葉は恐怖で顔を引きつらせる。
「諦めろ」
紫色の瞳で見下ろしてくるネメシスの姿を見た若葉は背を向けて逃げ出すが、それをネメシスは許さない。
若葉へと音も無く近づくと乱暴に髪を掴み自分方へと引き寄せる。
頭皮を引っ張られる痛みで若葉は悲鳴を上げるがネメシスはそれを無視して歩き出す。
痛みから逃れるために若葉が必死に足を動かしていると掴まれていた髪から手を離される。突然のことに若葉は蹈鞴を踏んで倒れるのを堪えた直後、今度は頬に鋭い衝撃が走った。
「ッ!?」
衝撃に耐えられずその場に倒れた若葉は震える手で自分の頬に触れると、頬はまるで燃えているかのように熱く、次第に痛み出す。
それでようやく若葉はネメシスに頬を叩かれたことを理解した。
痛む頬を押さえながら若葉はネメシスへと視線を向けると、彼は無表情のまま若葉を見下ろしているが彼の感情を、怒りを表すかのように紫色の瞳が鈍い光を放っていた。
その事に気づいた若葉の体から力が抜け、頬を押さえていた手が力なく下ろされる。
「お前は勘違いをしているな」
暴力による恐怖によって一種の放心状態になっている若葉に向かい、ネメシスはゆっくりと話しかけながら目線を合わせるかのように腰を落とす。
自分へと近づいてきたネメシスから逃れるかのように若葉は顔を背けたのだが、ネメシスはそれを許さないと言うかのように若葉の顎を掴むと強引に自分の方へと顔を向けさせた。
顎と口を覆ってしまう大きな手、金属のように冷たい手が自分に触れている事に限界を向かえた若葉の目から涙が次々とあふれ出す。
「若葉。お前は我々と取引をした」
母と赤子を助けるために創造主の力と知恵を求めた。
自らを対価として。
それなのに若葉は逃走した。
「お前が逃げるというのならば、それはそれで仕方がない」
落胆したかのように微かに目を伏せたネメシスは若葉の頬を親指でそっと撫でる。
ネメシスとしてはかなり加減をしたのだが、彼の予想よりも人間の体とやらは脆弱だった。腫れて赤くなった痛々しい頬に触れれば若葉の体は震える。
それが痛みからなのか、恐怖からなのかはネメシスには解らないが、結果として従順になったのだから良しと判断する。
「君との取引は無効となる。……母親と赤子の事は諦めるんだな」
感情の宿らぬ声で淡々とネメシスは事実だけを若葉へと突きつけた。
その意味を最初こそ理解できていなかった若葉であったが、一寸遅れて意味を理解すると若葉必死に首を振りながら声を上げる。
「んぅ!!んー!!!」
口を覆われているため言葉にならないが若葉は必死に懇願する。
涙を流しながら自分の口元を覆っているネメシスの手を掴む。
けれどネメシスは何の反応も見せずに黙って若葉をみつめるだけだ。
